思い込みを解体する
070



私は体験コーチングということで、結構毎日はじめての方のお相手をさせていただいております。

初回の体験コーチングで私が一番重視しているのは、相手の「前提」、すなわち「思い込み」です。通常行き詰まって連絡を取って来られるというのは、その前提で問題解決を考えているから行き詰まるわけです。

ですから、「その前提ホントですか?」がコーチングの突破口になるわけですね。

たとえば自分より部下のほうが仕事ができる、と言って肩身を狭そうにしたり、嘆いたりする管理職は多いです。不肖私も昔はそうでした。こんなときはこう言います:

「上司は部下より仕事(実務)ができなくてはイカンと思っておられるようですが、必ずしもそうではないのではありませんか?あなたの任務は部下のリソースを目一杯活用して、部署としてのパーフォーマンスを最大化すればいいことで、そのための上司でしょう?上司が仕事できすぎると部下は却って育たないと思うのですが、どうでしょう・・・」

どうですか、ここからは斬新なソリューションが出ると思いませんか?

もしここで「前提」(思い込み)を解体せず、

「じゃあ、あなたが部下より仕事(実務)ができるようになるにはどうすればいいと思いますか?」とやってしまうと、コーチングが袋小路に行き着くことは必定です。

前提を解体しないコーチングなんぞ、誰でもできます。コーチングはクライアントさんの「前提」(思い込み)を解体できてこそ、お金を頂戴する意味がある、と私は確信しています。

要は「発想の転換」とか「コロンブスの卵」などと世間で言われていることを、コーチが指摘できるか、どうかということですね。

民度
069



中国で反日デモ→暴徒化の歯止めが効かなくなってきています。誰しもオリンピックなんかできるんだろうか?と思いますね。昨年の北京で開催されたサッカー・ワールドカップで反日フーリガンに対し、石原都知事が「民度が低いから仕方がない」と斬っていましたが、同感。

要は民度が低いのです。

デモをするのは勝手だが、国民の程度が悪いからあんなことになる。

なぜ、あんなに程度が低いかというと、問題は相当昔に遡ります。一言で言うと異民族に長い間占領され、中国人の民族としての情緒がすでに断ち切られているからです。

中国は唐の昔は礼節を重んじる帝国だったようです。それがモンゴル系の元に清に2度長期にわたり占領されています。異民族が支配すれば、通常分割統治して、相互監視で不穏な動きは密告させるやり方を取ります。これが人間不信を呼び、民族の情緒を破壊してしまうのです。

たとえばマッカーサーが進駐してきて、日本に200年間の圧政を敷いたとしましょう。日本の文化・伝統・情緒が破壊されてしまうのは想像に難くないでしょう。清の時代とは漢民族にとってはこれと等価であったわけです。

現在の中国人民とは文化・伝統・情緒が破壊されたあとの抜け殻です。言ってみればゾンビのようなもの、だから拝金主義で、自己中心的で、横柄にして傲慢なのです。

中国はこの後も長く迷走を続けると見ますが、お気の毒です。

ただ、教科書で歴史認識がどうだとか言ってますが、中韓の教科書なんぞ反日宣伝そのものです。たとえば日中戦争の犠牲者が江沢民の時代になってから2000万→3500万になっています。歴史の歪曲は向こうでしょうな。こういった事実をフェアーに考慮するという姿勢は微塵もない。単に自己中心的で傲慢なだけで、これは民度が低いからです。

日本もいろいろ社会問題はあるが、中国なんかと比べるとよほどマシです。

こう考えるとカウンセリングとかコーチングが行われているということはすぐれて民度が高いということになるのでしょうね。

環境を一変する
068



前回の続きです。トラインの本からさらに引用します。

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私たちは環境がどうだとか、こうだという人のあることをよく聞くのであるが、私たちは、人間というものは環境というものに本来決して支配されるべきではないということを悟らなければならないし、常に逆に環境を人間が支配しなければならないのだ。また支配し得るものであるということを知らなければならないのである。このことを私たちが自覚し得るならば、私たちはある特殊な環境から逃げ出そうと考える必要がないということがわかるのである。なぜなら、私たちはどんな環境にいてさえもそこでなすべき仕事があることを知るからである。しかも自己の内に宿る力によって、古き環境に処しながらも全然新しき環境において処するのと同じほどに、事情を一変してしまうことができるのである。
『無限者との協調』 ラルフ・ウォルドー・トライン 1896年 谷口雅春訳

