身体髪膚、受
之父母、不敢
毀傷、孝之始
也。吾惟、心之
徳、受之於天。
不敢毀傷其
徳、孝之要也。
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身体髪膚は是れ正しく我が父母より戴いたもの、従ッて常
に是を大切に心得、決して此の身体、此の髪膚を毀り傷けて
はならぬと努力するが、親への孝行の第一歩ぞと孔夫子は言
わし
ははれた。予は更に附加へて言ひたい。我々の此の精神、此
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の心の徳は、是れ正しく天からの戴きものである。常に大切
に護ッて、決して毀り傷けぬやうにと努力するのが、取も直
さず孝行の要道であると。
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『洗心洞箚記』
(本文)その5
毀(こぼ)り
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