愚直さ
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98年ころだったと思いますが、某フランチャイズの説明会を聞きに行った時、そこの社長が

「情報とは儲け話である」

と言ったことがあります。その人はビジネス仕掛け人としてカリスマ的な人物で、当時は「ほう、そんなもんか」と感心したりしたのです。しかし、これはカモる側の論理です。カモられる側の私としては、今なら自信を持って言えます。

「好きでもないことに手を出してはいけない」

世間にはフランチャイズ・チェーンやネットワーク・ビジネスがあり、儲かると言って会員を募っています。扱う商品やサービスに思い入れがあるなら入ればいいですが、カネだけが目的で入ったとすれば、入った時点で敗者の人生が始まるのは目に見えています。

人生いかに生きるべきか?当然解はひとりひとり違います。しかし原則これは言えるでしょう。

生き甲斐は好きなことに打ち込むなかに見出せるものです。たとえ儲かってカネが十分あっても、生き甲斐が見出せるとは限らない。むしろその逆で、生き甲斐を見出したからカネがついてくるわけです。

昔なら経済的な成功が大きなウェイトを占めたが、そしていまでも大切なファクターではあるが、ひと言で言えば、

「儲かるだけではつまらん」

のです。好きなことをやって経済的に豊かになれるならそれが最上の解です。経済的に豊かでなくても、好きなことをやっていられたら次善の解でしょう。結局、各人の人生の解は好きなことを人生に織り込んでゆく、編集能力に尽きると考えます。

これは正解は存在せず、各人が正解を作り出す必要があるということです。そのためには自分の好きな道にこだわって決してぶれないという愚直さが要るのです。愚直さがあって、はじめて心の平安と意欲が両立できるのだと思います。

この愚直さこそ大方の成功者に共通しているようです。もちろんコーチングするほうも、されるほうも、この愚直さは大切なポイントだと思います。

本人しかわからない相談
589



私はごく幼いころ迷子になって警察に保護されたことがあります。

バス停あたりでワーワー泣いてたら、見知らぬ人が警察署につれて行ってくれました。今にして思えば尼崎の西警察署だったと思います。電話があまり家庭に普及していない時代です。

担当の人が、私をスクーターに乗せてくれて、

「ボク、おうちはどっちや、こっちか」

と訊きます。なにせ迷子なので自信がない。暫く走ってから、

「やっぱり、あっち」

と軌道修正。あっちでもないこっちでもない、と言いながら家にたどりついたわけです。

振り回された担当の人はかなわんかったでしょうが、何せ行き先がわかるのはこの場合本人だけなんだから仕方ありません。

さて、こうした迷子を連想する相談というのはたいへん多い。

「自分はどの道にすすめばいいかわからない」

がそうです。決して程度の悪い悩みではないですが、結局本人しか行き先はわからない、ということ。付き合うほうは、迷子になった私に付き合ってくれた担当者みたいになるわけです^^

「自分の彼女とかみ合わないがどうしたらいいのでしょうか」

と私に問うた若者がいました。はっきり言ってこれも同じです。どの程度かみ合わないのかは本人しかわからないし、どの程度許容できるのかも本人しかわからない。

「人生長いし、無理することないんじゃないですか」

とは言っておきましたが。結局、この手の相手は、

「どうしようと思うんですか」

と改めて問うてみて、

「こうしようと思います」

と言ったら、

「ああ、そうするのがいいんじゃないでしょうか」

と言っておけばいいのです。
本人しかわからない相談はそうしかやりようがないのです。

そうして、こうした相談はやっぱりほどほどに付き合うしかないでしょう。絶対と言っていいほどクライアントとして契約してもらえることはないからです。

カウンセリングは面談でコーチングは電話
588



趣味のクラシックCD収集のメーリングリストに入っているのですが、そのオフ会でのこと。

「杉本さん、コーチングやってるんだってね」

と言われたのですが、座に居合わせた全員が、

「コーチングって何ですか」

と訊いて来ました。

「あ、知ってる」

と言った人はゼロ。迷わず、

「カウンセリングみたいなもんですわ、電話でやるんですけどね」

と言っておきました。まだまだこの程度の認識が当たり前なのではないだろうか。それにしてもおどろくのはカウンセリングという言葉の普及率です。まず100パーセントと言っていい。コーチングがカウンセリングと同様に定着するかもまだまだ怪しいものです。ですから、

「カウンセリングは面談でコーチングは電話」

と言ったほうが世間一般的にはわかりやすいのではないかと思います。

「やる気を引き出すコミュニケーションです」

などと言おうものなら、

「何じゃそりゃ」

ということになり、座の雰囲気は白けること必定です^^

自分の8割の力で無理なく確実にできることは何か
587



「たとえば学生時代の期末試験を思い出してみてください」

「明日の試験勉強が全くできていないとします。どうするのがベストかと言うと・・・」

「とりあえず勉強ができていないのを嘆いてみてもはじまらないし、自分を責めてみても始まらない。こうした精神的な動揺は、試験を乗り越えるのに百害あって一利なしです。まず自分を責めるのは止めることです」

