自分探しは自分で
025



ホームページで体験コーチングを受け付けている関係上、いろいろな方が連絡を取って来られます。20代、30代に目立つのが、自分が何をしたらよいかわからない、いわゆる「自分探し」です。

たいていこんな会話になります。

「○○さん、では私は何をお手伝いすればいいでしょうか?」

「何をしたらよいかわからないのです」

「なるほど、では時間を忘れて熱中できるようなことはありますか?」

「AとかBとかCが興味あります」

「そうですか、ではそれをどうしたいですか」

「・・・・・・」

結局ここで答えがないといかんともしがたいのです。選択肢が無限にある関係上、私が「□□はどうですか」というわけにはいきません。ここで答えられないようなら、真剣に「自分探し」をやっていない証拠でもあります。お引取りいただくしかありません。

逆に明確にA、と言い切る人は十分コーチングできます。何をしたらいいかわからない、と言いつつ予想外に考えている人もいます。やはりどうしたい、という意図あってのコーチングだと言えます。

経験的に言えば、少数の例外はありましたが、「自分探し」でコーチングが成約することはまずありません。しかし、自分探しは私も経てきた道なのです。しかも結構最近になるまで引きずってました。たとえビジネスとして成立しなくてもできる限りお相手をしようと思っています。でもこう言って置きます。

「トンネルの出口が見えたところで連絡ください」

目上から尋ねられたときに
024



コーチングをやっててよく聞くのが、上司から尋ねられてとっさに答えられず、返答に窮してしまう。それで沈黙が暫く流れるが、いよいよ焦ってしまう。その結果、問い詰められてしまって、実にまずいことになってしまう、というものです。

特に上司との会話で、詰問されて黙り込むというのは、どう考えても良くないパターンだと思います。特に部下に非がないという場面でも、印象は極めてよくありません。まず「無能」だとか「頼りにならない」とかの烙印を押されてしまいます。

部下側の共通の特徴は、質問されると即座に答えなければならない、と思い込んでおり、それが強迫観念となっていることです。実はそんなことはないのです。

すぐに答えられない質問は、まず復唱するということです。

上司  「クレームがこじれているようやが、どうするつもりや」

ここですぐ答えようと思わず復唱します。

部下  「あ、例の件ですか。どうするつもりか、ということですね」

この間時間稼ぎはできます。続けて

部下  「わたしなりにいくつか案を考えているのですが、お話してかまいませんか」

この状態から話し出すと、かなり部下のペースで話ができるでしょう。いきなり本題にはいるよりはよほどいいです。「で、結論は」などと話を端折られる可能性も低くなります。

上司  「そんなことでクレーム解決できるのか?」

ここでも復唱。この時点で返答を焦らないことがポイントです。

部下  「そんなことで、クレームが解決できるのか、ということですね」

ここで質問に切り替えて逆襲。

部下  「ではどういった点を心配されているのですか?」

上司  「それはやな・・・」

つぎに上司の意見は以下のように料理します。

部下  「なるほど、ご指摘の通りですね。その点は気が付きませんでした。」

同意されれば、上司だって気持ちがよいものです。

上司  「で、君はどうするつもりなんや」

部下  「少々時間をいただいて調整したいと思いますが、どうでしょうか」

コミュニケーションのスキルだけで、部下側の内容の貧弱さは根本的に解消はできません。しかし、内容が同じであれば、スキルを使いこなすだけで相当事態はマシです。このスキルは「オウム返しのスキル」として知られています。

問い詰められてへどもどしているのはボクシングで言えば「連打を浴びている」感じです。オウム返しをつかえば「クリンチ→反撃」のきっかけをつかむこともできます。

考え方を変えるということ
023



私のマンションの500メートル先になんと火葬場があります。正式名は大阪市立佃(つくだ)斎場です。火葬場があるのは入居してから知りました。まぁ、マンション業者も売り出す時は「近所に火葬場がございます。お亡くなりになったときはベンリです」なんて言わないですわね。

私は9階に居住しますが、火葬場の方角には幸い12階のマンションが立ちはだかっており、視界には入りません。だから気にはならないのです。とは言え、越してきたときはエ〜という感じでした。やっぱり不気味ですわね。

そこで、この不気味という感情をじっくり考えてみることにしました。やはり根本的には「死」に対する恐怖感のなせるわざというしかない。では「死」とは何か?

ここで思い至ったのは冷蔵庫です。何の疑問も感じず、肉や魚を入れてますが、これらは動物の死骸ですわね。こちらは「食材」と言ってポジティブにとらえていますが、台所は言ってみれば火葬場ではないですか!

