答えはクライアントの選択するもの
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ある教育商品には、「クライアントはもともと完全な存在であり、自分で答えを見つける力を持っていると信じる」とあります。

ここで言う答えがもし「即座に100パーセントの正解が出せること」という意味であるなら、この主張には否、というしかありません。しかし、今は5パーセントの正解でいい、100パーセントの正解は紆余曲折を経て、時間をかけて見つけてもかまわない、というなら大いに話が違ってきます。

たとえば、定年後何をするべきかわからないが、とりあえず手ごろなファイナンシャル・プランナーの資格を取ってみようというのなら、ファイナンシャル・プランナーの資格は、とりあえずの答えですが、クライアントの答えであることに違いありません。

また、何のテーマかはわからないが、将来本を書いてみたいと思っている人が、とりあえずテーマを決めずにブログを書き始めたなら、これもとりあえずの答えです。100パーセントの正解はとりあえずの答えを書いていくうちに見えてくることでしょう。

いずれもとりあえずの答えではありますが、立派にクライアントの答えであると言えます。

たとえばコーチが、

「私は・・・と考えますが、あなたどう思いますか?」

と訊いたとして、クライアントが、

「私もそう思います」

と答えたとしても、これはコーチの誘導ではありません。立派なクライアントの答えです。クライアントが自分で選択したわけですから。クライアントの正直な反応すべてがクライアントの答えなのです。

親や友人をはじめとして、学校の先生や会社の上司、あるいは専門家や占い師にいたるまで「こうすればいい」と答えを与えてくれる人はいくらもいます。その人たちの答えをそのまま取り込むのではなく、自分で取捨選択すれば、それは自分の答えです。

他人がくれる答えからでも、自分の答えはつくれます。要はクライアントが他人の意見を鵜呑みにせず、自分の価値観で処理すればいいわけです。 こう考えれば、押し付けでさえなければ、コーチが叩き台としていくら自分の意見を言おうが構わないわけです。

「答えはあなたの中にある」いうことと、他人の意見を求めるということは全く矛盾しません。残念ながらコーチをやってる人は多くがこの点を誤解しているように思います。

つまり、「答えはあなたの中にある」というのは、人の言いなりになるのではなく、自分で選択しなさいよ、決断しなさいよ、ということ。そして迷うこともあるだろうけど、いろいろな紆余曲折を経て、その過程で自分を磨いて、自分で答えを探しなさいよ、という意味なのです。これですっきりしますね。

酪農コーチング
309



知人の獣医師、山本浩通先生がコーチングの本を出されました。先生は牛専門の獣医ですが、宮崎県で酪農家を何軒も担当されています。私の知る限り、酪農業にコーチングを日本で最初に取り入れた先駆者です。

実は山本先生は私のコーチングの元クライアントだったのです。その当時、獣医のメーリング・リストにコーチングの記事を寄稿されていたのですが、たまたま拝見させていただく機会がありました。たいへん文才があり、面白いので、

「これ本にできますよ」

と申し上げたのですが、それがきっかけで、酪農雑誌の連載になり、最後には本当に本になってしまったそうです。そのくだりをあとがきに書かれていますが、本当ならコーチ冥利に尽きることです。

山本先生の著作が酪農家に幅広く売れることを念じて、このブログでも紹介させていただきます。

2日間研修
308



□□県立中央病院で、2日間研修講師をさせていただきました。初日は看護士・看護士長の総勢60名にコーチングの研修、2日めは看護士長のみの20数名に目標面接の半日研修でした。

看護士さんの研修は今回が初めてではありません。毎回感じるのですが、看護士さんたちは日本女性の細やかさ、明るさ、おおらかさ、といった良さを一番いい形で持っています。この人たちがいる限り、日本は大丈夫、と思わずにはいられません。

過酷な労働環境で、職場も問題だらけ、慢性的な人手不足と向き合っているので、目標管理も大切ですが、部下のカウンセリング的なケアも負けず劣らず大切です。目標面接もカウンセリング力重視の内容としました。

基本的に私が研修でしゃべっている内容は毎回同じですが、回数を重ねるにつれ、徐々に進化はしていると思います。参加者のひとりからは、今まで受けたコーチングの研修では最高、と褒めていただき、いささか気分を良くしています。

