価値観の調整
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ビジネス・コーチングは大前提として

・組織の構成員は組織の方針・目標に忠実でなければならない

のです。たとえば売上10パーセントアップが目標、と言い渡されて、いや反対です、せいぜい現状維持がいいところでしょう、ではハナシになりません。そんな無茶な、をなんとかするのがビジネス・コーチングです。じゃあ、10パーセントを達成するにはどうすればいいか、で始まるのです。

さて、中間管理職のあなたはどうしますか?そもそもあなたはこの目標に納得できますか。もしかしたら「上層部が勝手に決めた数字でいい気なもんだ」と思うかもしれません。あまりに現実離れした数字なら、異を唱えるのは当然必要です。しかし達成できない理由を主張してとことん食い下がっては却ってあなたの評価をさげてしまうでしょう。

こんな場合はどうするか?目標とはめざして掲げるものであって、必ずしも確実に達成できるものでなくてもよい。その方向に向かって精一杯努力すればいいんだ、とあなたなりに咀嚼することが必要です。この「咀嚼」とは会社の価値観とあなたの価値観を調整することです。ここで言う「価値観」は考え方の体系という意味です。

さて、あなたがこの方針を下達すれば、おそらく部下はそんなの無理です、と言うことでしょう。また声に出して反論しなくても、白けているかもしれない。上司であるあなたも同じことを感じたわけですから、これは当然であるわけです。

この状態でいかに部下と戦術を論じようとしても、ハナシは前に進みません。仮に進んだように見えても、部下が納得できていなければ、空論であるに違いありません。これは問題は戦術以前の「価値観」(考え方)にあるからです。

この場合はあなたが部下のために自分の「咀嚼」を提示し、会社の価値観と部下の価値観を調整する必要がありますね。もしかしたら部下が必要な「咀嚼」はあなたが必要だった「咀嚼」とかけ離れているかもしれません。

ビジネス・コーチングとは戦術を論じる以前に、上司と部下が同じ土俵に立つこと、すなわち価値観をそろえること、が不可欠です。そして価値観をそろえるにはそれに見合った人間力(EQ)が必要なわけです。

コーチング・スキルは大切ですが、単にコーチング・スキルだけではビジネス・コーチングはうまく行きません。巷間の書物にはこういったポイントがあまり触れられていないように思います。

コーポレート・コーチング
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ビジネス・コーチングは上司が部下をコーチングすることです。

このほかに上司と部下の間にほかに社外の専業コーチが介在するケースがあります。これをコーポレート・コーチングと言います。まぁ一種の研修屋さんですね。目的はモチベーションの向上です。

たいていモチベーション研修というのは集合研修です。わたしもその昔は高野山で「○○○訓練」を受けました。しかし、こういった集合研修は期間中精神が昂揚しても、終われば元の木阿弥になるのが普通です。

だからコーチングという形で、ふだんも定期的にカツを入れよう、という試みがあっても今日おかしくありません。

私は経営陣の末席で上司の立場にあります。個人的には訳のわからないコンサルタントやコーチが職場に来るのは真っ平ごめんです。もしコンサルタントやコーチが必要だとしたら、上司の能力が低いに違いないと考えるしだいです。だからコーポレート・コーチは自分の職場には無縁な存在だと思っています。

ただし、古いタイプ上司のばかりで、体質改善の必要な企業はやはり存在するでしょうし、その場合、コーポレート・コーチを投入するという選択肢も当然あるとは思います。

さて、コーポレート・コーチングはビジネス・コーチングと言えるのでしょうか。これはYESアンドNO、といったところでしょう。

相手が上司ではなく社外の人間であれば、仕事そのもの話題を離れて、仕事が合わない、職場が合わない、会社が合わない、といった声が必ず出てくるはずです。つまりコーポレート・コーチは会社のニーズと個人のニーズの共通部分を抽出して調整し、できるだけ前向きに仕事をしてもらう、という役割を担うわけですね。

