![]() ボス・マネで指摘される問題点には必要以上に反応しないことです。真面目な人ほど、悲観的に反応して鬱に追い込まれるものです。そうならないためには、指摘された問題点より指摘されなかった良いところに焦点を合わせ、冷静にバランスをとるわけです。ここでも加点主義で状況を見ることがポイントです。 「この点は言われたほどひどくはないな」 「ここまでは現状で問題ないはずだ」 「だれがやってもこの件は同じ結果だろう」 そうすると、ボス・マネの叱責が言葉の勢いで必要以上にマイナス方向に誇張されていることがわかります。自分の現在いる位置がそう悲観したものでもないな、と納得できたら、心を切り替えることができるわけです。その結果、短時間で受けた屈辱を忘れてしまい、相手を許すことができます。そうなれば今度は、 「あの人はあんな人だが、評価できる点もあるな」 と加点主義で相手を見ることができ、相手の長所を見れるようになって来るのです。その結果、ボス・マネに訴える上司との人間関係も好転するのです。
![]() 世の中にイヤな相手、苦手な相手はいるものです。それは職場の上司や同僚や部下であったり、親・兄弟のような親族であったり、時には配偶者・子供という家族であったりすることもあります。イヤな相手とはどんな相手なのか。それは例外なくあなたを批判したり、叱責したりする人です。こうした相手は批判や叱責することによって他人は変えられる、いや変えなければならない、という信念を持っているものです。まず直りません。たとえば、こうした上司や目上はこんなふうに言います。 「何回言えばわかるんだ!まじめに仕事をしろ!」 「また失敗したか。それだからお前はだめなんだ!」 「言われたことは、しっかりしろよ!」 「成績が下がったら、手当てを減らすからな!」 「まだ休んでいるのか、さっさと仕事をしろ!」 こういうのをボス・マネジメント(ボス・マネ)と言います。こんなふうに言われたら誰だって強いストレスを受けます。しかも、上司だから口答えできません。毎日叱責されているとひどく傷つき、苦しみます。ボス・マネで日ごろストレスを受けている人はどうすればいいのでしょうか。 まず、ボス・マネの弊害を知識として知ることです。私も昔はボス・マネに傷ついていましたが、今はこう思うことにしています。 「いまだにボス・マネに訴えるなんて、遅れている気の毒な人だな」 昔はボス・マネで当たり前だったのです。とはいえ、今でも昔ながらのボス・マネのきつい上司も数多くいます。しかし、今は部下から自発性・創造性を引き出さなければ勝っていけない時代です。こんなやり方は組織にとっても、個人にとってもマイナスなのです。ボス・マネが時代遅れであることを知識としてよく理解すると、上司が滑稽に見えてきます。その結果、ボス・マネがさして恐くなくなります。ボス・マネはとどのつまり、相手の欠点をただす、という減点主義の手法です。減点主義では自発性・創造性は引き出せません。今の時代は加点主義でなくてはならないのです。 次にクレーム処理係の対応を身につけることです。クレーム処理係は絶対お客の粗探しをしません。徹底して加点主義でないとクレーム処理係は勤まらないのです。「あ、こういう人なんだ」という健全な絶望感から出発します。そして挑発に乗らず、反発も気付かせないようにします。そのためには、へつらわず相手の肯定できる点を即座に肯定するのです。加点主義に転じるとこれが可能になります。上司だと思わずお客だと思うことです。 たとえば、納得のいかない叱責を受けても口答えせず、 「厳しいご指摘ですね。真摯に受け止めさせていただきます」 とサラリと言って、身をかわすのです。加点主義を取れば、人間関係のトラブルは軽減できるし、回避できます。クレーム処理係の対応はまさにこれです。この一言がきっかけで、相手は、 「なかなか素直な奴だな。憎めないな」 と思うわけです。こうして人間関係のこじれは防止できるわけです。 最後に日頃から加点主義で自分自身を見ることです。そうして、自分自身の気持ちを整理しておくのです。 「自分はこれでいいんだ」 「自分にもいいところがある」 「自分は一生懸命にがんばっている」 自分を肯定できる度合いが強ければ強いほど、ストレスの毒消しができます。あなたは現在の自分の能力を肯定できないかもしれません。しかし、真剣に生きていれば、現在の「生きざま」は肯定できるはずです。そうした生き方ができることが成長であり、悟りであるわけです。自分の「生きざま」を肯定できれば、そこに気迫が生まれます。自分が受けた屈辱で心が揺らぎません。屈辱を心から放つことができます。