資産運用はすこし勉強すれば事足りる、是非勉強すべきだ
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20-80の法則というのがあります。つまり全体の8割はコアの2割が理解できたら、理解できるというものです。これは資産運用の知識に当てはまると思います。

資産運用のコアはずばりインデックス・ファンドによる分散投資です。つまり上記のようにうまく分散できていればOKなのです。何かの出来事で資産が危機的に激減するというリスクを避け、インデックス投資で手堅く複利を積み上げていくわけです。

たったこれだけのことですが、こんな簡単なことをわかるのに、私自身は結構時間がかかってしまいました。コーチングをはじめて忙しくやってると、ここまで手が回らなかったのです。

住宅ローンの返済が終わってから、適当に金融商品を買ってみて、上がった上がったと喜んでいました。しかし、8月の金融不安で手持ちの金融商品の評価額が暴落し、焦りました。そこできちんと勉強しよう、と思い立ち、1ヶ月余りかかって、いろいろな本を読みあさったしだいです。またFPにライフプランやポートフォリオをつくってもらいました。

その結果、適当に買った金融商品(投信)はいずれも信託報酬が高く、証券会社にカモられていたのがよくわかりました。預貯金や国債の比率も高すぎ、基礎知識のなさを痛感したわけです。

何とか値が戻ってきたので、近々投信を乗り換えるつもりですが、もちろん手数料がかかりますし、もっと早くから勉強すべきだったと反省しています。とはいえこれだけの知識も以前はたいそう敷居が高かったのです。

資産運用は基本を知っている(20を押さえている)のと知らないのとでは5年で大きな差がついてしまいます。資産運用はすこし勉強すれば事足りる、是非勉強すべきだ、と失敗経験から申し上げておきます。

友人が鬱でなんとかしてあげたい
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クライアントのFさんは現在コーチングの修行中です。

「友人が鬱で、なんとかしてあげたいのだが、どうしたらいいかコーチングして欲しい」

と実習相手から言われて、ハタと困ったと言っておられました。Fさんは身内に鬱の方がおられたそうで、「なんとかしてあげたい」がたいへん危険なのをよくご存知だからです。

これと少し似たケースが下記の例です。

「明日面接に行くのだが、どうしたら採用されるかコーチングして欲しい」

これも相手があることで、相手の空気を読んで受け答えできないと、採用はおぼつかないでしょう。事前にコーチングなんて意味がないと言えるのです。

両者とも、一般論は語れます。曰く、

「鬱の人を励ましてはいけない」

「面接担当者と話すときは相手の目を見て話さなくてはならない」

しかし、こんなのはコーチングとはいえないでしょう。わたしはこうした内容のコーチングは基本的に成立しないと考えているので、話を聴くだけにとどめます。

2つの例で共通しているのは、原因−結果の因果関係が、クライアントさん個人という系で閉じていないことです。コーチした相手の言動がどういう結果になるか、読めないわけです。ただし、コーチする側が、鬱の相手を知っている、あるいは面接担当者を知っているという場合は、その限りではないです。

しかし、切り分けが難しいのですが、こんな場合は十分にコーチング可能です。

「私は上司と折り合いが悪いのですが、どうしたら人間関係うまくいくかコーチングして欲しい」

これは折り合いの悪い理由を聞いていけば、その上司と面識がなくても、だいたい○○ではないか、というフィードバックはできるものです。コーチする相手のクセと言ったものは、話を聴いてゆくプロセスで、大体明らかになります。そのフィードバックをもとに、行動は促がすことはできます。

相手のある内容はコーチングできることもできないこともあるようです。本人だけで閉じた内容なら間違いなくコーチングできます。たとえば、資格試験に挑戦したい、という内容なら、本人の努力しだいですから、本人だけの閉じた系、といえるわけです。

内視鏡検査
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尾籠な話で恐縮ですが、私は少々痔を持っています。また安倍首相ではありませんが、腸が弱い。どうかすると疲れたように痛むことがあります。

痔に関しては悪化と軽快を繰り返して20数年来ています。ひどいときはひどかったのです。正直大腸がんではないかと思うこともなかったわけではないのですが、長い間この状態で来ているので、まあ大丈夫だろうとタカをくくってきたわけです。割に現代医学に対して不信感を持っているほうで、もしがんと告知されても、現代医学に全面的に依存しようという気持ちはありません。

