悩みの解決
315



悩んでいる人には必ずと言っていい共通点があります。それは、

「物事の一面に囚われた、狭い見方をする結果悩んでいる」

ということです。これまでカウンセリング(コーチング)をやってきて行き着いた結論です。たとえば、嫌いな上司とうまくいかないとします。多くの場合、嫌いなものは嫌い、で凝り固まっていて、それ以外の考え方ができていないものです。しかし、下記のように考えれば、見え方は違ってきます。

・上司は反面教師としての存在意義があるんだ。
・あの世代の人はそういう育ち方をしているから、ある意味仕方しかたがない。
・良いところが全くない、というわけもなく、尊敬できる点もある。
・ワンパターンの習性を持っているから、観察すれば面白い。
・習性を逆手に取れば、結構思うように動くもんだ。

結局、悩んだ人の悩みを解決するには、幅の広いものの見方ができるように支援してあげることが第一です。幅の広いものの見方ができるようになってはじめて、正しい行動(アクション・プラン)が策定できるわけです。「幅の広いものの見方」は知恵であり、人間力です。

では、幅の広いものの見方はどうすれば身に付くのでしょうか。もちろん一朝一夕で身に付くものではありませんが、基本はあります。

それは「人間生かされて生きている」という考え方に徹することです。「生かされて生きている」考え方に徹するわけですから、好ましいことも好ましくないことも、ありがたく学びとして受け取ることができます。その結果、好ましいことのみを受け取り、好ましくないことは排斥する、狭い考え方を脱却して、より幅の広い考え方ができるようになるわけです。

これとは逆に自分の力で生きている、などと思い上がると、好ましくないことが起きた場合は、「生きていてもつまらない」「いっそのこと死んだほうが楽だ」「どうせ死ぬ身だ、所詮早いか遅いかじゃないか」という厭世観に取り付かれてしまうわけです。それが悩みというわけです。

結局人の悩みを解決するということは、「生かされて生きている」という悟りで、他人を感化するということなのです。「生かされて生きている」という悟りがない人は、人の悩みを解決することはできません。

行動(アクション・プラン)の目標設定・目標管理は、この「生かされて生きている」という悟りをベースにしてこそ、初めて十全に機能するのです。

失敗談を話す
314



ある方と対人関係を改善する、というテーマでコーチングをさせていただいたのです。私が「失敗談を話してみては」と申し上げたところ、この方はいろいろ思い当たることがあったようで、日記にした内容を転送してこられました。差し障りのない範囲でご紹介します:


相談したのは「マイナス思考であること」「周囲と(上司と)コミュニケーションをうまくとっていくにはどうしたらいいか」ってこと。コーチングしてもらう前はすごいもやもやした感じだった。知らない人に悩みを話すのは不安だったし。

電話をして「メール読んだけど今日はなにについて解決したらいいかもう一度はなしてくれるかな」みたいな感じで始まった。(大阪の方なので、関西弁だった)

電話中は、お互いなにも話さない時間のほうが多かった気がする。おいらはかなり緊張していたし。でも、ほんの短いやり取りの間で

「職場などで、無駄にかっこつけてない?」
「自分はかっこつけているつもりだけど見える人には、素の自分は丸見えだよ」
「丸見えなことを自分だけが気づいていないんじゃない?」
「等身大の自分で、仕事をこなせばスムーズにいくよ」
「自分からアホになって裸の自分さらけだせば?」

って言われた。

カウンセリングにはないよね、こういうの。「自分の求めてた反応はこれだ!」っておもったね。
でも、アホになるってどうすればいい?ふだん猫かぶってるから猫のはずし方がわからな。。。
って思って聞いた。そうしたら、

「僕はアホになれてるんだけど、逆に君に聞きたい。アホになるにはどうしたらいいとおもう?」

っていわれたんだ。

僕は「。。。」

教えてくれると思って待っていただけに、頭の中が空白で答えられなかった。大分沈黙した後
「ギャグをいう?」って答えた(笑)ほかに思いつかなかったから。そうしたら

「僕が思うには、君の失敗談を話せばどうかな」

って言ってくれたんだ。

おー!自分の失敗を語って等身大の自分を出せばいいんかって思った。自分で自分なりに考えていた後に言われたので余計に新鮮だった。失敗談を話すことで自分は何ができて何ができないか相手もわかるし、すごく双方の距離も縮まるってイメージできた。上司もこいつは何ができて何が苦手なのか把握できるよね。

