成り行きまかせ
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とある女性です。コーチングのご依頼でしたが、実際の内容はキャリア・カウンセリングでした。

ご主人の転勤に伴って自分も国内外で転職を繰り返しておられます。あまり関連はない職歴が7つほどメールに書いてありました。現在就職活動中とのことです。

長文のメールなので、どうかなとは思ったのですが、思い切って依頼を受けてみました。

本人曰く、何をしたいか自分はよくわからないそうです。これで今後の自分のキャリアをどうすればよいか、と言われるのです。

この状態で、人に相談に乗ってもらって、おぼろげながらも方向性が出たとします。しかし、その通りの募集があるのか、そして応募して採用されたところで、意中の仕事をさせてもらえるのか、全く何とも言えません。そしてダンナの転勤という構造的な要因が解消しているわけでもないので、今後もこうした状況が続くものと思います。

この状態で「コーチングが職探しの役に立つか試したい」のだそうですけれど、ちょっとそれは無理というものでしょう。どうも本人はセッションが期待外れだった様子ですが、本人の状態がコーチング以前だというしかありません。

成り行きまかせこそ、この人の場合一番確かな選択肢なのではないかな、と思いました。仕事は仕事と割り切って、人生の意義を他に見出したほうが良いように思います。

文体
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知人のある方から言われたことがあります。

私の文体は難し目の漢語圧縮表現が出て来るかと思ったら、意表を衝くタメ口表現も出てきて、通りが悪いそうです。ですが、ブログならまだしもそのアンバランスさが、かえって新鮮なんだそうです。

別の人からはかなりキツイことを言われたことがあります。
「・・・文章も、ブログに自分のペースで書いているものは、読ませるための修行をしていないだけに自己流になりやすく、本にして読ませる文章に進化するには、きびしい編集者の眼で見たハンマリング(鉄を叩くこと)の訓練が必要。今のところ、ブログの文章を含めて、売れる文(本として出せて金を取れる文章)にはなっていない」

どちらも真実なのでしょう。文章を書くのは難しいものです。ただこの1年ブログをはじめ、ホームページ、レジュメ、etc.といろいろな文章を書いて来て感じることは、以下です。

@文章は「思います」、「ではないでしょうか」という婉曲表現は避けて、言い切る。
A接続詞は極力避けて、文同士の論旨でつなげていく。
Bひとつの文は短くする。

この状態で、あと論旨がしっかりしていれば、一応読める文章になるな、と思っています。2つ目のコメントは上記@ができてなかったため、そういう印象を与えたのだろうと思っています。これはその後改善しています。

文章は急にはうまくなりませんが、毎日書いてると少しくらいはマシになる感じがします。

とはいえ5つあるコーチングのサイトは、このちょっと拙劣?な文章力で今まで作り込んできたわけです。あんまり文章にこだわってたら今まで何も書けなかったでしょう。拙劣でもまずは形にする、これが大切なのです。

コーチングの本の出版
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私事ですが、商業企画出版で何とかコーチングの本が出版できそうです。

2005年12月上旬に私の出版企画が採用になったのです。クリスマス連休や年末年始の休みは原稿書きに没頭しておりました。企画が採用されても、原稿がまずくて採用取消になった例も数多く、原稿が受理されるまでは全く気が抜けませんでした。

現に1回書き直しを要求されています。ところが書き直した原稿はそれであっけなく受理されてしまい、一昨日これで制作にはいる旨出版社から連絡がありました。

とは言え、また何か起きるかもしれませんが、もう後は私個人だけの責任でもないので、ブログに書いてみようと思ったわけです。

全く歩みは順調であったわけではなく、最後まで粘ったら何とかなった見本みたいなものです。

2005年8月初旬ごろ、中小企業診断士の畑田洋行さんが主宰される出版塾をインターネットで探し当てました。その説くところは私のニーズにぴったりでした。畑田さんの著作を参考にしながら、このブログの記事をベースに原稿をつくり、原稿診断コース(受講料 3万円)と企画書作成コース(受講料 5万円)を受講しました。

10月に50社に企画書を郵送したのですけれど、結果はすべて×。出版企画の採用率は0.3パーセント、つまり1000件に3件なので、何も驚くに値しません。敗者復活戦ということで、出版塾の畑田さんが個人的に知り合いの出版社の編集者を引き合わせてくださって、面談したのですが、ここでも×。

この編集者の方にこう言われました。

「あなたの企画が読者に1500円分の夢を売れますか、ってことですよ」

私の書くコーチング論はどうしても世間で「コーチング」と称している脳天気なやりとりを糾弾する傾向があります。それだけではダメだよ、という意味です。こう言われるとグゥの音も出なかったのですが、ここから持ち前の粘りを発揮、

「もう一度企画書を作りなおしますから、また見てやってください」

で別れたのです。3日後に企画書を送り直し、それから1週間で採用になりました。

どう企画書を変えたか、ですって?夢を売れるように、全体としてはハウツー本の構成にしたのです。どうやってインターネットでコーチング業を開業するか、のノウハウを前半に持ってきて、後半を、そのための実戦コーチングはこうあるべきだ、という構成にしたのです。発想の転換ですね。

「う〜ん、その手があったか」
「やっぱり、その手しかなかったか」

矛盾するようですが、自分ではそう思っています。インターネットのノウハウをフルに開陳することになるので、同業のライバルを乱立させる危険があり、できれば避けたかったのですけれど、この際しかたがありません。