今は痔の症状がほとんど出ていません。しかし、クラインアントさんに内科医の方がおられて、ふだん内視鏡の話を聞いていますので、調子がよいからこそ、内視鏡検査を受けてみようという気になったのです。大腸がん関連のサイトを見ても、中高年のがん検診は奨励しています。

近所の胃腸科医院で申し込んだのですが、混んでいるとかで2週間待たされました。受診は初回は検査キット(検査前日に摂取するのおかゆや下剤・座薬)をもらって帰って、これが初診料込みで2500円ほどでした。

検査では、腸がまだきれいになっていない、といわれて腸洗浄を3回繰り返し、ようやく内視鏡が入りましたが、やっぱり苦しい。自分の腸の中はモニターに映し出されましたが、自分で見てみても、きれいなもので、潰瘍やポリープの類は見当たりませんでした。

「なんともないですよ」

と言われた時は、いつもの景色が気のせいか明るく見えました。内視鏡検査は5000円ほどで、半日かかった割にはたいへん価格的にリーゾナブルです。ただ検査の済んだあとも、ぐるぐるいって何度かトイレに駆け込みましたし、腹が張ってちょっと前屈みになるのも苦しいくらいでした。

しかし、やっぱり感じる開放感。検診を思い切って受ける気になったのも、日頃内科医のクライアントさんと接しているお陰だと思います。

マットを敷き詰める
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クライアントのYさんが言われました。

「自分はともすると職場で考え方が異なる相手と対立することがある。なにか良い方法はないものでしょうか」

まず押さえなくてはならないのは、考え方の異なる相手は「投げ飛ばさなければ、投げられる」ということです。

たとえば、自部署のキーパーソンを他部署から「もらい受けたい」と言ってきたとします。そしてこのキーパーソンを渡した日には、自部署の仕事が立ち行かなくなる、としましょう。

こんな場面で、うっかり「そうですね」とか「考えさせてください」と相手に答えたりしたら、話はその方向に進んでしまいます。だから相手を断固投げ飛ばさなければならないわけです。

ただ、投げ飛ばすに当たっては、床にそのまま投げるのではなく、ソフトランディングできるよう、マットを敷き詰める必要があるのです。このためには、相手の感情を肯定する言葉をできるだけ枕詞として並べるのです。

「なるほど、あなたのところもたいへんなんですね」

「お気持ちはわかります」

「そう言われるのも無理もない」

「私もあなたの立場なら、同じことをするでしょう」

相手の感情を肯定する言葉はタダです。お金がかかりません。また何度となく繰り返しても、嫌味な感じは全くありません。考え方が異なる相手と経験する摩擦は最低限に抑えられるでしょう。

その上で、断固拒絶する。とは言え、マットを敷き詰めても、怒る相手は怒ります。それはこちらの問題ではなく、相手の問題です。これは仕方がない。しかし、マットを敷かないよりは、よりマシな怒り方になります。無用な対立を招かないためには、全力で相手の感情だけは肯定するのがベストなやり方だと思います・・・

と語ったところ、Yさんは、

「なるほど、そういった考え方はこれまで全く念頭になかった。早速試してみます」

とのことでした。次回のセッションでなんと言われるのか楽しみです。

気高く生きる権利
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YOMIURI ONLINEの「人生案内」というコラムにこんな投書がありました。

夫の死を願ってしまう50代
 50歳代の主婦。夫は自己中心的で、人に厳しく、言葉もきついです。「自分は悪くない」と人を責めてばかりいます。結婚当初から傷ついてきました。

 「言い返せば良い」と人は言うでしょう。でも私はそういうのが苦手な性格で、我慢した方がましと思ってしまいます。

 「夫がいなければ――」といつも思います。死をも願ってしまうのです。「夫がいなければこんな生活ができる」と想像するのが夜寝る前の楽しみです。夫だけでなく、子どもの連れ合いが問題などを起こすと、連れ合いの死を願ってしまいます。

 そんな自分が恐ろしいです。自分でも異常だと思います。心の中はいつも不安です。こんなに人の死を願い、不安いっぱいの人などほかにいないでしょう。これからどんな気持ちで生きていけばいいのでしょうか。(神奈川・W子)



 自分のことは棚に上げ、他人を責めてばかりいる人間は時々いますよね。そういう人の近くで暮らすことは、どんなにつらいことか……。まして心優しく、言い返すことも遠慮してしまうような人柄のあなたです。夫婦とはいえ、よく我慢できていると思わざるをえない。