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誰しも窮地に追い込まれるとその環境から逃げ出したい、という思いを持つものです。しかし逃げてしまえば「負け犬」でしかありません。私の数少ない経験からしても、他の環境へ逃避したところで、早晩同じ境遇は現れてくるように思います。

ところがいやな環境にいても、自分の考え方(パラダイム)をより大きくして、今の環境に立ち向かっていれば、そのうち周囲の環境が180度変わってくるものです。

ポイントはより「大きく」考えるということです。

つまり「考え方を変えた」結果、時間の経過とともに「周囲の事情が一変する」わけですね。不思議だがこうなるのです。他の環境に移動するのはその後の方が良いのは言うまでもありません。

私のコーチングでは苦しい状況にあるクライアントさんにさしあたりこう提案しています。

「自分を責めるのをやめましょう。そしてまずは今の環境に立ち向かって、なにか『克服できた感じ』をまずつかんでみませんか」と。

パラダイム
067



補助線の続きです。

私たちは誰でも自分の感じ方を通じてしか、全世界を理解することができません。ということは、全世界は自分の感じ方次第、ということになります。だから自分の感じ方さえ変えれば、全世界を変えうるのです。

トラインの名著から以下ご紹介しましょう。

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もしあなたが自己自身の中心から一切の事物を支配することなく、あれやこれやの事物をして、あなたに害を与え、災いを起こし、かつ煩わす力を与えるならば、それらがもたらす害悪を自己創造のものとして受け、永遠の善にましまし、すべてのものを祝福したまう神に対して小言などを言わぬがよい。ある人の詩にこういうのがある。 ---

われは誓う
住む人のこころ清ければ
その住まうところの浄土清し
住む人のこころ突兀(とっこつ)として棘(いばら)多ければ
その人の住まうところ突兀として棘茂る

もしあなたの魂の窓ガラスが汚れており、いろいろな異物で覆われてスジがついているならば、その窓を通して眺められる世界も汚れて見え、スジがついて秩序混乱したように見えるのである。不平を唱えることを止めよ。しかしながら、あなたの暗黒な考え --- 「憐れなる、不幸なる者よ」という事実を自己にとどめておいて、さてその原因であるあなたの魂の窓を浄めるのに何を絶対必要とするかを仮借なく見極めなければならないのである。しかし、自身の魂の窓を浄めて、「永遠の太陽」の光が内部全体を照り輝かし、外なる景色を何の曇りもなく見得るようにしているあなたの友だちは、同じ世界に住んでいながら全然あなたとは別世界に住んでいるのだという事実を知らなければならない。

だから、あなたの魂の窓ガラスを洗い浄めなさい。そしてある他の世界を求めるよりも、その浄められた魂の窓からして、素晴らしく既に美しい世界を見るのがよいのである。そしてもし、あなたが今ここにいて至るところに素晴らしく美しい世界を見出すことができないならば、あなたはどこへ行っても素晴らしい世界を見出す機会などはないのである。読み人知らずの詩に ---

詩人野を歩めば
赤い実のなる草叢(くさむら)を
ちりばめるものはルビーの詩語か
シェイクスピア道を歩めば
いずこの街を行く人もことごとく
仮面舞踏会の変装者か

この詩のような人間の動きが起こるのである。

『無限者との協調』 ラルフ・ウォルドー・トライン 1896年 谷口雅春訳

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コーチングは「なりたい自分になること」が目的で、目標設定・目標管理が云々されます。しかし、それ以前に最も大切なのは、クライアントさんが「正しい感じ方」に気付いていただくこと、近視眼的に見るのではなく、より全体的な見地から新しいパラダイムを構築していただくことです。