ともあれ、最初の一冊を出すのは、どの人も相当苦労してやっとのことで出版に漕ぎつけるものだ、と聞いていましたが、自分の場合も全くそうでした。まだ漕ぎついたわけでもありませんが。

この記事を読まれて、自分も本を出してみたい、と思われた方は遠慮なく私宛にメールいただければと思います。微力ながら相談に乗りますよ。

フィードバックには毒消しを
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コーチングでフィードバックという技法があります。社会一般的に言うと「指摘」と言えます。以下のような発言を言います。

「私はあなたがどうも腰が引けてるように感じます」
「あなたはさっきからできない理由ばかり並べていますよ」

フィードバックは各人の成長のためになされるというのが基本的な考え方です。コーチングでは、質問よりもコーチがより能動的にクライアントにかかわる手法です。留意点としては、以下の2点です。

・主観を伝える場合は「私は○○と感じた」と断わること
・客観的事実を伝える時は、良い悪いというように評価的にならないこと

フィードバックでも肯定的なフィードバックはなんら問題ありません。反対に、否定的なフィードバックは誰にとっても受け取るのにそれなりに葛藤があり、通常気分の良いものではありません。たとえば先ほどの例の、

「私はあなたがどうも腰が引けてるように感じます」
「あなたはさっきからできない理由ばかり並べていますよ」

というのは、受け取ってかなり葛藤のあるフィードバックです。

よく聞く話は、否定的なフィードバックを受けたら、他の人に同じ内容を話して、肯定的なフィードバックを改めてしてもらい、それで安心する、溜飲を下げる、というものです。誰しもそういったいった一面は持ってますが、それほどフィードバックには「毒」があります。

フィードバックは着地点ではなく、あくまでプロセスの一瞬です。フィードバックで傷ついた、と言うのでは話になりません。そのフィードバックを踏み台にして、どうするのかというが、ポイントなのです。ですから、フィードバックした後は、クライアントさんがどうすべきなのか、十分セッション中に話し合わなければなりません。

この意味では、フィードバックはあくまでも経過点です。葛藤の多いフィードバックをした後は、前向きの行動を導くことによる、十分な毒消しが必要です。

パレートの法則(80対20の法則)を理解してもらう
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パレートの法則(80対20の法則)というのがあります。これはイタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した冪乗(べきじょう)の法則です。

・仕事の成果の80パーセントは、費やした時間全体の内20パーセントである。
・80パーセントの完成度までは20パーセントの努力で割と簡単に到達するが、そこから100パーセントまで上げるにはさらに80パーセントの努力が必要である。

というものです。世間の大概のことは20パーセントの努力で80パーセントの効果を出せるわけです。パレートの法則(80対20の法則)を敷衍すれば、人生どう生きるべきかの方法論が明らかになります。

・努力の平均水準を上げるのではなく、努力を1点に集中する。
・決められたコースを走るのではなく、近道を探す。
・最小限の努力で、人生の支配権を握る。
・網を広げるのではなく、網を狭める。
・多くの分野で平均点を取るのではなく、一つの分野で突出した成績を上げる。
・よくよく考えて仕事と会社を選ぶ。
・いちばん得意とすること、いちばん楽しいと思うことだけをやる。
・重要な分野ではすべて、20パーセントの努力が結果の80パーセントにつながるよう
 に調整する。
・手当たり次第にチャンスに飛びつくのではなく、気をしずめ、仕事量を減らし、
 ゴールへの最短距離に焦点を当てる。

パレートの法則(80対20の法則)を理解してもらい、とりあえず20点取ることを奨励する、これがコーチングのポイントです。20点でも80点の効果があります。20点でも全然悲観することはないどころか、十分ゴールに近づき得るのです。

たとえば、会議で少しも発言できない、自分の存在意義が感じられない、と嘆いておられた管理職の方がおられました。これも少し(20パーセント)発言することで、本人の存在意義は80パーセントまで上がるということです。

小さく一歩を踏み出しても、案外問題解決は近いことが多いのです。パレートの法則を理解すると最低の努力で最高の効果を上げることができるわけです。日ならずしてクライアントの問題は解決できることを理解してもらい、勇気百倍で取り組んでもらうことが可能になります。
350 立志のカウンセリング
349 対抗意識
348 子どもが小さいうちに子離れしよう
347 論理展開
346 身内の甘え

*
345 幅の広さ
344 全面降伏
343 もう少し発想を変えませんか
342 自分に忠実であること
341 精神年齢

*
340 ありのままの自分を受け入れてもらうしかない
339 冬の花
338 一芸を極める
337 詐欺師のトーク
336 挫折も無駄ではない

*
335 秘密厳守
334 サザエさんブルー
333 アンチテーゼ推進派
332 トイレ中座
331 同居人で上々

*
330 目的地が手段とか状態ではダメ
329 人間力は笑わせる力
328 命名
327 占い師
326 本1冊の分量

*
325 感化力
324 タイプ分け
323 フィードバック
322 コーチングの間隔
321 パソコン顛末記

*
320 情報発信
319 ホステス・トーク
318 身内に対する甘え
317 マザー・テレサの言葉
316 カウンセリング力とは

*
315 悩みの解決
314 失敗談を話す
313 幅の広いものの見方
312 そうかい
311 摂食障害

*
310 答えはクライアントの選択するもの
309 酪農コーチング
308 2日間研修
307 問題点の抽出
306 また風邪

*
305 成り行きまかせ
304 文体
303 コーチングの本の出版
302 フィードバックには毒消しを
301 パレートの法則(80対20の法則)を理解してもらう

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