方寸之虚。与 口
耳之虚 本通一。而
口耳之虚、即亦与
太虚 通一。而無
際焉。包 括四海 、
含 容宇宙 、不 可
捉捕 者也。語 大
天下莫 能載 焉之
義甚分暁、不 覚
手舞足踏 。
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も と
方寸の虚と口耳の虚とは本来と通一。而して口耳の虚と太
かぎり
虚の虚とも亦通一。故に方寸の虚は太虚の虚に通じて際もな
く広がッて居て、四海を包括し、宇宙を含容して居る。而も
是れ捉捕することの出来ぬ実在である。中庸に謂ふ所の『君
子大を語れば、天下よく載する莫し。』の義、観じ来れば甚
わし
だ分暁、予は此の理に思ひ及びたる時、実に手の舞ひ足の踏
む所を知らなかッた。
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『洗心洞箚記』
(本文)その189
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