朝のコーチング
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最近、朝のセッションが増えてきました。

6:00〜7:00、7:00〜8:00とふたコマ取っているのですが、このところ2つとも詰まっていることが多くなって来ました。朝型の私としてはこれはおおいに歓迎したい傾向です。

クライアントさんにしても、やはり朝疲れていない時の方が前向きの発想ができやすく、コーチングとして有意義ではないでしょうか。

とくに仕事のまえにこうした前向きの話をするのは、意欲的だし、目標や願望がクリアできそうな気分になってきます。

とにかく疲れていない、というのは前向きな発想をするうえで、大変重要なポイントでしょう。

これに対し、やはり夜はちょっと苦しい時もあります。私も昼間仕事をしておりますので、結構疲れていることが多いわけです。特にカウンセリング的に一方的に話されるクライアントさんに対しては、気合を入れても、こちらの集中が続かず、意識が途切れて、ときとしてトンチンカンな質問をしてしまうこともあります。このあたり自分の体力の限界を感じる時があります。

コーチングは受ける側もする側も朝をおすすめします。朝あまり血圧の低い方は論外ですが。

最後にトラインの名著から下記をご紹介しましょう。私が朝を奨める理由をおわかりいただけるでしょう。

■ 毎朝があなたの人生の始まりである

毎朝毎朝が新たなる人生の始まりなのである。言わば新生活の出発である。どの方向に歩み出すかは全然自分自身の掌中にあるのである。新しい出発をもって翌日の朝が訪れて来るとき、昨日はすでに昨日であって、なんら自分が手を加えることができないものに違いないのである。ただ昨日をいかに生きて来たかのあり方が、我々の今日を我々のために決定してくれるのである。そして新しき出発をもって朝が訪れて来るとき、明日は明日であって何ら自分が手を加えることができないに相違ないのである。ただ我々は今日をいかに生きるかが明日を決定するということを知れば足りるのである。ある詩人は次のごとくうたっている。---


毎日が新しき始まりである
毎朝毎朝、世界は新しく創られる
悲しみと罪の重荷に打ちひしがれたあなたよ
ここにあなたにとって美しき希望がある
それは私にとっても希望であり、あなたにとっても希望である。

過去にありしすべての事物は過去であり、既に終わったのである
仕事は終わったし、涙は既に流されたのである
昨日の過ちは、昨日にして終わらしめよ
血を流して、うずいていた昨日の傷は
夜のうちに注がれた神の癒しの力で癒されたのだ。

過去を過去たらしめよ、私たちは過去を今日に引き戻すこともできないし
過去にしたことを、しなかったことに変えることもできないし、
また贖(あがな)うこともできないのだ
神は恵み深きこころにて受け且つ赦したまうのだ!
ただ新しき日々のみが我々自身のものである
今日が我々のものであり、そしてそれは今日のみである。

ここに一点燃ゆるがごとく輝く蒼空があり
ここに再びすっかり生まれ変わった世界がある
ここに疲れた脚はバネのように軽々と跳ね上がり
輝く太陽に面し黎明とともに
露の聖油に清められて暁の爽涼に呼吸する。

毎日毎日が新たなる始まりである
聴け、わが魂よ、喜びの今の日の讃歌の繰返しを
古き悲しみと過去の罪のけがれと
および未知の未来に予想される苦しみとを払いのけ
今日を勇気もて立ち上がり再び始めようではないか。


ああ、この新しき日の最初の時間、豊かにして輝きに満ち、荘厳にして永遠の未来を決定する可能性を自己のうちに孕み、刻々瞬々が久遠の今の継続でありながら、嘗てなきものが開け行くのである。

『無限者との協調』 ラルフ・ウォルドー・トライン 1896年 谷口雅春訳

変わりたい、でも変われない
064



体験コーチングを申し込んできた女性です。

守秘義務の範囲内で書きますと、人付き合いがつらいのだそうです。自分が作り出す白けた雰囲気が耐えられない。よって引きこもりがちになるのだが、毎日職場に出勤して同僚と一緒に仕事をしている関係上、これも耐えられない。どうしたらよいか、ということでした。

周囲の人で彼女に辛くあたる人はおらず、純粋に彼女だけの問題のようです。結局、彼女が悟りさえすれば、解決する問題でした。しかし1時間足らずの間、彼女は「どうすればよいかわからない」を繰り返し、こちらの再三の提案にも応じず、終わってしまいました。

もうちょっと何とかならなかったか、と思います。しかし、彼女が現状を整理して「割り切る」ためには、もう少し時間が必要なのでしょう。

今にして思えば、この人は自分の現状に対して「コレしかない」という感情と「コレではダメ」という感情を二重に持っているようです。つまり自分を受け入れているようで、受け入れておらず、否定しているようで、否定していないのですね。これではやはり変われないと思います。

今まで生きてきて自己否定100パーセントはありえません。必ず自分の拠って立つコアがあると思います。自分が変わりたければ、まず自分を肯定的に認めてあげることでしょう。それから自己否定したいポイントを明確にする、これなら変われます。

