![]() あるクライアントさんと「コーチングは成果報酬に馴染むのか」という話になりました。 私は馴染まないと思います。私はいろいろな方をコーチングさせていただいてます。過分にも恩人扱いしてくださる方もいます。その一方で体験コーチングしてあげても、礼も言ってもらえないこともありました。でも私はいつも同じスタンスです。この差は何なんだ? 結局、私の提供するコーチングというソリューションを必要として買ってくれる人がいる反面、全く必要としない人もいる、ということですね。 となると、コーチングの成果はクライアントさん次第で雲泥の差がつくということです。ですから、成果報酬は話にならん、と思います。ポイントはクライアントさんが、コーチングというサービスを買うのか買わないのか、に尽きるでしょう。 私の師匠はコンサルタントですが、「成果報酬を言う経営者にロクな奴はおらん」と言っておられます。成果報酬をいうようなクライアントは出会ったことはありませんが、もしいたら、私は相手にしません。
![]() とにかくコーチングではクライアントさんが開き直ることができるサポートを心がけているのですが、ご参考までに以下の体験をシェアしましょう。 私は昔システム開発をやっていたのですが、2年目のほんの駆け出しのころの話です。1ヶ月もの現地調整を経て、ようやくシステムを引き渡して帰った直後、そのシステムが火を噴いたのです。具体的にはファイル設計がまずくて、処理速度が異常に遅くなり、これが高速の自動倉庫と連動していましたので、客先では大騒ぎになったわけです。 私は夜行列車で、ベテランの営業さんと現地に向かいました。私は初めてのことで相当に動揺していたのですが、車中でその方はこんなふうに私に切り出したのです。 「なぁ、君。エライことになった、とビビッとるんやろ」 うなずく私に、意外にもこんなことを言ってくれました。 「心配せんでエエぞ。こうやって大騒ぎになって、謝りに行って、落ち着いたら、いずれ『あの時はあんなことがありましたな』と笑い話になる日がくるんや。そうやってお客さんとの人間関係が深まっていくんやで。それでまた次の注文ももらえるわけや」 「そやから、君は心配することないで。オレはこんなん好きなんや」 この営業さんの思いやりはホントにうれしかったです。その一方でなるほどそんなものか、と思いました。大騒ぎになっても「こんなん好きなんや」と言ってくれる人もいるわけなのです。もちろん何もないに越したことはないわけですが・・・ 深夜に現地に入り、現場で一夜を明かして対策し、翌日はこの営業さんにアタマをさげてもらって、私が経過説明をしました。その後もいろいろありましたが、最後には無事収まりました。 私はその会社に7年半いましたが、退職するまで、そこの客先担当者からは毎年年賀状の挨拶を頂戴したものです。この営業さんの言われた通りになりました。 そんなこともいろいろ経て来て、私もだんだんと開き直れるようになって来たのです。こういった体験は機会あれば、コーチングのセッションでもお伝えできたらと思っています。
![]() クライアントのAさんですが、最近大きなプロジェクトの責任者として任命されました。以前コーチングを受けていただいたことがあるのですが、プロジェクトの開始にあたり、私とのコーチングを再開されたのです。 まだ年若いAさんは、プロジェクトの重圧に押しつぶされそうになると言います。 私は、重圧は一人で背負い込むな、と提案申しあげました。いい意味で他人まかせ、無責任でいましょう、ということです。 金をサラ金から借りて返せなかったら、借りた人も悪いが、貸したサラ金も悪いのです。だから借りた金が返せないといって、首をくくったりするのはまるで見当違いなんですよ。 それと同じことなのですが、Aさんが一人で重圧を引き受けるというのは、まるで見当違いです。もちろんAさんを責任者にした上司も責任あるのだし、Aさんの会社にプロジェクトを発注した企業もプロジェクトの成否には自己責任があるのです。 Aさんに求められることは任務に全力を尽くすこと、これのみです。全力をつくしてもだめだったら、あとは上司なり、発注した企業なりが責任をとるべきことでしょう。ダメでも命までくれとはいいませんよ・・・Aさんが精神的重圧でストレスをためても何も解決しないのです。 そんな話をさせていただきました。こういったことを開き直りというのです。 不謹慎なようですが、開き直ることによってメンタル・ヘルスは維持できます。そして仕事もかえってうまくいくのです。ポイントはとにかくストレスをためないことです。 私はAさんのストレス管理に徹底して付き合うつもりです。ストレス管理さえできれば、優秀なAさんのことです。間違いなくやりとげると確信しています。
