![]() 過日コーチ業の先輩にお目にかかって歓談したときに、「杉本さん、今のスタンスでやっていったらオンリーワンになれますよ」と励ましていただきました。 どこがオンリーワンなのか。「なりたい自分になる」という方も当然お付き合いさせていただいていますが、どちらかと言うと「悩んでいる・迷っている」人を専ら対象としている点でしょう。これは私も悩みをきっかけにコーチングを知った、というのが強い動機になっています。 私の体験から言えば、悩みをきっかけに自分本来のワクワク感に目覚め、悩みを乗り越える過程で、自己実現につなげる方法を見出すのだと思います。苦しみを乗り越えないところには喜びもない、ということですね。 思い悩んでいれば、切実に求める心があるはずですし、切実に求める心があるほど、コーチングは機能すると思っています。コーチングにはクライアントさんの「悩み」という問題意識が最も大切である、と信じているしだいです。 私の流儀はソリューションを導くためにカウンセリング・コンサルティングを目一杯駆使し、コーチングは最後の締めに使う、というものです。そして何よりもクライアントさんが自信を取り戻し、元気になることを最重点課題としています。この総合的助言行為に「コーチング」という看板をとりあえず掲げているのが実体です。 このスタイルを一言でいうと「ビジネス・カウンセリング」でしょうか。ビジネス・コーチングならありますけど、「ビジネス・カウンセリング」は寡聞にして知りません。ある日ふと思いついたのですが、このタイトル、自分で気に入っています。
![]() 昨日大阪中小企業家同友会で講演会があり、林家染二さんという噺家が記念講演と寄席を一席実演されました。 ある意味コミュニケーションのお手本です。聴衆をがっちり引きつけて離しません。笑いを取りながら進んでいきますので、聴衆との関係が望みうる最高の状態に引き上げられて行きます。この方の芸風なのかも知れませんが、思っていたよりもずっとテンションが高く、とくに寄席は「ど迫力」という言葉がふさわしいと思いました。 弟子入りした噺家にとって、師匠とは絶対の存在で、師匠が「白」と言えばカラスでも「白」になるんだそうです。そうした環境の中で噺家としての視点の変え方、切り返し方を学ぶということでした。師匠を楽しませることができて、はじめてお客を楽しませることができる、と言うのです。 下記はエピソードとして話された月亭可朝・月亭八方師弟のある日のやり取りです。場所は赤信号の交差点。 「八方、今信号青やな」 「はい、青です」(師匠の言うことは絶対なので・・・) 「そうか、なら八方、オマエ今から渡れ」 こう言われた八方の切り返しは 「師匠からお先に」 だったそうです。 この切り返しができればコーチングでも間違いなくクライアントが取れますよ。無理難題を機知で返して、笑いを取りながら、感心もさせる、まことに見事です。 コーチングには間を持たせて、かつ話を弾ませるというテクニックが不可欠です。それができれば後は話す内容の勝負です。コーチングのテクニカルな面は噺家の切り返しが大いに参考になるでしょう。タモリ・さんま・たけしといったあたりがやってる「俗悪」番組もそういう目で見ればオモシロイですよ。
![]() コーチング用語に「承認」というのがあります。基本的にコーチングは「肯定」の雰囲気の中で建設的にすすめるものです。批判したり、責めたり、なじったりはコーチングとはいいません。要所でクライアントさんのあり方や行動を肯定する、これが「承認」です。 ですが、コーチ21のCTPに出てると「承認がなかった」というコメントをする人がよくあります。どうもそういう人たちの理解では、ちょっとしたことでも針小棒大にほめちぎるのが承認という意味らしいです。 私はこれはイヤです。はっきり言って気休めです。承認は是々非々でいくべきです。よければ承認する、でなければ承認しない。そして大したことなければ、それ相応の承認にとどめるべきだと思います。 それと関東の人で何かというと「素晴らしい」を連発する人がいます。関西人から言えば鼻につきます。「アンタ、それどないかならんか」と思うこともあります。関西でいう「素晴らしい」は最上級の褒め言葉であり、そうそう使うものではないからです。私はコーチングでも関西人としてのアイデンティティにこだわるほうです。 いづれにせよ承認はのべつまくなしに出すものではなく、要所で締めてこそ効果あり、なのです。
