Я[大塩の乱 資料館]Я
2015.3.15

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『通俗洗心洞箚記』
その67

大塩中斎著 下中芳岳(1878-1961)訳

内外出版協会 1913

◇禁転載◇

上巻 (63) 六三 鬼神壮烈に泣く

管理人註

子弟問文文山正 気歌所謂鬼神泣 壮烈。曰。 「人真有君之 心、而一毫人 欲之私者、読孔 明出師表必飲泣 矣。便是良知之感 動也。良知即鬼神、 何別有鬼神乎哉。 鳴呼、爾等亦忠矣、 則必知得鬼神之 泣

                   (一)  我が子弟中、文天祥の正気歌の中なる「鬼神壮烈に泣く」              わし の義を問ふものがあッた。で予は斯う答へた。  『真に君に忠ならんの心あッて一毫人欲の私なき人、若し、   (二)すゐしのへう 孔明が出師表を読まば、必ずや哭泣涙に咽ばざるを得ないで                          (三) あらう。便ち是れ良知の感動然らざるを得ないのである。良   やが 知は即て鬼神、何も良知の外に鬼神あるの訳では無い。あゝ                しれつ 爾等も亦善く真に忠ならんの一念熾烈ならば、必ずや鬼神壮 烈に泣くの真意を知了し得るであらう』と。

    (一)文天祥が獄中にて作ッた正気の歌中にあり。   「鬼神壮烈に泣く」とは諸葛孔明の出師表を称し   た句。 (二)諸葛孔明、蜀に相となりし時、誠心を開きて君   に奉りたる政治上、軍事上の建白書なり。 (三)鬼神とは形なく目に見えざる自然の力。良知は   即ち其の鬼神と本体を一にすとの意。


『洗心洞箚記』
(本文)その118
 


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