副官の選定
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リーダーシップは副官の選定がカギです。

課長職で20人ほどの部下を管轄している方で、リーダーシップがうまくとれないというケースの相談に乗ったことがあります。赴任して1年になるが、どうしたらいいかわからない、とご本人は言います。キャラ的には優しい感じの方でした。

話を聞いてゆくと、片腕となる主任に、モチベーションに問題があるうえに自分と全く価値観の異なる人を当ててていることがわかりました。状況からしてやむを得なかったそうですが、現状は相当こじれて混乱していると想像できます。

だってそうでしょう。課長がAという。しかし主任はBという。その下はどちらに従ったらいいかわかりません。課長も主任もAと言ってはじめてリーダーシップが成立するわけです。課長がキャラ的に優しいタイプで、強力なリーダーシップ期待できないなら、副官の人選がとくにカギであるはずです。

私がもしこの方の立場なら、主任を専門職に横滑りさせて外すか、主任の異動を上司に働きかけるかするでしょう。そのうえでだれか適当な人を副官に据えます。しかし、今となっては相当に難しいと思います。

「副官にだれか適当な人は思い当たりますか」

と言ったら、

「個々に面談して当たってみます」

という答えが返ってきました。お気の毒ですが、赴任1年でこういうことを言ってるようでは、ご本人にあまり適性がないと言うしかないと思います。2〜3ヶ月一緒にやってれば、たいていわかりそうなものです。この先は、ご本人が、というよりはこの人の上司が判断することでしょう。第三者である私がこれ以上関わるのは、どう考えても限界だと思った次第です。

批判的だが、批判する立場にはない
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コーチング・オンリーの純粋のコーチングを標榜する人が世間には多いですが、わたしはどちらかと言えば、この姿勢にウソを感じます。質問するだけで答えは引き出せません。コンサルティング+コーチングではじめて答えが引き出せるのが実情です。

コーチング・オンリーの純粋のパーソナル・コーチングを経験した日には、

「パーソナル・コーチングなんて虚業だ」

こう感じる人も多いことでしょう。個人的にもかなり同感できます。しかし、自分もコーチングに関わっている手前、私は正面切ってこれを言う立場にはありません。

実のところ、パーソナル・コーチングという活動にはずいぶんいろいろな夾雑物が交じっていると感じています。たとえばクライアントさんに対するコンサルティングはその主たるものです。

そのほかにクライアントさんに対する妥協というのもあります。厳格なだけのコーチングというのはストレスの元になるからです。つまり厳し過ぎず、甘過ぎずのバランスが必要なのです、妥協のやり方は一歩間違えば、パーソナル・コーチングは虚業に堕してしまうのです。だから、虚業に堕さないよう、努力しているのが実情なのです。正直言えば、妥協が過ぎて、

「こりゃ、お遊びみたいなもんだな、虚業っぽいな」

と感じることもないわけではありません。ストレスをかけないほうがまだマシと判断した結果ですから、やむを得ないのです。その意味では、自分の脛に傷もあるわけです。

ヨガのインストラクターをされているクライアントさんが言われました:

「自分はなんでもかんでもヨガがいいと思っているわけではない。むしろヨガ・オンリーの立場に批判的だ。良いことならいろいろやればいいと思う。しかし立場上、ヨガを批判するようなことは言いたくない」

わたしも世間一般のコーチングに対してはいろいろ批判的ですが、批判する立場にはないという点では似てるな、と思った次第です。

自分で自分が許せるのかどうなのか
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日々コーチングをさせていただいて、感じることですが・・・。

他人にどう思われるか、で悩み事を解決しようと思うと、ますます行き詰まるだけだということです。もちろん、他人(身内を含めて)を傷つけてはいけません。また、言わずともよいことは言わないのがいいのです。しかし、正直なところを話して相手に馬鹿にされるといったことをおそれている限り、いよいよ悩みが昂じるのは間違いないわけです。

たとえば部下が自分よりも実務ができて優秀だとします。自分はどう判断すべきかわからない。ならばこの部下を呼んで礼を尽くして意見を訊くしかありません。この場面で部下に馬鹿にされまいと格好をつけたりしたら、かえって馬鹿にされるのは疑いのないところです。

また上長の期待に応えようと取り繕うあまり、にっちもさっちもいかなくて悩んでいるケースがあるとします。これも上長がなんと思うかが価値観の第一を占めているから良くないのです。できることはできる、できないことはできない、とはっきりさせる必要があります。それが仕事をするということだからです。