![]() カウンセリングとコーチングの違いはどこにあるのでしょうか。巷間の文献やサイトではまことにいろいろな解説がなされています。カウンセリングとコーチングのそれぞれをどう定義するかで論旨は変わってくるのですが、わたしの最近の定義は下記です: ・カウンセリングはクライアントが考え方を変えるのを支援する手法 ・コーチングはクライアントが行動を起こすのを支援する手法 世間の問題には「考え方を変える」ことができれば解決するもの、「行動を起こす」ことができれば解決するもの、そして「考え方を変える」「行動を起こす」の2つを総合的にやってはじめて解決するものの3種類あります。 いちばん多く、かつまたいちばん難しいのが3つ目の複合型でしょう。そうして行動を起こすにしても、まず考え方を変えなければ、手ががりすらつかめないのが普通です。 だから私に言わせれば、カウンセリングなくしてコーチングなしなのです。カウンセリングこそコーチングのベースです。カウンセリングができなければ、行動を起こすことを支援できないわけですね。 しかるにカウンセリングとコーチングの2つのキーワードで検索すると私のサイトは出てくるのですが、似たようなことを言ってるサイトは極めて少ないのが実情です。相変わらずカウンセリングとコーチングを対立した概念で捉えている方が多いということなのでしょうか。
![]() 未完了感というのはコーチング独特の言葉でしょう。達成感の反対語と言えばわかりやすいでしょうか。ペンディングの時に発生する「やるせない気持ち」のことです。 この未完了感を抱え込むと精神的な負担となり、うまく管理できなければ精神が蝕まれていきます。 一例ですが、以下ある女性と行った体験コーチングです。相当混乱しておられて、話しながら涙ぐむというあんばいでした。彼女は最後にこう言ったのです。 「実は親戚の出産祝い、生まれて2ヶ月になるのにまだやってないんです」 「じゃあ、明日やりましょうよ」 「はい、そうします」 ということで、翌日この未完了感は解決し、だいぶ落ち着いたということでした。 つまり健全な精神状態を維持するためには、ひとつひとつ片付けていくしかないのですね。 この逆も想定できます。ある特別な事情で未完了感が解決できないとします。 この場合は未完了感があっても平気なメンタリティーを養わなければなりません。ビジネスに従事していれば、未完了感を持ったまま解決しないことの方がむしろ多いでしょう。 この場合参考になるのは「将棋」です。相手が攻め込んできて、自分の陣地がズタズタにされるのを防戦しつつ、相手の陣地を攻めなければなりません。防御の未完了感は将棋が最高なのではないでしょうか。「未完了感があっても平気なメンタリティー」とは将棋の対局での「達人の受け」がお手本になると思います。 要は解決できる未完了感は素早く解決、解決できない未完了感は「達人の受け」、これを兼ね備えると未完了感が私たちをを悩ませることはないだろう、と考える次第です。 |
|||||||||||||||||||||
100 価値観の調整 099 コーポレート・コーチング 098 私がコーチングを始めた頃 097 インターネット 096 5連続セッション * 095 ライフワーク 094 「ワカル」ことではなく「カワル」こと 093 コーチング・スキルとコーチング 092 不安は忘れるに限る 091 第3の場 * 090 落下傘降下にはコーチング 089 ビジネス・コーチングは忍耐 088 落下傘降下 087 スカイプ 086 きっと、よくなる * 085 掘り起こしのコーチング 084 オートクライン 083 答えは上司のなかにあり 082 オートクラインだけじゃ弱い 081 アドレス間違い * 080 消費者としての観点しか持たない人 079 ニーバーの祈り 078 予想外の展開 077 コーチングにならないケース 076 自己肯定と自己否定 * 075 ビジネス・カウンセリング 074 切り返し 073 承認 072 「考え方を変える」「行動を起こす」 071 未完了感 * 070 思い込みを解体する 069 民度 068 環境を一変する 067 パラダイム 066 補助線 * 065 朝のコーチング 064 変わりたい、でも変われない 063 知らしむべし、拠らしむなかれ 062 岡目八目 061 迷いの払拭 * 060 自己受容 059 自分探しのパターン 058 ビジネス・コーチングの要諦とは 057 和顔愛語 056 大善・小善 * 055 間のもたせ方 054 クライアントと友人 053 ビジョンを持って後ろ向きに 052 寛大にして過酷な請求をなし給わず 051 自分探し(続き) *** コーチングを受けてみませんか *** コーチングとは(私見) *** 社会人のためのカウンセリング *** カウンセリングとコーチング *** ビジネス・コーチング入門 *** ライフワーク・コーチングの奨め *** オーケストラ再生のオーディオ *** オーケストラ録音を聴く |
|||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||
All copyrights reserved | 2006 Yoshiaki Sugimoto |