 もちろん、だからと言って死を願っても良い、というのではないんですけど、理不尽に押されれば、気持ちのどこかにしわ寄せは出るものです。それに、あなたの場合、別に「殺意を抱く」というのではない。むしろ、「こんな気持ちを抱く自分」を責めて、また苦しんでおられる。まさに二重の苦しみです。

 これはまず、「自分は人の死を願うような悪い人間」という観念を放棄することです。あなたの問題の中心はむしろ、「不安いっぱい」である点じゃないでしょうか。過剰な不安を抱える人は、何でも自分に引き寄せて考える面が強い。ご主人や他の人の問題にしても、あなたが原因じゃない。ということは、あなたにはどうしようもない。

 それはむしろ、その人が不安になるべきなのであって、あなたがそれまで代わって引き受けることはないのです。こう考えることで、不安の水準を切り下げてみてはどうでしょうか。

 (野村 総一郎・精神科医)

(2007年9月22日 読売新聞)


はっきり言ってわかります、この気持ち。私の身近なところにも「自分のことは棚に上げ、他人を責めてばかりいる人間」はいますから。

「不安の水準を切り下げてみてはどうでしょうか」なんて答えになってないと感じます。

この人はアサーティブネスが性格的に抵抗があるのでしょうね。それでも答えはアサーティブネスに目覚めるしかない、と私は思います。「イヤなものをイヤ」という権利はこの人にもあるはずですから。

現世ですでに生き地獄なわけですから、このままだと、死後地獄へ落ちるのは、ダンナより奥さんのほうです。現状のままでは、この人の精神世界は度し難く暗いです。

まず、アサーティブネスを学ぼう、そしてなんとかストレスをためない工夫をしよう、私ならこの方にそう言ってあげたいです。水戸黄門主題歌じゃないが、人生勇気が必要ですよ。

そして、批判されて相手の死を夢想するというような、せせこましい精神世界を離れて、もっと気高く生きるべきです。もちろん人間だれでも気高く生きる権利はあるのです。そのためには宗教の導きを受けられるとよいでしょう。何教でも自分にあった教えでOKだと思います。
900 タイプ分け
899 アンチ原理主義
898 他の手法と組み合わせる
897 批判する相手とのコミュニケーション
896 攻勢のアサーティブネス

*
895 2人、3人の上司
894 やれるところまで
893 今後オススメするとしたら絶対OFFICE LIVE
892 一旦引け
891 とりあえずコアの2割だけ即片付ける

*
890 資産運用はすこし勉強すれば事足りる、是非勉強すべきだ
889 友人が鬱でなんとかしてあげたい
888 内視鏡検査
887 マットを敷き詰める
886 気高く生きる権利
*
885 過去の自分が引き起こした問題
884 赤信号をぶっ飛ばすような、反則コミュニケーション
883 主人に代わります
882 自分はふだん「箱」に入っているのだろうか
881 遠慮しないで、関わろう

*
880 いついかなる相手に対してもアサーティブであれ
879 社保庁サイト
878 手を上げた人を鞭打つ発言をする人
877 インデックス・ファンドの積立投資
876 雑用もやります

*
875 副官の選定
874 批判的だが、批判する立場にはない
873 自分で自分が許せるのかどうなのか
872 山道の木
871 真夏の通り抜け

*
870 迎えず送らず
869 日経経営セミナーに3度目の登場
868 状況が変わってもやっぱりインターネット
867 「解説する」が「話すべきではないことは話さない」
866 ファイナンシャル・プランナーの相談は足が長い

*
865 中村天風を読んでもらう
864 ファイナンシャル・リテラシー
863 その手は食わない
862 ファイナンシャル・プランナー
861 サブプライムローン

*
860 5つの仕事があれば
859 イヤな相手の対処法
858 タフ・ネゴシエーター
857 コーチングが一皮剥ける時
856 志のない相手は時間の無駄

*
855 承認で切り返す
854 それはちょっと難しいんじゃないでしょうか
853 コーチングの影の部分
852 聴衆の反応
851 独立したら生活していけませんね


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001〜050 051〜100 101〜150 151〜200 201〜250
251〜300 301〜350 351〜400 401〜450 451〜500
501〜550 551〜600 601〜650 651〜700 701〜750
751〜800 801〜850 851〜900 901〜950 951〜999
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