同じ死骸でも肉や魚なら何とも感じず、人ならこれほど気味悪がるのは何とも不可解ではあります。「死」というのは我々が忌み嫌うべきものではなく、共存しているものなのだ、と考え着いた次第です。

このように考えを整理すると、最初は不気味に感じた火葬場の存在がだんだん気にならなくなり、今では何とも思わなくなりました。さすがに夜中に火葬場の前を通るのは気が進みませんが(笑)

つまり「転居」などという行動を起さずとも、考え方を変えるだけで問題が解決した、という一例です。世間にはこの手の問題が極めて多いですね。

余談ですが、私が居住する棟は15階まであり、15階まで上がりますと前の12階の棟を飛び越して火葬場を眺めることができます。で、これがホントの斎場階(爆)

お後がよろしいようで・・・

求めているのはカウンセリング
022



私は現在十数名のクライアントさんのお相手をしています。当初はコーチングということでご契約いただいたのですが、実態はカウンセリングになっているケースが多々あります。

コーチングの基本的手順は

■GOAL(目標) 何を目標にしますか?

■REALITY(現状) 現在、どんな状況にありますか?

■OPTIONS(方法) どのような方法で改善・実行しますか?

■WILL(着手)  いつから実行に移す予定ですか?

であるわけですが、改善に関しては考え方を変えるだけで行動なく解決してしまうものも相当多いのが実情です。

この場合OPTIONS(方法)としては考え方を変える、となり、WILL(着手)は特に論じる必要がありません。クライアントさんが変えた考え方を次第に定着させて行くからです。行動を導かない助言はコーチングではなくてカウンセリングでしょう。

私は「コーチング」という看板を掲げていますが、こう考えると自分の提供している「総合的助言サービス」に便宜的にコーチングというラベルを貼ってるだけ、という思いを強くしています。

ですから、「カウンセリングは過去に焦点を合わせる」といった医療セラピーのような定義を聞くと、「わかってないよね」と感じてしまいます。カウンセリングとコーチングは不即不離です。コーチングはカウンセリングのバリエーションだ、が正しい認識だと思います。

ただカウンセリングという看板を掲げていたのでは、他と差別化がはかれず、「売れない」でしょう。

どうありたいか
021



コーチングのセオリーはGROWモデル、その「G」とはゴールのことで、まずクライアントにどうありたいか聞くことです。だからと言ってクライアントの答えに対して必ずその方向でコーチングしていくべきかと言えば、必ずしもそうではないと思います。

ホームページから申し込んできたあるサラリーマンの方と話したところ、「自分の仕事のパーフォーマンスをあげたい」とのこと。

結構です、もっともコーチングらしいコーチングですね、と話を聴いていったところ、大変な嫌がらせを上司から受けているのです。上司に認めてもらえる自分になることが目標なんですと・・・。

私は言いました。

「正直に感じたことを言わせていただきますが、それはリストラの嫌がらせではないですか」

沈黙が流れました。

「いや、まだ可能性はあると思います」

うすうすはわかっていたようです。

「私は上司に認めてもらうというテーマでコーチングするのは、正直無理だと思いますね」

「・・・・・・」

だったら自分に有利なように退職するにはどうすればいいか、という発想に飛ぶにはこの人はマジメ過ぎました。ややあって私は彼との電話の会話を打ち切りました。後味はきわめてよくないです。でもほかにどんな言いようがある?
050 自分探しとコーチ業
049 自分探しのカウンセリング
048 ゆっくり、はっきり、きっぱり
047 要約と単純化
046 第3の世界

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045 いろいろな価値観
044 迷いの払拭
043 今日は何をお手伝いしましょうか
042 「もうかりマンデー」その後
041 「もうかりマンデー」なるテレビ番組

*
040 アンコーチャブル
039 わからなきゃ、仕方ない
038 自分自身に忠実であれ
037 カリスマ
036 確信ある語調

*
035 セルフ・イメージを大きくするには
034 オーラとセルフ・イメージ
033 言葉の暴力
032 感情の爆発
031 味方になる

*
030 アタマが悪いのは
029 志とは
028 ニーズと価値
027 コーチングの合い間
026 転職

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025 自分探しは自分で
024 目上から尋ねられたときに
023 考え方を変えるということ
022 求めているのはカウンセリング
021 どうありたいか
*
020 対人関係の問題を自分の問題に落とし込む
019 コーチングは教室だけでは学べない
018 コーチ紹介業
017 排他的男女感情と人類愛
016 ひどくなる人間疎外

*
015 求められるのは行動より発想
014 カウンセリングとコーチングの狭間で
013 難儀は節や。節から芽が出る。
012 コーチングの付加価値は要約にあり
011 セルフイメージと宗教

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010 森を見ない
009 ライフワーク
008 落ち込んでセルフイメージが小さくなったら
007 セルフイメージの最も大きい人は
006 セルフイメージ

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005 5年後にどうなっていたいか、ですって?そんな無茶な!
004 カウンセリングのサイト
003 人のご縁ででっかく生きろ
002 カウンセリングとコーチングの違い
001 脳天気なコーチング


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