Я[大塩の乱 資料館]Я
2015.5.28

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『通俗洗心洞箚記』
その110

大塩中斎著 下中芳岳(1878-1961)訳

内外出版協会 1913

◇禁転載◇

下巻 (24)二六 荀子の性悪説に就いて

管理人註

筍子性悪之説、当 之于情、則不易之 論。而当之于性、 則不也。此 無他。他只看陰 陽、而未太極 故也。

 荀子性悪の説も、之を情に当てゝ考ふれば、万古不易の論 である。而も之を性に当てゝ考ふれば、事実と合はぬ。斯く 苟子の考へたのは、抑も何故であるか、陰陽に分れての後の 性を考へたからである。未だ陰陽に分れぬ前の太極に就いて 考へなんだからである。

                         『太極(性)の引用の流行となる。太極そのまゝなら ば善だが、陰陽の流行となると、天理(性)人欲(情) の別を生ずる。』との見解に依ッて斯く言ッたのである。 が、此の見解そのものにも勿論疑ひがある。今日では、 孟子の性善をも取らぬ。苟子の性悪をも取らぬ。性その ものには善も悪もないのである。

『洗心洞箚記』
(本文)その198
 


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