![]() 大本営方針と聞いて、みなさん何を連想しますか。ニュアンスとして、 「できるわけないのに、上層部は頑なに方針として固執する。ある種滑稽。しかし現場は悲惨」 という感じでしょう。たとえば「サイパン島を死守せよ」というのがこれです。 さて、サラリーマンでこの「大本営方針」に悩む人は多いと思います。私のクライアントさんにも何名かおられます。極めて難しいプロジェクト、たとえば、 「○○業界に新規参入する」 「□□の販路を開拓する」 を本社上層部が打ち出して、やいのやいのと言ってくる。しかし、無理が多すぎる。結果、担当者が追い込まれてしまう、というものです。追い込まれたあげく、うつになる人も多いわけです。 クライアントの某氏曰く、現場では、 「どう考えても無理だよね」 と言い合っているのですが、上司からのハッパや叱責は途切れることがない。モチベーションが上がらないので、だんだん精神的に追い込まれてしまった。それで進退極まって、私に連絡を取って来られたのでした。コーチングでやる気を引き出せないか、というわけです。 こんな人を相手に、 「あなたはどうしたいのですか」 「どのように取組みますか」 「いつまでに達成しますか」 は最悪の質問でしょう。私はこの方の話をじっくり聞いたうえで、 「典型的な『大本営方針』ですね。うつでつぶれたりしては『犬死』ですよ。単にまじめにやってもダメだと感じますがどうですか」 「しんがり、ってご存知ですか。退却する軍勢の最後を守備する部隊ですが、戦い過ぎて討ち死にをしてはダメ、といって戦わなくてもダメ、あんな感じですよ」 「大本営が作戦の誤りに気付いて方針変更するまで、時間稼ぎを考えませんか。つまり、戦うふりをして、社内営業を徹底させる、ってことですよ」 「プロジェクトがいくつかあっても、すべて成功するわけはない。失敗するプロジェクトがあって、はじめて成功するプロジェクトもあるのですよ」 「今の局面をしたたかに生き延びれば、またいい時も来るんじゃないでしょうか」 と話を持っていきました。某氏はもとより同感、 「すっきりしました」 とおっしゃっていましたが、単にモチベーションを上げてもダメ、というのが大本営方針なのです。
![]() 雑誌SPA!の取材を受け、一応私の名前が雑誌に載りました。SPA!の読者は20〜30代の独身男性で、何を隠そう、私もその昔読んでいたことがあるのです。雑誌の企画は「穴場的バイト・副業 最新ガイド」です。 メールで依頼を受け、インタビューはスカイプでした。取材したのは、外注の企画会社の人でした。この人は感じが良かったのですが、取材が記事になると、どうしても内容が雑駁そのもの、という印象を受けます。繰り返して見たくもないのですが、一応スキャナでで取った記事がコレです。 コーチングは若者がバイトでできるほど甘くはないです。しかし、『ネット・コーチングで開業しよう』という本を書いたのは私です。取材くらいは受けて立つ責任はあるでしょう。企画はせっかくだが苦し紛れというしかないです。こんな記事なら掲載されてもちっともうれしくないですが、ま、載ってしまったのは現実だから仕方ないです。一応人生の記録ではあるわけです。
ほぼ1年ぶりに結婚披露宴に出席しました。今回は結婚披露宴で新郎側の主賓として挨拶しました。 過日こんな記事を書いたことがあります。 多くのクライアントさんを最大の恐怖に陥れて、身動きできなくしているポイントは、 「他人にどう思われているか」 という心配です。サラリーマンは「評価」という言葉を頻繁に使います。その意図するところは、周囲から評価されることが人生の目的であるかのようです。 なるほど、他人はあなたのことを評価するに違いありません。しかし、だれでも自分のことが精一杯で、他人の評価なんかに熱心に関わっているヒマはないのです。だから他人からどう評価されるかなんて実にあてにならないものなのです。 私は、「他人にどう思われているか」という心配は、十分の一に割り引いてちょうど良いくらいですよ、とよく申し上げています。 これはスピーチの類にもあてはまります。聴衆はあなたの言葉に決して全神経を傾けて傾聴しているわけではないのです。 「あ、出てきたな」 程度でしょう。むしろスピーチは語ることによって心ここにあらずの聴衆を引き込むものなのです。そこのところがわかれば、そう緊張することはないのです。 ただ頭でそこのところがわかっていても、スピーチの出だしは少々声が上ずりました。これはやむを得ません。しかしあとは吐く息主体で、歌を唄うように声を出せば落ち着いて来ます。 とくにコーチング関係のセミナーや講演では何度となく人前でしゃべってきたわけです。千人の聴衆を相手にホールでしゃべったこともある。披露宴の60〜70名は大したことないじゃないか、と思えるようになったのはそれなりの進歩でしょう。 ただスピーチが無事終わってほっとしているのは事実です。