![]() 助言する側に訓練が要ることはもちろん言うまでもありませんが、助言を受ける方にもそれなりの姿勢というか、度量は要るのです。 「そんなことはわかってます」 といかにも不服そうに言う人がいます。男女ともに経験しました。その人がその件をわかっているのかどうか、会ったこともない私が知る由もない。だから念のために言ったまでで、他意はないのです。が、そうした人はどうも自分が馬鹿にされたと感じるらしいのです。 わかっているのなら、聞き流せばよろしい。それをわかっていると声高に主張しなければならないほどプライドが高いのなら、始めから助言など求めてくるな、と言いたいです。自分で考えたらいいでしょう。 ある人などは、40分体験コーチングをしてあげて、こちらは終始普通に話しているのに、 「そんなことはわかってます」 を何度も繰り返したのです。でも「そんなことはわかっている」のならコーチングなど必要ないでしょうに。 終わりに黙って電話を切ろうとするので、こちらはアサーティブネスを行使しました。 「礼くらい言ったらどうですか。あなたの社会性を疑いますね」 この人が社会に適応していけないのはうなずけます。こんな程度の悪い人がたまに当たるのはこちらの宿命なのです^^そんなことはさておき・・・ 助言を受ける方は、自分がわかっていることを助言されても、受け流す度量は絶対必要だと思うわけです。
![]() コーチングが日本に入ってきたのはかなり遅く、90年代後半です。 コーチングという言葉をそれ以前から知っている先覚者もおられたとは思いますが、CTIジャパンの榎本さんの本が1999年に出ています。このころをもって日本のコーチングの黎明期と言って差し支えないでしょう。 ということは、コーチング10年やってる人はいないのですよ。ベテランでせいぜい5〜6年なのです。ある意味みんなアマチュアだと言ったら失礼でしょうか・・・ 自分はコーチングのプロ中のプロと豪語するようなホームページもあります。私はなに大したことないだろう、くらいに考えています。 プロってなんでしょうか?その一面には結局コマーシャリズムの徹底というのがあります。つまり金儲けに徹することです。 個人的にはコマーシャリズムに徹した金取り主義は合いません。 たとえばコーチングを体験するのにも金を要求するサイトがありますが、ああはなりたくないな、と思います。そのサイトの運営者はタイム・イズ・マネーと割り切っておられるのでしょうが・・・ 「医は仁術」という言葉があります。その意味で言うと「コーチングも仁術」なわけです。プロ意識は大切としても、コマーシャリズムに徹した金取り主義をプロ意識とするのは願い下げです。 だからアマチュアを否定的にとらえることも適切ではないでしょう。アマチュアだから手作りの良さがあるわけです。手作りのパウンド・ケーキには市販品にない良さがあるように。 私は「その筋のプロ」から甘いと言われるかもしれませんが、アマチュア・ディレッタント気質を失わずに行こう、と思っています。 |
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200 コーチングで食べるのは最後に
166 みんなアマチュア199 コーチングの金銭感覚 198 心の準備 197 少人数 196 人生のキーワード * 195 真我を信じよう 194 ムラ社会 193 夢を壊す権利 192 究極のパラダイム 191 これはコーチングですから * 190 一緒に考えましょう 189 日曜喫茶室 188 いじめとアサーティブネス 187 齟齬の指摘 186 答えはクライアントの自助努力の中にある * 185 私は何をしてあげたらいいですか 184 Sコーチ 183 答えを教える 182 光明と暗黒 181 アイボール・ミーティング * 180 パラダイム・シフト 179 結婚問題 178 にっちもさっちもいかなくなった相談事 177 すべて簡単な言葉で表現できる 176 祝福と呪詛 * 175 アクセルを踏みながらブレーキ 174 コーチングは何が画期的なのか 173 コーチングの定義とは 172 コーチングは方便 171 適性はソリューション * 170 成果報酬 169 開き直り2 168 開き直り 167 助言を受ける側の度量 * 165 結婚の効用 164 面談の克服 163 失敗するかもしれないけれど・・・ 162 心を明るく 161 鬱になるくらいなら周囲に迷惑をかけよう * 160 ストレスをためない 159 組織人から個人へ 158 汲んで形にする 157 21世紀は個人の時代 156 実務はできなくても管理はできる * 155 わかっているけど相談しよう 154 グーグルの「コーチング」 153 気を使わず、頭を使う 152 コーチングは現状からか、ゴールからか? 151 一期一会 *** コーチングを受けてみませんか *** コーチングとは(私見) *** 社会人のためのカウンセリング *** カウンセリングとコーチング *** ビジネス・コーチング入門 *** ライフワーク・コーチングの奨め *** オーケストラ再生のオーディオ *** オーケストラ録音を聴く |
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