アタマが悪いのは
030



「オマエの評価良くないんだよな」

以前勤めていた会社で子会社に出向していた時、本社の課長からこう言われたことがあります。本社・子会社が仕事を分担しているプロジェクトでした。この課長がプロジェクト・リーダーだったのです。

私は顧客との調整と本社との調整の両方にトラブルを抱えており、いずれも私自身に問題はないわけではなかったものの、相手にもすいぶん問題があるトラブルであったと記憶します。たぶん本社の課長が2ヶ所から私に対する不満を聞きつけたのでしょう。

極めて主観的なフィードバックです。こういわれて、具体的に何ができるのでしょうか?どうしようもないです。そう言われる理由は容易に想像がついたのですが、私自身の問題だけではない、という思いは強かったです。結局極めて不愉快でした。

にとどまらず、私はこの男が大嫌いになりました。仕事ができる、と目されていた方です。しかし人をやる気にさせるという点ではゼロ点の発言です。このように問いかければまた状況は違ったでしょう。

「お客さんと揉めてるようだが、どうしたんだ」
「本社の担当と揉めてるようだが、どうしたんだ」

結局、一方の言い分だけを聞いて決め付けたに過ぎず、アタマが悪いと言うしかないです。何の効果を狙っての発言なのか。黙ってたほうがまだマシというものです。この人を慕うような気持ちはまるで起こりませんでした。それどころか、人格的な批判をしてしまったために15年近く経った今日でも、最悪の思い出として忘れられないでいるわけですね。

聡明な人は個々の問題に対する対応を批判しても、人格的な批判を絶対口にしません。どんな場合でも例外なくそうあるべきです。いかにアタマが良かろうと相手の人格を批判する言葉を吐くようでは結局アタマが悪い、と思いませんか。

志とは
029



異業種交流会での報告を聴いてきました。発表者はS氏。40前の気鋭の経営者です。餃子とシュークリームの店を多店舗展開し、起業4年目にして上場を口にしておられます。

この方の経営スタイルと言えば、背伸びして1段上のステージに上がったら、それを足がかりにしてさらに上のステージを目指す、というもので、跳んでから考えるタイプのスピード経営です。銀行の借り入れも多いそうで、本人は1日おきに銀行に日参、「銀行慣れしなければならん」というのはご本人の弁でした。銀行で熱く志を語る、しつこく語る、そうするうちに「しつこいな」が「熱心だな」に変わるとのことです。

この方の志はと言えば食品・衣料の小売を文化的趣味で展開する、と言ったところでしょうか。大衆志向ですね。ご本人もこの路線に合ったキャラのようで、質疑応答では「フェラーリに乗りたい」とか「他人の経済的成功をやっかむよりはやっかまれるようになりたい」という発言が出ました。

同席した他の出席者からは、まことに素晴らしいが、自分にあのマネはできんな、の声が聞かれました。私も同じ思いです。

私の志はと言えばコーチングで他人のお役に立つこと、そして経済的に自立していることです。自分以外の人がやるコーチングはあまり信用していないので、あくまで自分がコーチングすることに拘りたいと思っています。経済的にと言えば、フェラーリなんか全く興味なく、6800エンのママチャリで不足はありません。

しょぼいと言えばしょぼいですが、S氏の志と比べてあながち見劣りするとはいえないと思います。今回S氏の志を聞かせてもらったおかげで、自分の志を再確認することになりました。人それぞれです。志とは自分独自の道を歩むことだな、と痛感した次第です。

ニーズと価値
028



コーチングの教科書に載っている言葉に「ニーズ」と「価値」というのがあります。いろいろ定義できると思いますが、一言で言うと

・ニーズ  緊急度があって充足されなければならないもの。
       しかし充足されれば忘れ去られる。

・価値   緊急度はないが充足されれば人生が豊かになるもの。
       自己実現がこれに相当する。

仕事は「ニーズ」と「価値」から成り立ってます。「ニーズ」は売上目標の達成とか、納期厳守だとか、クレーム対応とかです。「価値」は「やりがい」「達成感」「充実感」などがそうでしょう。

ただ仕事はやはり圧倒的に「ニーズ」の占める割合が大きい。仕事における「価値」を見出すのは健全で前向きな考え方ですが、所詮限界はあります。仕事に「価値」を見出しているだけでは、定年がきた時に、思い出の他は何も手元に残らないからです。仕事にももちろん「価値」はありますが、創業経営者でもないかぎり、一般社員にとってはやはりひと時の幻想ではないでしょうか。

研修屋さんと呼ばれる人々がいますが、一言で言って「ニーズ」を「価値」と有機的に関連付ける教育(洗脳?)を行っている、ということができます。ビジネス・コーチングも「ニーズ」を「価値」と関連付けてこそ成立します。

私は何も仕事における「価値」を軽視せよ、というつもりはありません。しかし、研修屋・ビジネスコーチングのコンセプトに100パーセント首肯していたのでは空しいですよ、と言いたいのです。