判っている人はいつも自然にやってるかもしれないんだけど、自分の失敗談を話すって、僕はあまりやったことなかったなあ。自分の失敗を笑って話せる人って親近感あっていいし、好かれるよね。僕もそういう人は好き。でも、僕自身はそういうことしたことなかったよ。いままでの考えでは「等身大の自分=履歴書」のイメージだった。

「○○大卒」「なんとか士取得」って感じで自分がどれだけすごいことを学んできたのかって表現することしか考えていなかったけど、逆に履歴書に書けない、こういうことはやったことがない、とか、やってみたけどえらい恥かいたってことを知ってもらった方が、実際の人間関係ではいいんだね。

僕は完璧人間をめざそうとして、自分以上の自分を気取っていた。それは違ってて、虚構に過ぎない。ありのままの自分を表現してそいつを受け入れてもらえばいいんじゃないだろうか?実践していこうとおもう。アホになろう。

今日はちがう視点で見れてとてもよかった!コーチングをやるとひとりでもやもや考えていたら出ない答えがきっとでてくるような感じがした。(その答えは自分の中にあるかもしれないし、コーチのなかにあるのかもしれない。結果として、本人が能動的に行動できるようにコーチが導いてくれるのだとおもう)

巷でコーチングが流行って知って本屋で立ち読みしてみたり杉本さんのHPをみて概要は分かったつもりでいたけど実際受けてみてとても感激した。コーチングとてもいいすよ!!

Mさん、転載させていただきますが、これは当の私があなたの文面を読んで感動したからです。実に的確に私の意図したことを理解されています。その調子で頑張ってください。

幅の広いものの見方
313



幅の広いものの見方ができるか、私はこれがコーチとしての適性だと思います。

たとえば、世の中には「消費者としての観点しか持たない人」と「経営者の観点をあわせ持つ人」の2通りの人がいます。

「消費者としての観点しか持たない人」はバーゲンでは安い・高い・損した・得したが全てです。しかし「経営者としての観点を併せ持つ人」はなぜこの商品をバーゲンにするのか、どのようにこの商品を仕入れたか、そしてバーゲンにすることでどんな効果があるのか、売り手の事情にも思いをいたすことでしょう。

「消費者としての観点しか持たない人」はレストランに入っても安い・高い・おいしい・まずいが全てです。しかし「経営者としての観点を併せ持つ人」は店作りの工夫とか、スタッフの教育とか、回転率とか、経営者の観点で店を観察します。

町の商店、喫茶店、レストラン、・・・これら全てには必ず「経営者」がいるんです。経営者としての視点なくして世の中の仕組みなんぞわかるわけがない。「消費者としての観点しか持たない人」は単に使われているだけで、リーダーシップとは無縁の人です。失礼ながら精神的にやや未熟だといったら言い過ぎでしょうか。

消費者としての視点しかない人はちょっと話せばすぐわかります。要するに人間としての幅が欠けているので、話していても薄っぺらなのです。そのこと自体には私はとやかくいう筋合いはありません。

ですが、たまにこのタイプの人が連絡を取ってきて、「将来コーチとして独立したい」などと言い出すことがあります。どう考えても適性なし、なのです。ですが、そうは言えません。

「ライフワークとして時間をかけて勉強して行かれたら・・・」

と言っています。

幅の広いものの見方ができるということは、コーチの資質としては第一で、必要不可欠なのです。それなくしてコーチがつとまるわけがないのです。会話術は二の次、三の次です。会話術さえ勉強すればコーチになれるという誤解はいいかげんにしてもらわないといけません。