心を切り替えることができるわけです。その結果、短時間で受けた屈辱を忘れてしまい、相手を許すことができます。そうなれば今度は、 「あの人はあんな人だが、評価できる点もあるな」 と加点主義で相手を見ることができ、相手の長所を見れるようになって来るのです。その結果、ボス・マネに訴える上司との人間関係も好転します。まとめると、 @ボス・マネの弊害を知識として理解する Aクレーム処理係の対応を身につける B日ごろから加点主義で自分自身を肯定する 以上3点です。結局は加点主義を理解し、実践すればいいのです。 私はコーチングで多くのクライアントさんをお相手しますが、世間にはボス・マネに悩む人が多いのに驚きます。どの人にも共通しているのは、前述の3点が欠けている、ということです。減点主義で上司をとらえ、減点主義で自分をとらえています。当然、人間関係がこじれて、自分も落ち込んでいるわけです。ですから聞き手にまわりながら、3点を徐々に啓蒙して行くのです。その結果、その人はボス・マネの上司ですら、加点主義で接することができるようになってゆくのです。それが状況を好転させ、道を開く唯一の解決策なのです。 人間は欠点だらけの生き物ですが、宇宙から力を与えられて生かされています。加点主義で自他の長所を見るのは与えられている力を活用することです。減点主義で自他の短所を見るのは与えられている力を減殺することです。加点主義の生き方こそ全ての人に当てはまる真理なのです。加点主義で自分を肯定すれば、元気が出ます。加点主義で相手を肯定すれば、他人を動かせます。それがボス・マネの上司であってもです。 自分が加点主義であってこそ、周囲も影響されて加点主義になっていくわけです。加点主義は他人に分かち与えることができます。加点主義は人を介して組織に波及するので、組織を変えることもできるわけです。だから職場の組織論は加点主義で理解すれば簡単です。成果を出している組織ほど加点主義が浸透しているものです。さらには家族円満の秘訣も加点主義なのです。
![]() とあるクライアントさんに、 「今日は自分の強みを引き出して欲しい」 と言われました。と言って、 「じゃ、あなたの強みは何だと思いますか」 と問うたのでは、プロとしての工夫に欠けるので、 「あなたが他人と違うのはどんな点ですか」 と訊いてみることにしました。だいたい他人と違う点に想いというものはあるものです。 その方は今両親の介護に向き合っておられるので、「介護」という言葉が出てきました。そして、 「介護に勉強しているコーチングが生かせないかと思っている」 という発言がありました。どうやら強みはこの方向のようですね。というのは、やはり想いのある方向に道ができるものだからです。 その人のタイプはエニアグラムとか交流分析のエゴグラムで出ます。また星占いなんかでも出るでしょう。しかし、こういった手法は本人の想いには直接関係がありません。 想いが強いことがその人の強みだと私は思います。 過去に想いが強かったことも、既にその人の強みだと思います。たとえばピアノが弾ける、英語が話せるなどがそうです。○○が得意だ、というのは想いが強かったからでしょう。 もちろん、生まれついての強みもあると思います。容姿端麗とか、運動神経がいいとか。しかし、生まれついての強みも後天的な想いと結びついて強みになるものだと思います。大の大人が強みをわざわざ論じるというのは、その強みを生かして今後どうしていきたいか、ということでしょうから、やっぱり想いに帰趨すると考えるべきではないでしょうか。
![]() 人間苦労しただけ進化する生き物だそうです。だから、悩むのはいいのですが、悩みがメンタル・ヘルスを阻害するなら、これは悪い悩みです。 悪い悩みに入るパターンは私自身の経験から言っても、どの人も同じです。問題点だけに目が向いていて、状況全体をバランスよく見れていないことで、視界狭窄を起こしているわけです。つまり、減点主義で状況を判断し、悪い予想を心に描いて行き詰まってしまうわけです。 悪い悩みから脱却するには、自分の今持っているものに想いを馳せるべきです。五体満足で人より秀でた能力が多少でもあれば、 「今から始まるのだ、これからだ、十分戦えるじゃないか」 と思うのが良いようです。結局人間の価値とは、究極、困ったときにも笑っていたり、いやなことにも平気でいたり、といった人格を完成することなのだと思います。そのためには、今持っているものをありがたいと思い、これを精一杯活用しようと考えるのがいいのです。 メンタル・ヘルスを害するかしないかは、考え方一つです。メンタル・ヘルスを害する考え方は間違っているのですが、渦中にいる人はなかなか気が付きません。ですから、何とか気付いてもらう。この場合、批判・叱責は絶対ダメです。 「あなたは、○○を持っているわけだし、△△でもあるわけでしょう。そういうふうに考えずに、□□と考えたらどうでしょう」 と言います。そして、自分の悪い悩み方に気付かれた相手には、 「これからですよ、十分戦えますよ」 と申し上げることにしています。