言ってみれば、ビジネス・コーチングとパーソナル・コーチングの折衷的なものでしょう。

が、あくまで仕事のニーズと個人のニーズを調整するだけのコーチングですから、本物の自己実現を目指すコーチングからすればずいぶん中途半端ではあります。コーチは会社から報酬をもらっているわけですから、基本的には「会社の犬」です。しかし社員の不平不満は「守秘義務」で会社に筒抜けにならないようにプロテクトし、人知れず社員のモチベーション・アップに尽力するわけです。

とはいえ、こういった形態で介入すれば、会社の業績にも個人の自己実現にもそれなりの効果が出せることでしょう。社員への福利厚生の一環と言えないこともないですね。

コーポレート・コーチングは研修屋さんの新形態と考えれば理解しやすいと思います。

私がコーチングを始めた頃
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今日からコーチングは3年目を迎えます。

まだまだ過去を振り返る時期でもないのですが、始めた頃をことをちょっと書いてみます。

コーチ21のCTPは2003年5月末に申し込んだと思いますが、受講開始は7月からとなりました。当時は金欠で、3回分割で高額の受講料を払ったと記憶します。全額で55万くらいだったと思います。

コーチングラボ・ウェストにも入会しました。会費は1年1万円。ここの横萩氏が大学の先輩ですので、コンタクトを取りました。早速お会いして、業界のことをいろいろ教えていただくとともに、まずは3ヶ月自分のコーチとしてついていただくことにしました。「いくらでもいいですよ」と言ってくださったため、好意に甘えましたが・・・

当時は何を始めるにもお金がかかるな、という感想でした。

コーチングを受けるほうはそれでよいとして、するほうは実習相手を探す必要があります。

あまり親しくはない知人の男性2名に声をかけたのですが、断られました。うまくいきませんね・・・

3人目に声をかけたのがこれまたあまり親しくない知人の女性です。メールでお願いしたのですが、返事が返って来ません。「なにかまずいことでも言ったかな?」と訝っていたところ、3日ほどして長文のメールが返ってきました。内容は、

「自分は今、離婚調停中だから、コーチングを受けるとなればこの件に触れざるを得ない。あなたその心の準備はありますか。あるなら受けますが、ないなら遠慮させてください」

というものでした。

「これは最初からエライことになった」

と思ったのですが、今更後には引けません。

「構いません。よろしくお願いします」

ということで始まったのです。第1回目のセッションは、相当に緊張しました。もちろん初回はカウンセリングのような雑談のような、得体の知れないセッションと相成りました。

・・・こうして、始まったのですが、コーチングの本に書かれているような「なりたい自分になる」路線とは根本的に違います。私は「悩める人を引き受ける」、カウンセリングに限りなく近い路線からコーチングに入りました。

私のルーツは、「コーチングはカウンセリングと紙一重」なのです。

よくコーチングをやってる人のサイトには、

「過去に焦点」を当てるカウンセリングと「未来へ焦点」を当てるコーチング

だが、自分がやっているのはコーチングのほうだよ、といういささか能天気な記述が見られます。違うだろう、というのが私の正直な気持ちです。カウンセリングとコーチングは不可分なものなのです。むしろ私はコーチである前にカウンセラーであるべきだ、と思っています。

ともあれ、初回から自分独自のコーチングのスタイルを築くきっかけが与えられたわけです。

インターネット
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コーチングを始めてちょうど満2年になりました。

正確には2003年5月21日の早朝にネット・サーフィンしていて、コーチングなら自分にできるのではないか、と思い立ったのです。

当時藤井孝一さんの「週末起業」という言葉がハシリで、自分もインターネットでなにかやってみたいと思っていたのですが、適当な商材が見つからず、行き詰まっていました。

たしか21日の早朝にコーチ21に資料請求したと記憶します。それからインターネットで何名かコーチ業されている方にコンタクトを取り、体験コーチングしてもらいました。1週間後にはコーチ21のCTPを申し込んでいたと思います。それと同時にコーチングのホームページの作成に着手しました。