逆説的ですが、変わるためにはまず自己受容して自分が拠って立つコアを見出すことが必要なのではないでしょうか。

自分のなかで「自己受容」する範囲と「自己否定」する範囲が明確になれば変わりうると思います。つまりこれが「割り切り」であると思うのですが、いかがでしょう。

知らしむべし、拠らしむなかれ
063



コーチングにはいろいろな側面がありますが、次に注目すべきは「他人のふんどしで相撲を取る」というポイントです。

根本的なコンセプトは、「問題解決能力は個人に備わっているので詳細はクライアントに委ね、コーチングでは大まかな着眼点を扱えばよい」ということです。

ビジネス・コーチングでいうと、問題の意味と位置付けを部下に理解してもらい、解決方法は部下に提案してもらい、実際に解決してもらう、ということになります。今日上司が部下に指示しているようでは世間の変化についていけません。

そのためまず上司が部下に、問題の意味と位置付けを的確に伝える必要があります。

部下は事業全体に占める自分の仕事の意義を理解できれば、十分やる気を出しますし、ベストの解決策を考えてくれます。あれこれ細かいことを指示すると、やる気も出ないし、部下が指示に依存したり、指示を「できない言い訳」に使ったりするものです。

つまり問題の意味と位置付けを正しく話しさえすれば、モチベーションとソリューションは生まれます。

昔の独裁者のやり方は「拠らしむべし、知らしむなかれ」でしたね。

コーチング的にいうと「知らしむべし、拠らしむなかれ」でしょうか。

岡目八目
062



コーチングにはいろいろな側面がありますが、忘れてはならないのは「岡目八目」というポイントです。そうです、詳しくないほうが、当事者でないほうが、囚われのない発想をするわけです。それが当事者には斬新に感じられるのです。その結果、岡目八目の意見を踏み台にしてすばらしいアイデアが出たりすることが多いのです。

さて私は仕事ではソフトウェア開発業、機械製造業に携わって来ました。当然これらの境界で培った常識、ノーハウがあります。これを他業種の人にぶつけると、意外な啓発効果があることをたびたび経験しています。

ただし、大切なのは私が体験によってこれらの業種に通暁していることで、本の知識ではないことです。したがっていくら突っ込まれても淀みなく答えられます。つまりコアを持っているということですね。

何が言いたいかというと、一芸に通じれば、多芸に応用できる、ということです。

この一事をもってしても、ある程度の社会経験はコーチングには必須です。コーチングをする年齢としては30代後半からが旬ではないでしょうか。

岡目八目の感覚を磨くには、

・異業種交流会に出ていろいろな業種の方の発表を聴く

・異業種交流会の討論会など実際に発言してみる

をオススメします。

迷いの払拭
061



コーチングのコンセプトは「焦点の定まった自助努力で何とかなる」という明るい見通しです。

何とかなるという意味は、時として必ずしもあなたの思い通りになるということではなく、あなたにとって良いようになる、ということもあります。

しかし前段階があります。

1.焦点を定める

2.気持ちを明るくする

これがないと「何とかなる」というわけにはいきません。コーチングではパーソナル・ファウンデーションなどと言ってます。パーソンナル・ファウンデーションができていないとコーチングしても結果を出せません。従ってまずパーソナル・ファウンデーションを整備するためにコーチングすることになります。コーチングのパーソナル・ファウンデーションは実にこまごまと多岐にわたるのですが、一言で言うと以下の2点が達成できればいいです。

1.迷いの払拭

2.恐怖の払拭

ここで「迷い」というのはこの方向に進んで行こう、という意思が確定しない状態をいいます。これも一足飛びに払拭できるわけではなく、迷いをある程度払拭したら、恐怖も払拭でき、ある程度の結果を出せる。その結果で元気が出てきて、さらに迷いを払拭し、恐怖も払拭する。そうするとさらによい結果が出せる・・・、と善循環に入っていくわけです。

ですが、結局すべてに先行するのは「迷いの払拭」です。これはカウンセリングの領域ですね。コーチングがカウンセリングと不可分だ、というのはこういう点だと考えますが、いかがでしょうか。
100 価値観の調整
099 コーポレート・コーチング
098 私がコーチングを始めた頃
097 インターネット
096 5連続セッション

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095 ライフワーク
094 「ワカル」ことではなく「カワル」こと
093 コーチング・スキルとコーチング
092 不安は忘れるに限る
091 第3の場

*
090 落下傘降下にはコーチング
089 ビジネス・コーチングは忍耐
088 落下傘降下
087 スカイプ
086 きっと、よくなる

*
085 掘り起こしのコーチング
084 オートクライン
083 答えは上司のなかにあり
082 オートクラインだけじゃ弱い
081 アドレス間違い

*
080 消費者としての観点しか持たない人
079 ニーバーの祈り
078 予想外の展開
077 コーチングにならないケース
076 自己肯定と自己否定

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075 ビジネス・カウンセリング
074 切り返し
073 承認
072 「考え方を変える」「行動を起こす」
071 未完了感

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070 思い込みを解体する
069 民度
068 環境を一変する
067 パラダイム
066 補助線

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065 朝のコーチング
064 変わりたい、でも変われない
063 知らしむべし、拠らしむなかれ
062 岡目八目
061 迷いの払拭
*
060 自己受容
059 自分探しのパターン
058 ビジネス・コーチングの要諦とは
057 和顔愛語
056 大善・小善

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055 間のもたせ方
054 クライアントと友人
053 ビジョンを持って後ろ向きに
052 寛大にして過酷な請求をなし給わず
051 自分探し(続き)


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001〜050 051〜100 101〜150 151〜200 201〜250
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