Я[大塩の乱 資料館]Я
2015.1.29

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『通俗洗心洞箚記』
その29

大塩中斎著 下中芳岳(1878-1961)訳

内外出版協会 1913

◇禁転載◇

上巻 (25) 二五 眼を開きて大観せよ

管理人註

眼俯仰天地以 観之、則壊石即吾 肉骨、草木即吾毛 髪、雨水川流、即 吾膏血精液、雲煙 風籟、即吾呼吸吹 嘘、日月星辰之光、 即吾両眼之光、春 夏秋冬之運、即吾 五常之運、而太虚 即吾心之蘊也。鳴 呼、人七尺之躯、 而与天地斉乃如 此。三才之称、豈 徒然哉。宜化 気質、以復太虚 之体也。

  ○ ○ ○ ○   ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○  ○ ○ ○ ○ ○ ○  つち ○ ○  眼を開け。而して天地に俯仰して、以て大観せよ。壌や石 ○   ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○   ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○   ○ ○ ○ ○   ○ ○ ○ や、其は即て我が肉、我が骨では無いか。草や木や、即て我 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○   ○ ○ ○ ○ ○ ○   ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ が毛髪ではないか。雨水や川流や、其は即て我が膏血我が精 ○ ○ ○ ○ ○ ○   ○ ○ ○ ○ ○ ○   ○ ○ ○ ○ ○ ○ いぶき ○ ○ ○ ○ ○ 液では無いか。雲煙や風籟や、其は即て我が呼吸では無いか。 ○ ○ ○ ○ ○   ○ ○ ○ かゞやき ○   ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 日月の光や、星辰の 輝 や、其は正しく我が両眼の光では無 ○ ○   ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○   ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ いか。春夏秋冬の運や、其は即て我が心に具はれる五常の運 ○ ○ ○ ○ ○   ○ ○ ○ ○ ○ ○   ○ ○ ○ ○おほおく ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ では無いか。而して太虚は、我が心の蘊、而も一切を葆含し ○   ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○   ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ むくろ ◎ ◎ ◎ て、遺すなきの実在である。あゝ我等人間七尺の躯、而も天 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ (一)◎ ◎ ◎ ◎   ◎ 地と其の性を斉しうする此の如きものがある。三才の称、決 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎   ◎ ◎ ◎ ◎  ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ して無意味では無い。とは言へ、此のまゝにして何等の修養 ◎ ◎ ◎ ◎   ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎   ◎ ◎ もなくば、其はたゞ一個七尺の小肉塊たるに過ぎない。苟も ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎   ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎   ◎ 真に天地の化育に参せんとならば、我欲の気質を変化し、太 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎   ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 虚の本体に帰るべく努力して、以て日に月に新にする所があ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ らんければならぬ。

    (一)天地人を三才といふ。

『洗心洞箚記』
(本文)その27
 


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