実行的研
究方面に
於ける五
大綱要
哲理の観
念と事業
の観念
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実行的研究の方面に於ては其五大綱要
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(一)知行合一 (二)致知格物 (三)知天命 (四)慎独克己
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(五)去人欲存天理
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を説き、以つて理論的研究の方面に配す、而かも其の大眼目とするところの
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は、知行合一の大方針にあるが故に、理論家たると同時に、実行家たるべき
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を期するは、其の畢生の大目的なりしなり、業已に知と行とを合一せしめ
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むとす、故に直ちに此の旨義を拡充して哲理と事業とを合一せしむと期する
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なり、其の祭王陽明先生文に於いて、
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嗚呼先生、豪傑而聖賢、武略而文章、
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と曰ひ、豪傑と聖賢とを合一するの観念を哲理と事業とを合一にするの観念
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より、直ちに演繹せり、又た其の孔子を論ずる、単に温良恭倹譲の聖賢的半
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面を観察するのみならず、却つて特に重きを其の剛毅発強なる豪傑的半面に
置く傾向を示せり、而して其の実例として、孔子の政治家としての事業たる
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両観之誅、夾谷之会、堕三都之挙、討陳恒之謂を引証せり、平八は実行
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的研究の大方針として、毎に哲理の観念と事業の観念とを結合せむとし、又
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た実行の上にも、事実上之を結合するの蹟を存せり、故に剳記の或問に答へ
て、明白に此の趣意を発表せり、
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或問曰。陽明子至李見羅諸子、論学則只明道而已、未嘗自言事功、
而又不許人称之、然看子剳記、於其上巻終也、雑挙王学諸子之
功業節義何也、曰、子未知夫春秋冬夏乎、春者生物、秋者成物、
冬者収物、夏者長物、如春而不生物、秋而不成物、冬而不収物、
夏而不長物、則雖天徳不足貴也已矣、人即天也、学也者、学天
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徳也、明道也者、明天道也、是故論学明道、而無其用者、乃与
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天背、与天背則陥一偏、所謂異端之教、而聖人明体適用之学云乎
哉、載籍浩瀚、後生未識鄒東廓為如何人、欧陽南野羅念、亦為
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何如人者多矣。故雑挙其功業節義出于道徳者、以示之焉耳、而
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又何外学与道、以語功業節義之類也哉、是余不得已之苦心也、吾
子亮之、
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山田準
『大塩中斎』
その11
『洗心洞箚記』(本文)
その146
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