|
平八郎の著書は七部から成立してゐる。
古本大学刮目七冊。
洗心洞剳記二冊。
附録抄一冊。
奉納書籍聚跋一冊。
儒門空虚聚語二冊。
増補孝経彙註三冊。
洗心洞学名学則一冊。
右の書籍の中で『洗心洞剳記』二冊は、平八郎一代の傑作である。
『余が剳記は河東の読書録、寧陵の呻語、及び寒松堂庸言等に傚ひ、目
の触るゝ所、心の得る所有る毎に、之を筆して以て自から警め、又以て子
弟の憤を助発するのみ。』とは、実に謙遜の言葉を表現してゐ。
で、『洗心洞剳記』、及びその附録とを併せて、佐藤一斎、斎藤拙堂な
どを初めとして、五六十人に寄贈したのは、自分の著述を批判して貰ふ為
であつた。彼の思想を理解しようとする人は、これを読破するのが一番い
と思ふのである。
|
幸田成友
『大塩平八郎』
その56
幸田成友
『大塩平八郎』
その58
『洗心洞箚記』(抄)
その14
傚(なら)ひ
呻語
「呻吟語」
が正しい
|