![]() ビジネス・コーチングは一言で言えば上司と部下の対話です。これでやる気や能力を引き出すという手法です。 しかし、上司・部下の関係で引き出せるやる気や能力は限度があります。そう常に部下の管理が行き届くはずもない。むしろ部下を管理しなくても、部下が自分で仕事をやっていくというのがコーチングの目標でしたね。 やはり、部下同士がお互いに情報交換し、お互いに刺激し合う仕組みづくりが肝心です。 昔からある方法は、壁に成績のグラフを掲示するといったものですが、こんなのは今となってはまるで古いです。全員がパソコンを持っている時代ですから、メーリング・リスト方式で何でも情報交換すべきです。 たとえば、商談の成功体験をメーリング・リストで流すのを義務づける、といったことがあります。Aさんも決めた、Bさんも決めた、Cさんも決めた、ということになれば、何も決めていないDさんは何とか自分も、と躍起となることでしょう。こうした情報共有が仮にできていないとしたら、たいへんもったいないことです。 犬にボールを投げれば、バッと駆けてボールを取りに行くのは犬の習性です。日本人の習性は横並びです。「赤信号みんなで渡ればこわくない」ではいけませんが、「赤信号渡っているのは自分だけ」だと、とたんに日本人は猛反省して必死になるのです^^この横並びの習性をいかに活用できるかが勝負なのです。 コーチングをやりさえすればうまくいく、と言うものではありません。上司・部下のコーチングよりは、部下同士の相互啓発、その仕組みづくりがむしろ重要です。横並びの習性の活用を最重点課題とし、コーチングはそのための補助的手法と割り切るのが、ビジネス・シーンでは正しい理解なのです。
![]() 自分を中心に世間を見渡すと二通りの人がいるのに気が付きます。すなわち自分から悪いものを引き出す人と、良いものを引き出す人です。 自分から悪いものを引き出す相手は、悲惨です。一緒にいると、どうしてこう暗くなるのか、どうしてこう気まずいのか、どうして自分はこう情けないのか、と思ってしまいます。 これとは反対に、自分から良いものを引き出してくれる人と一緒にいると、人生はなんて楽しいのだろうか、自分はなんて善意に満ちているのだろうか、自分はなんと優秀なのだろうか、と思うわけです。この差は大きい。 自分から良いものを引き出してくれる人と付き合い、自分から悪いものを引き出す人は遠ざける、これが基本です。良いものを引き出すか悪いものを引き出すかは、相性も大きいと思われます。 ところが、人生ままならず、自分から悪いものを引き出すような相手とも付き合わなければならないことも多いです。これが生活のほんの一部の時間ならなんとかやり過ごすことができます。つまり清濁併せ呑むということですね。 しかし、生活の大半を自分から悪いものを引き出すような人と交わっている人も多いです。こんな人の大半は自分のいい持ち味をまるで発揮できていません。私のホームページから連絡を取って来られる方には「自分のいい持ち味をまるで発揮できていない」方が結構います。 やっぱり問題解決の鍵はいい人と付き合い、悪い人を遠ざける、これに尽きると思います。ふだんいい人と付き合っていて、余裕があるなら、悪い人と関わるのは構わないと思います。しかし、基本的にいい人との付き合いが毎日の生活のベースになければなりません。悪い人と関わって超然としていられるのはよほどの達人で、凡人には無理と言わなければなりません。 悲惨な人生を送りながら、悪い人を遠ざけられない人はいます。「いい人と付き合い、悪い人は遠ざける」、この人生の原則にもっと貪欲になるべきだ、と話を聴いていてよく思うのです。
![]() コーチングをやっていると、電話口の声というのには明るさ、暗さがあるのを実感します。春風のように明るい雰囲気の声もあれば、闇から聞こえてくるような陰鬱な声もあります。陰鬱な声の持ち主が私のクライアントになることはまずなく、1回限りのお付き合いがほとんどです。 人格的にできた人で暗い声を出す人はいません。人格的にできた人は自身が落ち込んで苦しんでいても、人と話すときは努めて明るく振舞うものです。 結局、電話口の声のトーンがその人の人格のバロメーターだな、と最近つくづく感じます。できた人ほど上機嫌なのです。 クライアントのYさんは役所にお勤めで、主婦です。性格が良くてコロコロとよく笑います。暗い人の相手をした後は特に、明るいというのはいいもんだな、と思います。明るい人というのは他人の幸せに貢献するのです。やっぱり一家の雰囲気はそこの奥さんがどれだけ笑うかで決まってしまうんだなぁ、と思わずにはいられません。