たとえば仮に「左遷」されたとして、「生きていく希望を絶たれてしまった」とみるのか、「生き残って行くのに、世間的に見てもまだまだ悪くないポジションにいるぞ」と見るかでは見え方は180度ちがいます。後者で設定する目標は全くちがったパラダイムから出た目標でしょう。

「全世界の見え方が変われば、目標は手の届くところに降りてくる」のだと思いませんか?

補助線
066



ある男性の体験コーチングでした。

30代後半になって会社人生の先は見えた、このまま行って明るい未来があるとは到底思えない、かと言って妻子もあり、どうしていいかわからない。進むべきか、退くべきか、どうしょうか、というご相談を頂戴したことがあります。

ご本人はもう迷いに迷って堂々巡りから抜け出せない。

こんな時、「あなたどうなりたいですか、今何ができますか」なんていう質問をすぐにしても回答不能でしょう。コーチングしかできないコーチならこの時点で絶対アウトでしょうね。

こういうときはまず補助線を引いてあげれば、この方も堂々巡りを抜け出すきっかけが見出せます。

昔々、学生時代にやった幾何で、ありましたね^^

私が引いた補助線は以下です。

・もともとサラリーマンしてる限り会社の事情でどうなるかわかりませんよ。

・60になれば必ず定年退職が待ってますよ。

・退職は100パーセント次の設計図が書けないとやったらだめですよ。

・あなたの当面の使命は「出世」「成功」ではなく「サバイバル」ではありませんか。

・あなたは現在職についていて、境遇は決して悪くないですよ。
 十分「サバイバル」できるはずです。

こう補助線を引いた上で私はこう言いました。

「どうですか、こう考えたら、あなたの今の境遇、違ったように見えてきませんか?」

この方は「元気が出てきました」と言われて、結局成約しましたので、補助線の効果はあったと確信します。

もちろんここからがスタートです。しかしどう進むにしても

「まだまだ、やりようはある」

のです。

100 価値観の調整
099 コーポレート・コーチング
098 私がコーチングを始めた頃
097 インターネット
096 5連続セッション

*
095 ライフワーク
094 「ワカル」ことではなく「カワル」こと
093 コーチング・スキルとコーチング
092 不安は忘れるに限る
091 第3の場

*
090 落下傘降下にはコーチング
089 ビジネス・コーチングは忍耐
088 落下傘降下
087 スカイプ
086 きっと、よくなる

*
085 掘り起こしのコーチング
084 オートクライン
083 答えは上司のなかにあり
082 オートクラインだけじゃ弱い
081 アドレス間違い

*
080 消費者としての観点しか持たない人
079 ニーバーの祈り
078 予想外の展開
077 コーチングにならないケース
076 自己肯定と自己否定

*
075 ビジネス・カウンセリング
074 切り返し
073 承認
072 「考え方を変える」「行動を起こす」
071 未完了感

*
070 思い込みを解体する
069 民度
068 環境を一変する
067 パラダイム
066 補助線
*
065 朝のコーチング
064 変わりたい、でも変われない
063 知らしむべし、拠らしむなかれ
062 岡目八目
061 迷いの払拭

*
060 自己受容
059 自分探しのパターン
058 ビジネス・コーチングの要諦とは
057 和顔愛語
056 大善・小善

*
055 間のもたせ方
054 クライアントと友人
053 ビジョンを持って後ろ向きに
052 寛大にして過酷な請求をなし給わず
051 自分探し(続き)


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001〜050 051〜100 101〜150 151〜200 201〜250
251〜300 301〜350 351〜400 401〜450 451〜500
501〜550 551〜600 601〜650 651〜700 701〜750
751〜800 801〜850 851〜900 901〜950 951〜999
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