コーチングで食べるのは最後に
200



パーソナル・コーチングで生計を立てることを考える人は多いです。しかし経済的に余裕のない状態で、コーチングのみで生計を立てるとなれば、ふた言目には「金、金」になってしまい、感心しません。コーチングは基本的に助言行為です。「仁術」の要素がない助言行為は疑問です。やはり本業を持って経済的に十分余裕のある状態で、余暇にライフワークとして始めるべきだと思います。

仮にフルタイムのコーチとして独立したとしても、会社勤めをしている人を相手にするなら、早朝と夜間しか仕事がないことになります。昼間はヒマです。会社勤めをしている人こそ、コーチングのニーズがあり、コーチングを受けるだけの経済的な余裕があるのです。昼間自宅にいる専業の主婦は大してコーチングのニーズを見込めません。

コーチングはコミュニケーションの訓練よりも、「人間力」「提案力」がよほど重要なのです。これは社会で働きながら磨かれていくものです。たまに20代そこそこの若者が、コーチングを仕事にしたい、と言って来ます。例外なく、普通の会社勤めをして社会経験を十分積むことをオススメしています。コーチングは暇を見つけてゆっくり学んで行けばいいので、焦る必要はありません。

ちなみに私も本業を持ったままで、パーソナル・コーチングに従事しています。内勤ですから、毎日残業しても帰る時間が安定しているのがありがたいところです。私のアイデンティティは現役のビジネスマンである点です。クライアントさん同様、日々組織内で起こるいろいろな問題に向き合っていますので、空論は言わない、言えない、これがむしろ強みではないかと思っています。

コーチングの金銭感覚
199



企業相手のコーチングはパーソナル・コーチングと較べて高価です。企業相手のコーチングはフィールドがビジネスに限定されるのにもかかわらずです。なぜでしょう?

企業相手のコーチング=業務用=経費

パーソナル・コーチング=家庭用=消費

に喩えられるでしょうか。それぞれ独自のマーケティング・スタイルを持っています。

「経費」は高い買い物をしても、総合的に判断して、それ以上に儲かるビジネスができれば良く、支出の絶対額ではなく、どれだけのリターンが見込めるかが購買検討のポイントとなります。コーチングで稼ごうと思えば、企業を相手にするべきです。企業相手のコーチングであれば、コマーシャリズム大いに結構だと思います。企業相手のコーチングは研修やコンサルティングに準じるものと考えられるからです。

パーソナル・コーチングは個人向けの助言手法です。その意味で言うと「コーチングも仁術」なわけです。プロ意識は大切としても、コマーシャリズムに徹した金取り主義をプロ意識とするのは疑問なのです。個人的な感想を言えば、パーソナル・コーチングにはコマーシャリズムに徹した金取り主義は合わないと思います。

具体的に言いましょう。パーソナル・コーチングで1回30〜40分に1万円を要求するコーチがいます。私なら金を出したくありません。世間一般の金銭感覚からずれ過ぎています。30〜40分で何ほどのことができるのでしょうか。何がありがたくてそんな料金を払うのか、と言いたくなります。特にこの料金体系では、若い女性が受けたりするのは絶対に無理でしょう。

また、コーチングを体験するのにも金を要求するサイトがあります。そのサイトの運営者はタイム・イズ・マネーと割り切っているのでしょう。しかし、プロに徹したコマーシャリズムには個人的に断然抵抗があります。

「その筋のプロ」から甘いと言われるかもしれませんが、個人的には庶民の金銭感覚は失いたくありません。

心の準備
198



昨日はクライアントさんのスカイプを待っていて、うっかりうたた寝してしまい、私が応答しなかったため、改めて電話がかかってきて叩き起こされました。

コーチングは3年目ですが、このパターンは2度目です^^; 申し訳ございませんでした。

ただうたた寝する前には心の準備はしていましたので、電話を受けてからは問題ありませんでしたが・・・

たまにいきなり電話をかけてきて、コーチングしてくれ、という人がいます。絶対即座に受けることはしません。名前も相談内容も事前にわかっていない人の相手など、とてもできたものではありません。必ずメールで内容を事前に送ってもらうよう言います。そうすると後は必ずと言っていいほど連絡はありません。

こうしてみると24時間電話対応している「いのちの電話」はいかに重労働であるか、思い知らされます。電話をかけてくる人に思いっきり振り回される、効率度外視のやり方ですね。

コーチングは約束した時間に合わせてコーチ・クライアントともテンションを上げていく、これがメリットだと痛感します。

少人数
197



「経営は言葉でやるもんだ」

異業種交流会に行くと、社長さんたちは異口同音に語ります。従業員というのは資源、この資源を目一杯使うにはコミュニケーションの力が必要で、金ではないと言われるわけです。

たとえば、ねぎらいであったり、行き届かない点の指摘であったり、改善のための提案であったりします。コミュニケーションこそ目的と資源を結びつける最も有効な手段で、お金は一銭もかからない、と言われるのです。