![]() 人材教育のアチーブメント株式会社という会社をクライアントさんからかねがね伝え聞いていたのです。そこの青木仁志社長の講演がたまたま大阪で聴けるというので、同社の大阪研修所(本町にある)に行ってきました。同社の看板セミナーは「戦略的目標設定とその達成技法」で、青木社長自らがPRを兼ねて講演するというものです。もちろん無料でした。 同社のセミナーは選択理論心理学をベースにしており、私とスタンスは大変近いのです。ちなみにグーグルで「選択理論」と入れると同社のサイトが1位に、私のサイトが4位に出てきます。 私は特にこのセミナーに参加しようという気はないのですが、コミュニケーターとしての青木氏に興味があったので、出向いたのです。目的はプレゼンスやトークを学ぼうということです。 自己実現ということに関しては、この人は私の遠く及ぶところではありません。素晴らしいと思います。あそこまでは無理だろうが、私は私なりに自己実現すればよいのです。青木氏は素晴らしいが、だからと言って、自分も全く捨てたものではない、というのが本音です。ま、これからどう頑張るかですね。 さて青木氏の講演で心に残ったのは: 「目標を立てるには想いが必要だが、想いを持つには自分の価値に気付くことが必要」 という言葉でした。幸い私には想いもあるし、価値にも気付いています。 「想いを持つには自分の価値に気付くことが必要」 - いい言葉です。コーチングのセッションでここぞと言うときに使いたい言葉ですね。 |
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950 志は不遇の時期にこそ立てるもの 949 LASIK 948 親方スタイルと現場監督スタイル 947 森を十分俯瞰する 946 被害者ではなくクレーム処理係と考えよう * 945 指摘されなかった良いところに焦点を当てる 944 叱責のきつい相手と付き合う法 943 想いが強み 942 これからですよ、十分戦えますよ 941 想いを持つには自分の価値に気付くことが必要 * 940 武士道的組織論 939 水たまりの水 938 才能は欠落 937 挙手の求め方 936 受講態度の悪い人 * 935 本音を打ち明けたい人になるには 934 減点主義の毒消し 933 日創研の自己啓発セミナー 932 ボス・マネジメント(ボス・マネ) 931 イヤな相手はこう躱(かわ)そう * 930 会話術に拘泥せず、加点主義を身につけよう 929 引き寄せの法則の扱い方 928 シークレット 927 チャレンジという概念 926 自己承認に長けた人格 * 925 語ってもらってまず切実さを理解する 924 批判・叱責に強くなるためには 923 自分に自信が持てない人 922 人はどうして承認が必要なのか 921 聖人とか悟った人というのは * 920 大本営方針 919 雑誌SPA!のバイト特集 918 スピーチは心ここにあらずの聴衆を引き込むもの 917 志の欠落は否定形 916 死守しなければならない原則 * 915 アイスブレーク 914 他人にどう思われるか、という心配 913 敢えて組織のお荷物になろう 912 独自路線 911 人の振り見て我が振り直せ * 910 陰ながら応援してますよ 909 コーチングは切実な想いのみをサポートできる 908 ストレスを感じたらその時点でガス抜きをする 907 悩んでいる人が落ち込む陥穽 906 この際社会勉強のつもりで行ってみませんか * 905 3時間のセミナー 904 悩みと夢 903 『変なおじさん』というギャグ 902 新婚さん 901 積極心とは *** コーチングを受けてみませんか *** コーチングとは(私見) *** 社会人のためのカウンセリング *** カウンセリングとコーチング *** ビジネス・コーチング入門 *** ライフワーク・コーチングの奨め *** オーケストラ再生のオーディオ *** オーケストラ録音を聴く |
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