刀拙乎切木、而
鋸巧乎切木。鋸
難乎殺人、而刀
易乎殺人。故器
各有適於用。
不適於用、則
雖利器猶如鈍。
是故聖人器使也。
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まづ けれど よ
刀は木を切るには拙い。而も、鋸は木を切るには巧い。鋸
にく けれど
は人を殺すには殺し難い。而も、刀は人を殺すには殺し易い。
故に、器は各適する所が定ッて居る。若し適せぬ所に使へば、
と
利き物も、猶ほ鈍きものに及ばぬことがある。是の故に、聖
(一)
人は器の使である。それ\゛/の人材を弁別して、適当に適
材を置き用ふるの地位に立つ。而も聖人は器では無い。往く
として可ならざるなき大人格である。
(一)論語に「君子は器ならず」とある。器は使用さるゝ
ものである。器の使といふのは器を使用する人であ
るとの意。
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『洗心洞箚記』
(本文)その161
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