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「浮世の有様 巻之六｣

『国史叢書 浮世の有様 ３』（矢野太郎編 国史研究会 1917）所収

大 塩 滅 亡 の 御 達	口　達 去る十九日市中放火乱妨に及び候、大塩平八郎竝同人忰格之助儀、油掛町美吉屋五郎兵衛方に忍居候風聞有之候。召捕の者差向候処、両人共自殺致し相果て、其外徒党の者共追々召捕又は自殺等致候間、其段令承知無掛念普請等もいたし、諸商人ども無危踏商売可致候。 　　三月廿七日
一 揆 の 人 相 書	当二月十九日不容易企に及び、大坂市中所々へ放火・乱妨に及び候、元大坂町奉行組与力大塩平八郎へ致荷担候当表玉造口御城番組与力大井伝次兵衛久離忰岩太郎事、大井庄三郎 *1 竝当町奉行組同心河合善太夫忰にて、先達て致出奔候河井郷左衛門人相書。 岩太郎事 大井庄三郎、 年齢廿五六才計、 顔細長く色赤黒き方、 眉毛濃き方、 耳常体、 背高く痩候方、 言舌静なる方、其節着用不相分。 河合郷左衛門、 年齢四十才計、 顔色白き方、 鼻の上疱蒼の跡有之、 眉毛常体、 眼常体玉少々赤き方、 鼻常体、右耳たぶ少々色変有之、 月代簿く髪赤方、 言舌常体、 其節着用不相分。 右の者共有之に於ては共処に留置き、早々大坂町奉行所へ可申出、若見聞候共、其段も早々可申出候。隠置き脇より相知候はゞ可為曲事候。 　　　　酉三月　　右は在々へ御触也。