カウンセリング力もコーチング力も会話スキルではない、人間力だ、というのがかねてから私の主張ですが、今回もそれを明言、それが支持されたのだと思います。

看護士さんの現場では、会話術なんぞどうでもいいのです。外的コントロールさえ回避できれば、あとは人間力のみの勝負なのです。それだけの人間力を持った方が多いように思いました。

問題点の抽出
307



たまに悩んだ結果眠れないとか、思考能力が落ちてきたというメールをいただくことがあります。しかしこういったメールに対しては、精神科か心療内科をまず受診されては、と言うしかありません。専門医でもない私が、こういった相談を何の留保もなく受けて立つ、としたら、そのほうがおかしいと思います。

問題点の抽出が自分でできるか、できないか、このポイントが医療か、それ以外か、の分岐点、という気がします。

結局医療か、それ以外かは、理屈が通じるか、通じないか、なのです。見ず知らずの私に眠れないとか、思考能力が落ちてきたという内容で連絡を取ってくるということは、すでに理屈が通じなくなっている、と考えたほうが自然です。

私がはじめてT先生に連絡を取った時、かなり追い詰められていて、眠れぬ日が続いていたのですが、とにかく問題点の抽出はそうしたなかで独力でやりました。見ず知らずの相手に相談を持ちかけるなら、問題点の抽出が自分でできることが最低条件でしょう。問題点の抽出がもはや自分でできないほど、困憊しているなら、迷わず医者にかかるべきです。

また風邪
306



今年は風邪はひかないぞ・・・と思っていたのに、先週またひいてしまい、トホホです。

去年秋に風邪からあれよあれよという間に気管支炎に進んでしまい、結局ひと月半長患いしました。

一番困ったのは咳が止まらなかったことで、人と話をするという何でもないことが、これほど負担に感じたことはありませんでしいた。料金を取ってコーチングしている以上、あまり咳き込んだりするのはクライアントさんに失礼です。

研修の講師も引き受けていたのですが、日は迫ってくるのに軽快せず、こちらも少々焦りました。プロとして話をさせていただくのに、咳き込んでいてはハナシになりません。

秋口の気管支炎が長引いたため、この冬はインフルエンザの予防注射を受けていません。インフルエンザだったら大事(おおごと)だったでしょう。幸い今回は咳に出ず、発熱しただけで終わりました。今回も講師を引き受けていたので、やれやれです。

私自身は頑健というには遠く、こうしてたまに風邪でダウンするほうです。風邪はひきますが、大患とは無縁で、入院経験は40年近くありません。まあ、よしとしましょう。

こんな私ですので、こと風邪に関しては、他人に十分共感できるほうです。あまり自慢できない「取り得」ですが・・・まだまだ修行が足らん、のでしょう。
350 立志のカウンセリング
349 対抗意識
348 子どもが小さいうちに子離れしよう
347 論理展開
346 身内の甘え

*
345 幅の広さ
344 全面降伏
343 もう少し発想を変えませんか
342 自分に忠実であること
341 精神年齢

*
340 ありのままの自分を受け入れてもらうしかない
339 冬の花
338 一芸を極める
337 詐欺師のトーク
336 挫折も無駄ではない

*
335 秘密厳守
334 サザエさんブルー
333 アンチテーゼ推進派
332 トイレ中座
331 同居人で上々

*
330 目的地が手段とか状態ではダメ
329 人間力は笑わせる力
328 命名
327 占い師
326 本1冊の分量

*
325 感化力
324 タイプ分け
323 フィードバック
322 コーチングの間隔
321 パソコン顛末記

*
320 情報発信
319 ホステス・トーク
318 身内に対する甘え
317 マザー・テレサの言葉
316 カウンセリング力とは

*
315 悩みの解決
314 失敗談を話す
313 幅の広いものの見方
312 そうかい
311 摂食障害

*
310 答えはクライアントの選択するもの
309 酪農コーチング
308 2日間研修
307 問題点の抽出
306 また風邪
*
305 成り行きまかせ
304 文体
303 コーチングの本の出版
302 フィードバックには毒消しを
301 パレートの法則(80対20の法則)を理解してもらう


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