結局、他人がどう思うか、なんかもはや気にしている余裕などなく、

「自分で自分が許せるのかどうなのか」

いうポイントに問題が集約できれば、出口があると考えます。逆にここまで集約できていないというのならば、悩み方が不足しているか、間違っているかのいずれかです。

自分で自分が許せるのかどうなのか、だけの価値観で物事に対処することを開き直りといいます。自信がなければ開き直るしかありません。開き直りは自信に代わるものです。また開き直れば、最後には自信も出てくると思っています。

山道の木
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山道を歩いていると気付くことがあります。

それはどの木も虫食いだらけで満身創痍だということです。庭園の植木のように整った枝ぶりの木はまずない、と言っていいでしょう。また虫食いでなくても、無数の蝉・・・1年もの、2年もの、・・・6年ものに樹液を吸われているわけです。また、台風で枝が折れたり、心無い人間に枝を折られたりすることもあるでしょう。しかしそんななかで何十年、何百年の樹齢を重ねてゆくわけです。

これが大自然の姿とおもえば、個人も組織も尽きることのない問題を抱えるのはむしろあたりまえと思えてきます。泣き面に蜂というのはよくあることなのです。

泣き面に蜂だから打ちのめされてしまうのか、よくあることさ、と咀嚼できるかでその問題を乗り越えられるかどうか決まるのでしょう。山道の木が虫食いだらけ、ということに思いをいたすのもひとつの考え方ではないかと思います。

真夏の通り抜け
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桜の通り抜け」で有名な造幣局からお声がけいただき、コーチングの研修をさせていただきました。

何でも東京の日本で、造幣局だけは本庁が大阪にあるのです。東京と広島に支部があります。もっとも今は独立行政法人で、所轄官庁はもちろん財務省です。

実は私は通り抜けは行ったことがないのです。正確には一度行ったことがあるのですが、人混みに恐れをなして帰って来たのです。

研修終了後の夕方、暑い中を通り抜けを見に行こうと歩をすすめましたが、花見期間中以外は閉鎖されているということを知りました。真夏の通り抜けは冬場のプールとか、夏場のスキー場を連想させます。

造幣局に行って来た、といったら家族から尊敬のまなざしで見られました。あそこは花見の折に遠巻きに眺める場所であって、一般市民が行く場所ではない、というわけです。確かに「現金」をつくっているだけあって、塀の中は厳格に峻別された別世界です。窓には鉄格子がはまっており、その点は警察や刑務所と同じです。警備も結構厳重でした。

実際は見学も受け付けているそうです。
900 タイプ分け
899 アンチ原理主義
898 他の手法と組み合わせる
897 批判する相手とのコミュニケーション
896 攻勢のアサーティブネス

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895 2人、3人の上司
894 やれるところまで
893 今後オススメするとしたら絶対OFFICE LIVE
892 一旦引け
891 とりあえずコアの2割だけ即片付ける

*
890 資産運用はすこし勉強すれば事足りる、是非勉強すべきだ
889 友人が鬱でなんとかしてあげたい
888 内視鏡検査
887 マットを敷き詰める
886 気高く生きる権利

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885 過去の自分が引き起こした問題
884 赤信号をぶっ飛ばすような、反則コミュニケーション
883 主人に代わります
882 自分はふだん「箱」に入っているのだろうか
881 遠慮しないで、関わろう

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880 いついかなる相手に対してもアサーティブであれ
879 社保庁サイト
878 手を上げた人を鞭打つ発言をする人
877 インデックス・ファンドの積立投資
876 雑用もやります

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875 副官の選定
874 批判的だが、批判する立場にはない
873 自分で自分が許せるのかどうなのか
872 山道の木
871 真夏の通り抜け
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870 迎えず送らず
869 日経経営セミナーに3度目の登場
868 状況が変わってもやっぱりインターネット
867 「解説する」が「話すべきではないことは話さない」
866 ファイナンシャル・プランナーの相談は足が長い

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865 中村天風を読んでもらう
864 ファイナンシャル・リテラシー
863 その手は食わない
862 ファイナンシャル・プランナー
861 サブプライムローン

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860 5つの仕事があれば
859 イヤな相手の対処法
858 タフ・ネゴシエーター
857 コーチングが一皮剥ける時
856 志のない相手は時間の無駄

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855 承認で切り返す
854 それはちょっと難しいんじゃないでしょうか
853 コーチングの影の部分
852 聴衆の反応
851 独立したら生活していけませんね


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501〜550 551〜600 601〜650 651〜700 701〜750
751〜800 801〜850 851〜900 901〜950 951〜999
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