わかっているけど相談しよう
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職場で上司・部下に相談するというのは、本来は問題解決に知恵を貸してもらう、ということですね。

しかし、この本来の目的と同じくらいか、それ以上に大切なのは、

・味方になってもらう

・教育する

という目的です。

確かに他人が手出しをできない、自己完結型の仕事というのはあります。しかし、仕事は組織でやるものですから、自分ひとりだけで抱え込むというのは基本的に下手で、損なのです。

ですから、「わかっているけど相談する」というのがいいのです。

相談された方は

・頼りにしてくれてるんだ

とうれしいものです。ただ、

・頼りないな

と相手に感じさせる持って行きかたは最低限やめておく必要があります。また相談した結果、上司の中にも、部下の中にも、自分の意見通りやらないと気分を害したりする人がいますので、これは十分計算の上でやります。

相談した結果は、上司・部下とも間違いなく味方になってくれますし、教育されてもくれます。

たとえば、客先の値引き要求を断わって失注するようなことがあっても、上司に相談した結果なら、おとがめはないでしょう。

また、相談することによって教育されてくれますので、仕事の引継ぎも容易ですし、自分が不在の折は処理してくれていたりします。

相談せず何でも自分ひとりでやってしまう、というのは孤立するわ、人は育たんわ、でいいことはありません。「わかっているけど相談する」は世渡りの点からも、マネジメントの点からも、ぜひとも身につけたいビジネス・コーチングのスキルですね。

グーグルの「コーチング
154



コーチングといっても、サッカーも野球もバレーボールもあります。2005年7月19日現在、グーグルを「コーチング」で検索すると、

サッカー:クーバー・コーチング(4位)

野球:コーチング・クリニック(10位)

バレーボール:春高コーチング・キャラバン(13位)

とはいえコミュニケーションのコーチングのサイトの方が断然目立ちます。私が2年前にホームページを立ち上げた時、1位だったのはサッカーのクーバー・コーチングでしたから、この2年で上位陣は様変わりしてしまいました。

さて、私のサイトですが、一昨日前から8位と9位にも顔を出すようになりました。これで上位10位のうち、1位・2位・8位・9位と出ていることになります。2年前は200位にも入れなくて、1位のクーバー・コーチングを見てため息をついていましたから、やる気でやれば状況は変わるものです。

インターネット時代の面白さは、検索エンジンの順位に限っては、個人でも大手?企業をしのぐことができることです。この逆も真で、200位のホームページでは一般の人に見てもらう、というわけにはいきません。

どのような形であれ、ホームページは見てもらわないと意味がない!ので、上位表示にはこだわりたいのです。今後も地道に取り組んで行こうと思っています。

気を使わず、頭を使う
153



コーチングをやっていて、対人関係については実にさまざまな相談を受けます。対人関係の問題というのは、結局のところ、

「考え方が異なる」

この点に尽きます。考え方が同じだったら、相手と軋轢は生じないでしょうから。ただ、「考え方が異なる」というのは相手と自分が違う人間であるかぎり、絶対避けて通れませんね。

問題は考え方が異なったとき、世間一般では、相手の人格やあり方を否定するかのような発言をしたり、されたりしていますね。たとえば、

「何を考えてるんだ。違うだろう!」

などというのがそれです。違うのはその些細な一点だけなのに、相手の人格やあり方を批判するような発言がホントに横行しているわけですね。つまり単なる意見の対立が人格の対立にすり替わっているのが対人関係の問題の本質だと言いたいのです。

私に言わせると、単なる意見の対立を人格の対立にすり替えて受けとめる結果、ストレスをためることが「気を使う」ということなのです。

意見の違いはあくまで意見の違いです。意見の違いは「相手によく思われないじゃないか」という気兼ねを捨てて、あくまで理屈でクールに処理すべきものなのですね。これが「頭を使う」ということです。

とはいえ、単なる意見の対立を人格の対立にすり替えて受けとめる人は多いですね。

これは「承認」で解決します。「承認」とは考え方が異なっても相手の人格、あり方、気持ちを肯定することです。たとえば、

「せっかくやっていただいたのですが、これでは少々マズイのです」

「お気持ちはわかりますが、そのやり方はやめたほうが良いですね」

だと、だいぶ良くなるでしょう?