そうかい
312



我が家の娘たちは中1と小4ですが、私が帰宅すると、学校のこと、友達のこと、こちらが服を着替える間もなく話しかけてきます。

私がたとえばパソコンに向かってメールを打っていようとそれはお構いなしです。

「そ〜ぉ、よかったねぇ」というと話が長くなり、相手をするのが大変です。また子供たちも親が疲れている、忙しい、という空気が読めないままでしょう。

といって、私が「うるさい。黙っとれ」などと言ったりしたら、親子のコミュニケーションはゼロになってしまいます。

「そうかい」

私は明るくこう言うことにしています。承認は一応承認ですが、一旦会話は打ち切る効能があるのです^^それでかつ気まずくない。

「そうかい」

は使えます。

摂食障害
311



過日、カウンセリングで摂食障害(過食症)の女性の相手をしました。

何を隠そう、今から四半世紀以上前のこと、私も摂食障害を経験したことがあります。ひと言で言うと過食症です。過食という悪習慣を持っていると、当然体を痛めます。そのため人生何をやっても物憂いのです。そのためすべてから逃避するような態度で日々を送っていました。

当時大学1年のころで、学内のカウンセリング・ルームにお世話になったことがあります。しかしカウンセリングで立ち直ったわけではありません。むしろカウンセリングみたいなバカバカしいことをいつまでも続けていたはダメだ、と思った次第です。

立ち直るきっかけは、食欲という本能にもろに向き合ってもとても勝ち目はないと悟って、思い切って部活に没頭し、気を紛らわせたことでした。当時は何をするのも物憂かったのですが、ここで逃げてはすべてがないと覚悟を決め、結構辛かったが頑張りました。結局ひとり寂しい人生をおくっているから摂食障害に陥るという面は大いにあります。

しかしそれを言うならもっと過酷だった、病気で自宅浪人時代は、その危機感から摂食障害と無縁だったわけで、結局大学に入って変な甘えが出たのだと思います。

もうひとつは、完璧主義を捨てて、10点でも20点でもいいから取る、ということに気付いたことです。それまでの私は、ちょっとでも食べ過ぎると、あとは毒食らわば皿まで、で抑制が効かなかったのですが、あ、いかん、と思ったらその場で食べるのを止め、たとえ合格点が取れなくてもそれ以上傷口を広げないようにしたわけです。

とはいえ、摂食障害の渦中にある時期は生きていくのが本当に辛く、奈落の底をのぞくような日々が続いたものです。幸い、何とか半年ほどで摂食障害から抜け出せました。

先方は摂食障害で3年きているそうです。摂食障害がカウンセリングでカウンセラーに依存して治るとは思えません。こんなバカバカしいことをいつまでもやっていられない、と本人が決断するのが第一、そのために考え方の工夫をするのが第二でしょう。私と話したことが何らかのきっかけになるとよいのですが。
350 立志のカウンセリング
349 対抗意識
348 子どもが小さいうちに子離れしよう
347 論理展開
346 身内の甘え

*
345 幅の広さ
344 全面降伏
343 もう少し発想を変えませんか
342 自分に忠実であること
341 精神年齢

*
340 ありのままの自分を受け入れてもらうしかない
339 冬の花
338 一芸を極める
337 詐欺師のトーク
336 挫折も無駄ではない

*
335 秘密厳守
334 サザエさんブルー
333 アンチテーゼ推進派
332 トイレ中座
331 同居人で上々

*
330 目的地が手段とか状態ではダメ
329 人間力は笑わせる力
328 命名
327 占い師
326 本1冊の分量

*
325 感化力
324 タイプ分け
323 フィードバック
322 コーチングの間隔
321 パソコン顛末記

*
320 情報発信
319 ホステス・トーク
318 身内に対する甘え
317 マザー・テレサの言葉
316 カウンセリング力とは

*
315 悩みの解決
314 失敗談を話す
313 幅の広いものの見方
312 そうかい
311 摂食障害
*
310 答えはクライアントの選択するもの
309 酪農コーチング
308 2日間研修
307 問題点の抽出
306 また風邪

*
305 成り行きまかせ
304 文体
303 コーチングの本の出版
302 フィードバックには毒消しを
301 パレートの法則(80対20の法則)を理解してもらう


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001〜050 051〜100 101〜150 151〜200 201〜250
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