確かにその通りですが、みなさん上下のコミュニケーションにばかり着目して、横のコミュニケーションが時として看過されているきらいはあります。社長で持っている会社は特にそうです。

コミュニケーションの力は、上司部下の上下関係だけでなく、同僚の横の関係がむしろ大切なのです。横の関係でこのコミュニケーションの力を十分働かせるコツは、グループを小さくすることだと思います。10人のグループでは横の連絡を取るには大きすぎます。5人くらいのグループがベストでしょう。

こう考えていくと、従業員を管理していくには5人単位、リーダーを管理していくのも5人単位,役員会も5人程度でやるのがいい、ということになります。従業員をどうセグメントして、コミュニケーションの力をどう行使するのか、これが経営者の腕のみせどころです。

そんなの当然じゃないかと思われるかもしれませんが、世間で上下の疎通のみのセレモニーのミーティングは限りなく多いのです。ミーティングではコミュニケーションを上下で機能させたうえで横でも機能させる、これが上手いやり方でしょう。

コーチングどうこう以前に、コミュニケーションは少人数で、これがセンスの良さというものだと思います。

人生のキーワード
196



自分は一体何をしたらよいのかと、「自分探し」をしている人はホントに多いです。先頃連絡を取ってこられたある人は、

「これまで自分探しですべて失敗したので、今後も自分探しを続けたものかどうか迷う」

のだそうです。

「自分探しをする、しないは、もとよりご本人の選択ですが、しないのであれば、何も私に連絡を取ってくる必要はないですね。私に連絡して来たのはやっぱり自分探しがしたいからでしょう?」

と訊いてみたのですが、明確な回答はありませんでした。ここで明確な回答がなければ、私はそれ以上追いかけません。自分のやりたいことを特定するのは、あくまで本人の自助努力がないと無理だからです。

ただ、あくまで本人の自助努力というものの、「自分探し」の方向性は割と簡単に出ます。下記は名著『ソース』の「車輪」の項目です。私がやっているのは、クライアントさんに各項目について、ありたい姿、やりたいこと、を自由に打ってもらう、というものです。

@自分
A家族
B友人・知人
C学ぶこと
D社会との関わり
E社交
F趣味
G体の健康
H心の健康
I財政

これを2人で検討していくのですが、必ず何度も出てきて重複する内容や、言葉があります。それがその人の「人生のキーワード」です。

ある女性に打ってもらったところ、服装へのこだわり、美容へのこだわり、インテリアへのこだわり、が強く出ました。この方の人生のキーワードは「美」です。すなわち「美」の方向で自分探しをすればうまくいくと思われます。「美」に関係するすべてがライフワークになる可能性があります。

この方は住宅展示場にまる1日いても飽きないそうで、結局インテリア・コーディネーターを目指して勉強することになりましたが・・・

自分探しはまず「人生のキーワード」、これを押さえて、その方向で自分のリソースと現実と折り合いをつけながら検討していくのが王道だと思います。
200 コーチングで食べるのは最後に
199 コーチングの金銭感覚
198 心の準備
197 少人数
196 人生のキーワード
*
195 真我を信じよう
194 ムラ社会
193 夢を壊す権利
192 究極のパラダイム
191 これはコーチングですから

*
190 一緒に考えましょう
189 日曜喫茶室
188 いじめとアサーティブネス
187 齟齬の指摘
186 答えはクライアントの自助努力の中にある

*
185 私は何をしてあげたらいいですか
184 Sコーチ
183 答えを教える
182 光明と暗黒
181 アイボール・ミーティング

*
180 パラダイム・シフト
179 結婚問題
178 にっちもさっちもいかなくなった相談事
177 すべて簡単な言葉で表現できる
176 祝福と呪詛

*
175 アクセルを踏みながらブレーキ
174 コーチングは何が画期的なのか
173 コーチングの定義とは
172 コーチングは方便
171 適性はソリューション

*
170 成果報酬
169 開き直り2
168 開き直り
167 助言を受ける側の度量
166 みんなアマチュア
*
165 結婚の効用
164 面談の克服
163 失敗するかもしれないけれど・・・
162 心を明るく
161 鬱になるくらいなら周囲に迷惑をかけよう

*
160 ストレスをためない
159 組織人から個人へ
158 汲んで形にする
157 21世紀は個人の時代
156 実務はできなくても管理はできる

*
155 わかっているけど相談しよう
154 グーグルの「コーチング」
153 気を使わず、頭を使う
152 コーチングは現状からか、ゴールからか?
151 一期一会


*** コーチングを受けてみませんか
*** コーチングとは(私見)
*** 社会人のためのカウンセリング
*** カウンセリングとコーチング
*** ビジネス・コーチング入門
*** ライフワーク・コーチングの奨め
*** オーケストラ再生のオーディオ
*** オーケストラ録音を聴く
001〜050 051〜100 101〜150 151〜200 201〜250
251〜300 301〜350 351〜400 401〜450 451〜500
501〜550 551〜600 601〜650 651〜700 701〜750
751〜800 801〜850 851〜900 901〜950 951〜999
All copyrights reserved 2006 Yoshiaki Sugimoto