当平生至安之時、
不可無危難之
念。而当倉卒危
難之時、不可
無至安之楽也。
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い つ
平生、安穏無事なるの時に於て危難の何時来るやも知れず
との念あらねばならぬ。是れ、倉卒危難の場合にも決して狼
狽周章せぬ為の修養である。而して、倉卒危難の時に当ッて
は、平生の安穏無事なるの時に楽があらんければならぬ。是
れ其の事物に適当に処し得る所以であッて、而も平生の修養
工夫の結果である。
原本には、上巻百八十條あり、其の中、重複せるも
の、学説のみに関するもの等を省きて、こゝに処世修
養に関するもの七十六條を選んで訳出せり。
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『洗心洞箚記』
(本文)その150
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