6月にはメディアネットジャパンのSEOセミナーに行き、検索エンジンの上位表示対策に取り組み始めました。なかなか結果が出なかったのですけれど、8月初でグーグル14位、8月31日にグーグル2位、そして9月15日にグーグル1位になり、一時3位に落ちたことがあるものの、ずっと1位をキープしています。

私の場合はコーチングより先にインターネットありき、でした。したがって、コーチングに出会ったのもインターネットなら、営業も100%インターネットです。コーチングという業界が比較的インターネットにうとい業界であったこともあって、インターネットでは誰よりも「のさばる」結果となりました。

「コーチング」で検索エンジンに当たると、私のサイトがグーグルは1・2位、ヤフーでは1・8位、MSNでは2・9位です。いずれも10位以内にトップページとサブページが2つずつ顔を出しています。

でもこれだけ出ててもそうそううまくは行かないのです^^

ただ2年目を締めくくるにあたって、いいこともありました。日経BPが発行するメルマガにビジネス・コーチングで3回シリーズでコラムを寄稿することになったのです。タイトルは「杉本良明(コーチング実践会)のビジネスコーチング入門(全3回)」です。

日経BPも本当にたくさんメルマガがあって、そのうちのひとつにわずか3回だけ書く、ということで、全然大したことないのですが、まずは素直に喜んでいます。これまたインターネットが取り持ってくれた縁に感謝です。

5連続セッション
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この日曜日の午前中、5セッション連続というのを経験しました。

コーチング・セッションはふつう7:00〜8:00とか8:00〜9:00というふうに1時間づつセグメントし、7:00開始なら7:40から7:50で終わるようにしています。人によっては55分くらいまでかかることもありますが・・・。終了後の時間は休憩と8:00からのセッションの準備にあてます。日曜日は午前中と夜にセッションをいれており多い時は1日8セッションくらいこなします。

4人連続までは経験済みでしたが、今回初めて7:00〜12:00の5人連続を経験しました。といってどうということはないです。以前は3人くらいでへばっていましたが、今ではほとんど疲れが残りません。最初の1人目と5人目でコーチングのクオリティはほぼ同じであると実感しました。むしろ尻上がりに調子が出てきて、5人目のほうができがよかったように感じました。

結局慣れた結果、あまり苦労せずともポイントを押えられるようになったからだと思います。それとやはりコーチングという仕事が自分に合っていて、かつ好きであるというのが大きいと思います。人間は好きなことをしているときは、疲れないわけですね。

いろいろなクライアントさんの人生に関わらせていただけて、喜んでいただける、まったくいい仕事をライフワークにできたものです。
100 価値観の調整
099 コーポレート・コーチング
098 私がコーチングを始めた頃
097 インターネット
096 5連続セッション
*
095 ライフワーク
094 「ワカル」ことではなく「カワル」こと
093 コーチング・スキルとコーチング
092 不安は忘れるに限る
091 第3の場

*
090 落下傘降下にはコーチング
089 ビジネス・コーチングは忍耐
088 落下傘降下
087 スカイプ
086 きっと、よくなる

*
085 掘り起こしのコーチング
084 オートクライン
083 答えは上司のなかにあり
082 オートクラインだけじゃ弱い
081 アドレス間違い

*
080 消費者としての観点しか持たない人
079 ニーバーの祈り
078 予想外の展開
077 コーチングにならないケース
076 自己肯定と自己否定

*
075 ビジネス・カウンセリング
074 切り返し
073 承認
072 「考え方を変える」「行動を起こす」
071 未完了感

*
070 思い込みを解体する
069 民度
068 環境を一変する
067 パラダイム
066 補助線

*
065 朝のコーチング
064 変わりたい、でも変われない
063 知らしむべし、拠らしむなかれ
062 岡目八目
061 迷いの払拭

*
060 自己受容
059 自分探しのパターン
058 ビジネス・コーチングの要諦とは
057 和顔愛語
056 大善・小善

*
055 間のもたせ方
054 クライアントと友人
053 ビジョンを持って後ろ向きに
052 寛大にして過酷な請求をなし給わず
051 自分探し(続き)


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