![]() 昨日、とある看護士の方と話をさせていただきました。後輩の看護士からたびたび相談事を持ちかけられるのですが、自分の判断を言ったものかどうか躊躇する、ということです。というのは、話を傾聴している限り、必ず、 「どうしたらよいでしょうか」 という質問が投げかけられるのですが、この時に、 「〇〇したらどう?」 ということに対して責任を感じるのだそうです。たとえば、辞めるか辞めないかで迷っている、と言われた場合、長上の立場としては、うっかり「辞めたら」とも言えないわけです。ひと言で言えば、ティーチングの呪縛と言ったところですね。 この場合は流れを変える必要があります。つまりティーチングからコーチングにです。相談の目的を最初に押さえることから着手します。具体的には冒頭に、 「私は何をしてあげたらいいですか」 とわざわざ尋ねるのです。この答えとして、 「私に代わって、判断していただきたいのです」 とはふつう言わないと思います。せいぜいが、「話を聴いて欲しい」でしょう。このステップを省略して単に、 「相談に乗っていただきたいんです」 で話に入っていくと、 「私に代わって、判断していただきたいのです」 が曖昧な形で織り込まれてティーチングに流れて行ってしまい、相談を受けた側が責任問題を意識せざるを得ないことになります。ですから、「相談」の実体をまず明確化することが賢明です。つまり「話を聴いてほしい」だけ、とまず相手に言わせるわけです。ここでダメを押しておきます。 「話を聴くだけでいいのですね」 とオウム返しをかますのです。これでこちらのペースです。 そうして以降の会話を、 「私は聴いていてこう思ったのだけど、あなたはどう思う?」 という言い方で、毎回あくまで判断は相手に振るのがコツです。ちなみに、 「私は聴いていてこう思ったのだけど、あなたはどう思う?」 はフィードバック付きのコーチングです。もし相手がこちらのフィードバックに同意したとしても、それは相手の選択ですから、こちらの責任問題にはなりません。 結論としては、後輩の相談事は答えを与えることはせず、コーチングで処理しましょう、ということです。答えを渡して責任を意識するよりは、感じたままをフィードバックしてあげるほうがよほどいいです。自由に意見交換ができる分だけ有意義で、このほうが相手のためになるでしょう。そもそも相談を受けた方が責任を感じるというのが異常事態で、おかしなことです。
![]() お盆休みが終わりました。 終わってみると結構グータラしていたのが実感です。 盆休みはやっぱりコーチング・セッションの休みも増えます。 ただ朝と夜には少ないながらセッションがあり、この時間だけはしゃんとしてました。 あとはビールを飲みながら、行きつけのブログを何度も拝見して、オーディオ装置を終日鳴らしてボーッとしておりました。結構惰眠も貪りました。無駄なようですが、悪くない盆休みでした。 って、まだ盆休みモードの文面ですね。今日中に脱出します^^ 閑話休題。 さて、私のクライアントさん、元クライアントさんたちが次々とブログやホームページを立ち上げられ、私も記事のなかにSコーチとして登場するようになりました。コーチングという形で関わって、きっかけ作りにいくらかでもお手伝いできたことを喜んでいます。 まだまだ感慨にふける気にはなりませんが、私がコーチングを始めた頃を考えると、現状はそれこそ自分が目指していた境遇なのです。今後も自分の足跡がこんな形で残っていけばうれしいですね。 (2005年8月17日記)
![]() クライアントのAさんは現在、ホームページを作成中です。 「Aさん、今日は何をお手伝いしましょうか」 「そうですね、ホームページのアドバイスをお願いします」 このやり取りから始まったのですが、「答えはクライアントの中にある」のなら、アドバイスなんてもってのほか、そりゃティーチングじゃないか、と目くじら立てる向きもあるでしょうね。コーチングやってる人に特有の現象です。「教える」ということを白眼視するのは・・・。 「Aさん、あなたはホームページをどうしたいですか」 この質問から入るのがコーチングの「型」なのですが、読みやすく、訴求力があって、洗練されたホームページをAさんが求めているのはこれまでの経緯から自明ですので、省略しました。 私はAさんのホームページを見た感想を自由に述べ、知ってるノウハウは出し惜しみすることなくお教えしたわけです。Aさんは私のコメントを参考に今後の手直しをする、のですが、コーチング・セッションとしてはサマになってると思います。 私が教えたことをAさんがそのまま取り入れたとして、それで何か問題があるでしょうか。Aさんは数ある選択肢から自分の判断で私の意見を採用したに過ぎませんから、答えはAさんのなかにあるのです。コーチが答えを教える、教えない、にこだわるのは何とも馬鹿げています。 パーソナル・コーチングであれ、ビジネス・コーチングであれ、キーワードは「任せる」です。 「要所に介入、詳細は放任」とでも言ったところで、あとはクライアントが上手くやるに違いない、という信頼感があれば、それで立派なコーチングなのです。答えを教えたっていいじゃないですか。