![]() 現在サラリーマンをしているが、リハビリの理学療法士に進もうかどうか、迷っているという方が連絡を取って来られました。 3年間学校に通わなければならないそうです。妻子ありでは迷うのは当然です。 コーチ側としては、進みなさいともやめときなさいとも言えない。 「理学療法士の職場に見学に行ったらどうですか」と言ってみたところ、既に何度か行ったそうです。 「これだ、と思いましたか」と訊いてみたところそうは思わなかったそうです。 「どうして迷うのですか」 「どうしたら迷わなくなりますか」 この2つのポイントを訊いていきました。迷うというのはアクセルとブレーキを同時に踏むことです。その結果その人の力は何分の一かに減殺されます。だから何かことを起こすのには断じて迷っていてはいけません。アクセルだけを踏まないと、とても成功はおぼつかないわけです。 ・理学療法士は過剰気味である。資格をとっても職があるか不明。 ・病人相手でめげないかどうか不安だ。 ・とはいえ今の仕事を続けて行く気は全くない。 のが迷う理由とのことでしたが、これは他人が解決できる問題ではないでしょう。ただこれは言えます。「どんな犠牲を払ってでも、理学療法士になりたい」というのでなければ、やめておいたほうがよいということです。 こう言ってみたところ、その方は「迷いが取れるまでの間、とても今の職場では我慢できない」のだそうです。しかし、ここは我慢するしかありません。迷ったままで今の会社を辞めてしまえば、状況はいよいよ苦しくなるだけだからです。 結局、本人が迷っている間は、助言者は静観しているしかないのです。コーチングは本人が決断しない限り始まりません。 コーチングということで話を聴きましたが、実態はキャリア・カウンセリングと相成りました。コーチングはキャリア・カウンセリングが終った地点から始まるのです。
![]() 私がまだコーチングの実習をしていたころの話です。 アイス・ブレークというのは、コーチングの本題に入るまえに、ちょっとした時候の挨拶とか、近況を尋ねることです。とあるワークショップで、この実習をさせられたことがありました。 割り当てられた実習相手が、この週末、いかがお過ごしでしたか、と訊いて来たので、 「オペラに行きました」 と私は答えました。この答えが、 「いいですね」 だけだったのです。一般人との会話なら目くじら立てることはありませんが、一応「プロのコーチとしてやってる人」でしたから、げっそりしました。少しまともな人なら、 「何のオペラですか」 と訊くことでしょう。「いいですね」だけでは、少なくともクラシック音楽には造詣ゼロ、という事実を暴露しています。 「どうでしたか」 とも訊いて来なかったので、共感もうわべだけということを、これまた暴露しています。「オペラ=高尚」と言ったステレオ・タイプしか持ち合わせてないのでしょう。教養を含めた人間力がえらく不足しているというしかありません。こういう人は「口先だけのコーチング」しかできないのは、はじめから自明です。とは言え、実習ですから笑みを絶やさず続けましたが。 私だってどこかで顰蹙を買うようなことをいってるかも知れないし、相手に寛容であるべきです。しかし、相手に寛容であっても、口先だけの人間力のない相手には多くを語る気になれないのはどうしようもありません。 |
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250 拒絶か黙殺か 249 守破離 248 坊主 247 誹謗中傷 246 ベストを尽くすということ * 245 自覚と開き直り 244 用件と情緒 243 素性を明かす 242 キヨ 241 感情のコントロール * 240 横並びの習性 239 いい人と付き合い、悪い人を遠ざける 238 電話口の声 237 どうしたら迷わなくなるか 236 口先だけ * 235 気管支炎 234 ヤフーの「カウンセリング」 233 よきこと来たる 232 群れられない人 231 愚痴 * 230 「答え」の所在 229 コーチング・モード 228 商業主義 227 起業ネタ 226 一張一弛 * 225 独身者の週末 224 停滞期 223 志を持つ 222 生かされて生きているシステム 221 質問するな、承認せよ * 220 リコメンデーション 219 子育て 218 逆説のパラダイム 217 宗教的素養 216 前世 * 215 ライフワークをオンする 214 苦労 213 イネビタブル・コーズ 212 損得 211 鷹揚に担がれる * 210 屈託 209 打たれ強さ 208 リフレッシュ 207 長所を認める 206 停滞の時期 * 205 アナライザー 204 天球 203 20点を取ろう 202 もっと悪かったかもしれない 201 ホームページは必需品 *** コーチングを受けてみませんか *** コーチングとは(私見) *** 社会人のためのカウンセリング *** カウンセリングとコーチング *** ビジネス・コーチング入門 *** ライフワーク・コーチングの奨め *** オーケストラ再生のオーディオ *** オーケストラ録音を聴く |
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