「ではやれるところまでやろうということで、やみくもに全力でとりかかるのがベストなのか。しかしこのやりかただと、どれだけ頑張ってもやるだけやったという満足感はないことでしょう」

「ポイントはここで完璧主義にならず、自分の8割の力で無理なく確実にできることは何か、ということを冷静に見極めることです。そうするとここが出そうだからヤマを張ろう、といった知恵も出てくる」

「そして8割の力で無理なく確実にできることが達成できたら、自分をほめてあげることです。与えられた状況下で、沈着冷静にベストを尽くした、と考えるわけですね。試験でいい点がとれるかどうかは二の次としましょう」

「しかし、こうした冷静さが結局ベストの結果を引き出すのではありませんか」

「なぜベストの結果を引き出せるのか、それはこのやり方が自己を肯定するやり方で、自己批判、自己否定と距離を置けるからです」

「逆境を跳ね返すのは結局、自分で自分を肯定できるかどうかにかかってます。与えられた条件で、限られた能力で、やるだけやったら自分をほめてあげるわけです。コツは『やるだけやる』を無限大に設定しないで、『8割の力で無理なく確実にできること』に設定することです。そして決して他人と比較しないことでしょうね」

・・・と、あるクライアントさんに申し上げたところ、なるほど、と納得していただけました。この人も似たような境遇で、あまりにも多くの仕事量に圧倒され、自己承認ができない毎日が続いていたのです。どう死力を尽くそうと、この人は自分をほめることなどできはしない、と直感したので、あえて長口舌に訴える結果となったのですが・・・

これは、コーチングじゃないって?そうかも知れませんが、なんでもありが「わたし流」なのです^^

コーチングらしいコーチング
586



パーソナル・コーチングとはだいたいカウンセリングとコーチングの折衷型といっていいと思います。通常は、

気持ちの整理(カウンセリング) → 行動の策定(コーチング)

の順で進みます。そして通常は、気持ちの整理(カウンセリング)に大半の時間を使うものです。場合によっては気持ちの整理だけで終わることもあります。しかしこれはやむを得ません。

気持ちの整理(カウンセリング)が十分終わらないで、行動の策定(コーチング)に進むことは無理があるのです。とくに女性にこの傾向が顕著です。女性は男性よりも感情が発達しているため、十分気持ちの整理に時間をかけないと精神的に満たされないからです。

たとえばクライアントさんが、人間関係のいざこざに直面している場合、気持ちの整理(カウンセリング)は避けて通れません。

さて、男性の一部には、気持ちの整理(カウンセリング)が必要ないクライアントさんがいます。こういった人は気持ちの整理が十分できていて、目指す方向がぶれないので行動管理だけでいいわけです。私が経験したのはベテランの営業関係者で、ややマンネリに陥っているというタイプがそうでした。

行動の策定だけのコーチングの特徴は、

・スピーディ
・時間短め
・コーチ側はメモを克明にとる必要がある
・行動を促す質問をガンガンしたほうが喜ばれる


コーチ21のCTPで教えているようなコーチングがそのまま当てはまるわけです。つまりコーチングらしいコーチングです。ただしこうした人は少数派だと言わざるを得ません。とくに女性でこういうタイプに出会った記憶がまだありません。

ただ、これはパーソナル・コーチング特有の現象です。職場の上司と部下のコーチング(ビジネス・コーチング)では通常、気持ちの整理(カウンセリング)が必要ないわけです。もとからコーチングらしいコーチングであるわけですね。
600 他人を型にはめない
599 1ヶ月に1回のコーチング
598 グーグル・アース2
597 知らんかったグーグル・アース
596 ホームページやブログの相談

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595 電柱方式
594 新婚のカップルに目をつけるべし
593 閲覧者のフィードバック
592 プライベートで主役になる
591 自己満足の日本一・世界一

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590 愚直さ
589 本人しかわからない相談
588 カウンセリングは面談でコーチングは電話
587 自分の8割の力で無理なく確実にできることは何か
586 コーチングらしいコーチング
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585 へたうま
584 物神化(その2)
583 物神化
582 組織文化
581 争いを避けるな

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580 1回30分で6万円
579 楽しいこと、ワクワクすることで仕事を選んでいいのですか?
578 不自由を常と思えば不足なし
577 とにかく動いてみる
576 自己基盤

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575 相手に自立してもらうこと
574 アドレナリン
573 コーチ冥利
572 東京は右側を空ける
571 直感力

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569 無責任な批判
568 リセプター
567 言霊
566 相手は選ぶべし

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565 ある牧師さんとのやりとり
564 発言小町
563 年配者の職さがし
562 「態度の優美さ」がポイント
561 トラウマを乗り越えるには

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560 順調な人なりの苦労
559 部下を意思決定に巻き込め
558 できたらもうちょっと太りたい!
557 各駅停車のこだましか停まらない駅
556 現状分析に90%の時間を割く

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555 オーディオのサイトでグーグル9位
554 陰と陽の橋渡し
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552 口癖
551 家田荘子の講演会


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