![]() コーチングをやっていると、よく後ろ向きの言葉に出会います。たとえば、 「不安でたまらない」 などとこぼす人がいます。そうかと思えば、 「あの人は自分のことを馬鹿にしている」 と憤る人もいます。 確かにご本人にとっては真実なのだろうと思います。しかし、私はこういった後ろ向きの感情はストレスがたまるので、やり過ごすに越したことはないと思っています。そしてクライアントさんにそうオススメします。 よくよく考えていくと、こうした後ろ向きの感情は、自分もしくは他人のよくない面に焦点を合わせる結果、湧き上がる感情だと思うのです。誰にも良くない面は必ずあるし、なくなることもない。 しかし、自分にも他人にも必ず光り輝く良い面があるはずです。 ちょうど電車の車中には、居汚(いぎたな)い酔っ払いもいれば、瀟洒なお嬢さんもいる、という感じでしょうか。 やり過ごす、とは要は酔っ払いを凝視するのはやめて、お嬢さんに視点を移しましょう、ということです。これこそ一番ストレスがたまらない賢明な選択だと思うのです。 日々の生活の中には暗黒も光明もあります。暗黒は暗黒を呼び、光明は光明を呼びます。コーチは、クライアントさんが暗黒から目をそらし、光明を見るよう、お手伝いできなければなりません。 ふたりして暗黒を凝視し、暗くなっていたのでは、コーチングの意義を見出せないでしょう?
![]() 昨日は元クライアントのTさんと徳島でお会いしました。私は例年阿波踊り見物に行くのですが、Tさんがちょうどお子さんを連れて帰省しておられたので、ぜひぜひという話になったわけです。 こんなのをアイボール(眼球)・ミーティングというのですが・・・ Tさんは想像通りの方でした。先方は私の顔写真はホームページで見ていますのが、私からすればTさんは長らく、 「声はすれども姿は見えず」 というバーチャルな存在だったわけです。リアルに移行するのは、やっぱり楽しいです。 さてアイボール・ミーティングをやると、コーチ・クライアントの関係が全く逆転するのが、私の常です。自分の身の上話を堪能していただきます(笑) Tさんご迷惑だったことでしょう・・・ Tさんの涼やかな笑顔は阿波踊りのリズムとともに長らく記憶に残ると思います。 |
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200 コーチングで食べるのは最後に
166 みんなアマチュア199 コーチングの金銭感覚 198 心の準備 197 少人数 196 人生のキーワード * 195 真我を信じよう 194 ムラ社会 193 夢を壊す権利 192 究極のパラダイム 191 これはコーチングですから * 190 一緒に考えましょう 189 日曜喫茶室 188 いじめとアサーティブネス 187 齟齬の指摘 186 答えはクライアントの自助努力の中にある * 185 私は何をしてあげたらいいですか 184 Sコーチ 183 答えを教える 182 光明と暗黒 181 アイボール・ミーティング * 180 パラダイム・シフト 179 結婚問題 178 にっちもさっちもいかなくなった相談事 177 すべて簡単な言葉で表現できる 176 祝福と呪詛 * 175 アクセルを踏みながらブレーキ 174 コーチングは何が画期的なのか 173 コーチングの定義とは 172 コーチングは方便 171 適性はソリューション * 170 成果報酬 169 開き直り2 168 開き直り 167 助言を受ける側の度量 * 165 結婚の効用 164 面談の克服 163 失敗するかもしれないけれど・・・ 162 心を明るく 161 鬱になるくらいなら周囲に迷惑をかけよう * 160 ストレスをためない 159 組織人から個人へ 158 汲んで形にする 157 21世紀は個人の時代 156 実務はできなくても管理はできる * 155 わかっているけど相談しよう 154 グーグルの「コーチング」 153 気を使わず、頭を使う 152 コーチングは現状からか、ゴールからか? 151 一期一会 *** コーチングを受けてみませんか *** コーチングとは(私見) *** 社会人のためのカウンセリング *** カウンセリングとコーチング *** ビジネス・コーチング入門 *** ライフワーク・コーチングの奨め *** オーケストラ再生のオーディオ *** オーケストラ録音を聴く |
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