Я[大塩の乱 資料館]Я
2014.12.27

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『通俗洗心洞箚記』
その8

大塩中斎著 下中芳岳(1878-1961)訳

内外出版協会 1913

◇禁転載◇

上巻 (4) 四 身と心と

管理人註

形而言、則 身裏心、心在 身内焉、自道 而観、則心裏身、 身在心内焉。 其謂心在身内 者、一遺操存之 功、則物累我、 其覚身在心内 者、常得超脱之 妙、而我役物。 役物与于物 之別、学者宜 之。

            つゝ  形より言へば、身は心を裏んで居て、心は身の内にあると も見える。けれども、道より観れば、心は身を裏んで居て、 身は心の内にある。さて形より見て、心は身の内にあると思ッ                        わす て居る人達にして、一たび操存の功(精神修養)を遺るゝに      ○ ○ ○ ○ ○とら ○ ○ ○ ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 至らば、外物の為に累はれて動もすれば物質の奴隷となる。 是に反して、道より観て、身の心の内にあるを覚れる人達は、 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○   ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 物欲を超脱して、何等外物に累はれざる観自在の妙境にあり ○   ○ ○ ○ ○ ● ● ● ● ● ● ● て、心は常に外物を支配する。世の学に志さんとするもの、      けじめ 先づ以て、此処の別、即ち「物を支配する」と「物に累は るゝ」との別をよく弁へんければならぬ。

    営々として一に物欲の奴隷となり、我から我が生活内 容を束縛せんと焦慮する人々の何ぞそれ今の世に多き。



『洗心洞箚記』
(本文)その5

 


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