Я[大塩の乱 資料館]Я
2013.8.9

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「大塩の乱関係論文集」目次


『大塩中斎』

その62

山田 準(1867−1952) 

北海出版社 1937 『日本教育家文庫 第34巻』 ◇

◇禁転載◇

後編 兇年の惨状と猾吏驕商の膺懲
 第十九章 密訴者と盟友の警報
管理人註
   

 十七日の深更、同盟の一人東組同心平山助次郎、俄に変心して、跡部 奉行の仮宅に駈け込み、挙兵加盟の実状を密訴した。奉行は惶愕の余、 訴人平山を江戸に遣り、事情を訴ふべく直に旅立たせ、一夜を空しうし た。翌朝西町堀奉行登庁す、跡部奉行は前夜の密訴を告げて捕方手当の 方案を密議したが、堀奉行は着任の日浅くして、事情に通ぜず、跡部奉 行は狐疑して、僅に実状探査を命じたるのみにて又一日を空しうした。 十八日夜、結盟中の一人東組同心吉見九郎右衛門、又変心し、其子及河 合某の子をして訴状及檄文を携へて西町奉行に密訴せしむ、堀奉行は直 に之を跡部奉行に告げた。既にして十九日の天明けんとす、同盟の壮士 瀬田済之助、小泉淵次郎二人、前夜より当直して東町奉行所に在り、奉 行は先づ之を捕へんと手配して二人を招いた、二人之を覚つて逃る、捕 吏、之に迫り、淵次郎は斬られ、済之助は墻を踰へて遁れ、急を洗心洞 に告ぐ。斯くて当日活劇は切つて落された。


石崎東国
『大塩平八郎伝』
その110









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『大塩平八郎伝』
その112
 


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