やはり「価値」は仕事をしながら個人個人が私生活でライフワークとして育てていかなければなりません。コーチングの真の意義はと言えば、仕事に「価値」を見出すビジネス・コーチングよりは個人個人が私的に「価値」を見出すパーソナル・コーチングにあると思っています。

「ニーズ」主体がビジネス・コーチング、「価値」主体がパーソナル・コーチング、と捉えてもさして間違いはないのではないでしょうか。

コーチングの合間
027



私の部屋です。マンション6畳間です。30年来オーディオだけは真剣に取り組んできましたので、それなりの装置が鎮座しています。

音が出ていないと耐えられない性質(たち)ですので、コーチングしている以外は必ず音を出しています。主にクラシックのオーケストラものです。

あたたかくなってきて困っているのは、これらの機器が結構発熱することで、エアコンは春先から必需品です

転職
026



ホームページで体験コーチングを受け付けている関係上、いろいろな方が連絡を取って来られます。「自分探し」と同じくらい、いやそれ以上に多いのが「転職」のハナシです。

よくあるパターンは

・仕事が自分に合わない

・職場の人間関係がよくない

・だから職を変わりたい

ここまでは誰しも多かれ少なかれある思いなのですが、問題はそれからです。それで何がしたいのですか、どうなりたいのですか、と言っても具体的な考えがない人が結構います。つまり現状逃避ですね。

現状逃避のみで職を変われば、私が言うまでもなくロクなことにはなりません。次の職の志望動機がはっきりしていないので、まずたいした職にはありつけないでしょう。当然ランクダウンします。志望動機がはっきりしないような人材は、採用側としては魅力を感じないからです。正社員だったのが派遣しか職がなかったというケースもよく聞きます。

その上、現状逃避だけで失業すれば、負け犬根性が染み付いているのが普通です。そのため精神状態は不安定ですから、結局とりあえず何でもいいから職に就かなければ、となってしまいます。これでは何のための転職かわかりません。

もしあなたが、何をしたいのかわからないのなら、今の会社は簡単にやめてはダメです。今の仕事をしながらじっくり考えてください。今の仕事から学ぶことも多いはずです。あなたは今の仕事のどこがよくないと考えるのですか?それを考えたら自分のやりたいことが見えてきませんか?

そして何をしたいかが十分煮詰まっても、今の会社を簡単にやめてはだめです。どうせ、やめる会社ではありませんか。辞めさせられるまでいて、もらうものはもらったらどうですか。有給休暇は目一杯使いましょう。できたら理由をつけて1ヶ月くらい休職しましょう。そうして次の職探しをするのです。そんなことをしたら上司に叱責され、職場の顰蹙を買うって?いいではありませんか。どうせ辞めるんだから。

つまり今の職場をしゃぶりつくして最大限利用する、ということです。このしたたかさがないと転職してもうまくいかないです。現状逃避だけの人には毎回決まってこのハナシをしますが、一様に返ってくる反応は、「なるほど、そういう考え方もあるんですね」なのです。

こういう人がクライアントとして成約するケースは絶対と言っていいほどありませんが、こちらはまぁ人助けにはなったかな、と思うことにしています。
050 自分探しとコーチ業
049 自分探しのカウンセリング
048 ゆっくり、はっきり、きっぱり
047 要約と単純化
046 第3の世界

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045 いろいろな価値観
044 迷いの払拭
043 今日は何をお手伝いしましょうか
042 「もうかりマンデー」その後
041 「もうかりマンデー」なるテレビ番組

*
040 アンコーチャブル
039 わからなきゃ、仕方ない
038 自分自身に忠実であれ
037 カリスマ
036 確信ある語調

*
035 セルフ・イメージを大きくするには
034 オーラとセルフ・イメージ
033 言葉の暴力
032 感情の爆発
031 味方になる

*
030 アタマが悪いのは
029 志とは
028 ニーズと価値
027 コーチングの合い間
026 転職
*
025 自分探しは自分で
024 目上から尋ねられたときに
023 考え方を変えるということ
022 求めているのはカウンセリング
021 どうありたいか

*
020 対人関係の問題を自分の問題に落とし込む
019 コーチングは教室だけでは学べない
018 コーチ紹介業
017 排他的男女感情と人類愛
016 ひどくなる人間疎外

*
015 求められるのは行動より発想
014 カウンセリングとコーチングの狭間で
013 難儀は節や。節から芽が出る。
012 コーチングの付加価値は要約にあり
011 セルフイメージと宗教

*
010 森を見ない
009 ライフワーク
008 落ち込んでセルフイメージが小さくなったら
007 セルフイメージの最も大きい人は
006 セルフイメージ

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005 5年後にどうなっていたいか、ですって?そんな無茶な!
004 カウンセリングのサイト
003 人のご縁ででっかく生きろ
002 カウンセリングとコーチングの違い
001 脳天気なコーチング


*** コーチングを受けてみませんか
*** コーチングとは(私見)
*** 社会人のためのカウンセリング
*** カウンセリングとコーチング
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*** ライフワーク・コーチングの奨め
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*** オーケストラ録音を聴く
001〜050 051〜100 101〜150 151〜200 201〜250
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501〜550 551〜600 601〜650 651〜700 701〜750
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