![]() たとえば体験セッションで以下のようなことを相手が言って来たとします。 ・今の職場が面白くない ・夫の浮気が不安である ・自分のやりたいことがわからない ・自分に自信がない ・リーダーシップが取れない いずれも内容が否定形であることがわかりますね。志は必ず肯定形で表現されます。否定形というのは志の欠落を示すものです。否定形の内容はいずれも継続したサポートよりはワンポイント・アドバイスが適当です。志が欠落した相手に継続したサポートは無理なのです。 コーチングで、クライアントになるというのは、継続したサポートを選択するということです。そのためにはまず何より、相手の直面する問題が果たして継続したサポートが必要なのか、というのを見極めるのがポイントです。 継続したサポートが必要ない相手なら、いかにコーチの技量があっても、クライアントになってもらうのは初めからやめておくべきです。クライアントは単に獲得しさえすればよい、というのではなくて、相応しくなければ獲得に行ってはダメなのです。 カウンセリングでクライアントを取る場合でも、相手がなんとしても苦悩を解決したい、という必死の想いがないのなら、継続したサポートは意味がないと思います。 志、もしくは必死の想い、これがあるかないかが継続したサポートが必要かどうかの分かれ目なのです。
![]() カウンセリング・コーチングといった助言活動で、どんなことがあっても死守しなければならない原則は決して相手を批判しない、ということです。とは言え、批判と指摘の境界は曖昧です。 「それは負け犬の遠吠えを連想しますね」 とかって私は言われたことがありますが、これは批判と取りました。やっぱり、 「そういう言い方はされないほうがいいと思いますよ」 と言うべきです。○○したほうがよい、と言っている限り、批判にはならないと思っています。 それでも体験コーチングで相手する人のなかには、なんと優柔不断なのだろう、なんと甘いんだろう、こりゃどう考えてもアカンわな、と思わざるを得ない人がたまにいます。もちろん、今後クライアントになってもらうわけにはいかないし、こちらも願い下げです。 そんな相手も、私が批判を言葉にすれば、私の気がすんでも、相手が傷つくことになってしまいます。そうなったら、体験セッションの時間を取ったこと自体、意味がなかったことになってしまいます。だから、。○○したほうがよいでしょうね、と言いつつ適当なところでセッションを切り上げることにしています。ま、煮え切らない感じになるのですが、やむを得ません。 いかなる正論であろうとも、相手の人格やあり方の批判は絶対しない、それがポリシーですが、時には、 「私はおっしゃってることに共感できません」 というふうに旗幟鮮明にせざるを得ないこともあります。相手はショックを受けるかもしれませんが、これまたやむを得ないでしょう。決して人格まで否定するつもりはないのです。 |
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950 志は不遇の時期にこそ立てるもの 949 LASIK 948 親方スタイルと現場監督スタイル 947 森を十分俯瞰する 946 被害者ではなくクレーム処理係と考えよう * 945 指摘されなかった良いところに焦点を当てる 944 叱責のきつい相手と付き合う法 943 想いが強み 942 これからですよ、十分戦えますよ 941 想いを持つには自分の価値に気付くことが必要 * 940 武士道的組織論 939 水たまりの水 938 才能は欠落 937 挙手の求め方 936 受講態度の悪い人 * 935 本音を打ち明けたい人になるには 934 減点主義の毒消し 933 日創研の自己啓発セミナー 932 ボス・マネジメント(ボス・マネ) 931 イヤな相手はこう躱(かわ)そう * 930 会話術に拘泥せず、加点主義を身につけよう 929 引き寄せの法則の扱い方 928 シークレット 927 チャレンジという概念 926 自己承認に長けた人格 * 925 語ってもらってまず切実さを理解する 924 批判・叱責に強くなるためには 923 自分に自信が持てない人 922 人はどうして承認が必要なのか 921 聖人とか悟った人というのは * 920 大本営方針 919 雑誌SPA!のバイト特集 918 スピーチは心ここにあらずの聴衆を引き込むもの 917 志の欠落は否定形 916 死守しなければならない原則 * 915 アイスブレーク 914 他人にどう思われるか、という心配 913 敢えて組織のお荷物になろう 912 独自路線 911 人の振り見て我が振り直せ * 910 陰ながら応援してますよ 909 コーチングは切実な想いのみをサポートできる 908 ストレスを感じたらその時点でガス抜きをする 907 悩んでいる人が落ち込む陥穽 906 この際社会勉強のつもりで行ってみませんか * 905 3時間のセミナー 904 悩みと夢 903 『変なおじさん』というギャグ 902 新婚さん 901 積極心とは *** コーチングを受けてみませんか *** コーチングとは(私見) *** 社会人のためのカウンセリング *** カウンセリングとコーチング *** ビジネス・コーチング入門 *** ライフワーク・コーチングの奨め *** オーケストラ再生のオーディオ *** オーケストラ録音を聴く |
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