つまり、相手を承認した後で、意見の調整に進むわけです。

相手を承認すれば相手も、こちらの人格・あり方を認めるだけの余裕が普通できるものです。
(相手によってはできない人もいますが・・・)

つまり「気を使わず、頭を使う」コツは「承認」であるわけですね。

逆に言うと「承認」を使うとストレスなく、問題の本質を扱えるのでトクだといえます。

すべての対人関係の問題の処方箋は「気を使わず、頭を使う」こと、そのためのツールとして「承認」を駆使しましょう、ということになります。

対人関係の問題を持ち込まれたときは、この内容を補助線としてお話させていただきますが、もつれた糸がたいへんほどけやすくなるのを実感しています。

コーチングは現状からか、ゴールからか?
152



大学時代ESSでやったディスカッションのスタイルに「フォーマル・ディスカッション」というのがありました。すなわち、フリー・トークではなく、あるひとつの意見を皆で検討するというものです。これは型があって、

アジェンダ1: ゴール

アジェンダ2: 現状分析  問題→弊害 と論じた後、原因を論じる。
                 原因→→→問題の因果関係が明らかにされねば
                 ならない。

アジェンダ3: プラン    原因を解消するプランを提示する。


というものです。

ゴールと現実のギャップを問題ととらえる点が、コーチングのGROWモデルとひどく似ていますね。

冒頭にアジェンダ1をやるのですが、これは具体的にどう、と深めることはしないで軽く流すことがお約束です。せいぜい定義を論じる程度ですね。だからアッという間に終わります。

通常アジェンダ1は自明、というような内容が多いので、私はずっとこれを軽視していました。アジェンダだから仕方なく流していたに過ぎません。

で、コーチングを始めてからも、1年くらいは現状から入ってゴールに進んでいたのです。

当時は冒頭にゴールを語る、というステップが形式的で、さして意味がない。クライアントさんも現状から入ったほうが話しやすそうだし、ゴールはそれから後のほうがいいだろう、といった理解でした。

しかし、これをやると、断然話が長くなる傾向があります。目的がはっきりしないまま、対話が始まるので、どうしても「愚痴モード」になるためです。

また現状から入って、次にゴールに進んだ場合、現状との対比でゴールを理解できるので、ゴールがわかりやすいのですが、ここに大きな陥穽があります。

現状をやって、ゴールに進むと、ゴールが現状に影響されてしまい、アクション・プランが現状の問題を回避するだけの「対症療法」になる傾向があるのです。

たとえば、転職の話を論じても、現状からだと、今の職場がイヤなので、なんとかして変わりたい、どうしようか、という話になってしまい、本来何の仕事をしたいのか、という本質論が見えにくくなる、と言ったことです。

で、以上の弊害から、私はどちらかというと必要に駆られて、ゴールから入るように変えざるを得ませんでした。ゴールから入るように変えてからは、短時間で目的を見失わないコーチングができるようになりました。

ということで、表題の「コーチングは現状から入るのか、ゴールから入るのか」という問いに対しては、「まずゴールから入って、解決像と目的を明確にすることをめざすべし」を答えとしたいと思います。

一期一会
151



先輩コーチのKさんが某メルマガでこんな発言をしておられました。

「・・・私、クライアントさんになってくれた人とは長期になるのです。1〜2年はもう当たり前ですね。3ヶ月で終わる人は、本当に少ないです。」

これは正直すごいですね。

私はこうはなりません。

ただひとつ思ったのが、自分がクライアントだったら、同じコーチと1〜2年続くだろうか、ということ。

そうはならんでしょうね。

私は師匠のT氏ともほんの点接触ですしね。

1〜2年続く人と、3ヶ月で終わりの人の差は何だろう?

コーチの技量の差?

確かにそれはあるでしょうが、タイプの差も大きいと今のところは感じています。

私個人は群れられない「タカ派」で、私のクライアントさんも基本的に「群れられない」人ばかりです。どうしても付き合い方が「一期一会」型になるのですね・・・

では「一期一会」型がワルイのか?

そういうことでもないから、自分は「一期一会」型で行くしかないな、と思っています。
200 コーチングで食べるのは最後に
199 コーチングの金銭感覚
198 心の準備
197 少人数
196 人生のキーワード

*
195 真我を信じよう
194 ムラ社会
193 夢を壊す権利
192 究極のパラダイム
191 これはコーチングですから

*
190 一緒に考えましょう
189 日曜喫茶室
188 いじめとアサーティブネス
187 齟齬の指摘
186 答えはクライアントの自助努力の中にある

*
185 私は何をしてあげたらいいですか
184 Sコーチ
183 答えを教える
182 光明と暗黒
181 アイボール・ミーティング

*
180 パラダイム・シフト
179 結婚問題
178 にっちもさっちもいかなくなった相談事
177 すべて簡単な言葉で表現できる
176 祝福と呪詛

*
175 アクセルを踏みながらブレーキ
174 コーチングは何が画期的なのか
173 コーチングの定義とは
172 コーチングは方便
171 適性はソリューション

*
170 成果報酬
169 開き直り2
168 開き直り
167 助言を受ける側の度量
166 みんなアマチュア
*
165 結婚の効用
164 面談の克服
163 失敗するかもしれないけれど・・・
162 心を明るく
161 鬱になるくらいなら周囲に迷惑をかけよう

*
160 ストレスをためない
159 組織人から個人へ
158 汲んで形にする
157 21世紀は個人の時代
156 実務はできなくても管理はできる

*
155 わかっているけど相談しよう
154 グーグルの「コーチング」
153 気を使わず、頭を使う
152 コーチングは現状からか、ゴールからか?
151 一期一会

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