二流でもいいから自分の芸風を確立する
435



とある中年の女性からメールを頂戴しました。

○○○として自分は向いていないのではないかと思いが強まっています。以前のような熱意も薄れ、このままでは自分のためにも相手のためにもならないのではないかと思い、一旦休業をと考えますが決心がつきません。やめるのであればしっかり納得して後悔なく、続けるのならもっと前向きに進みたいと思います。よろしくお願いします。

「腕前は二流でも、とことん好き、という人が友人にいるが、自分はそうした情熱にも欠ける。なにか違うのではないか、という感情が湧いてくる。しかし、この道で社会貢献したい気持ちはある」

とのことです。

私も昔システム開発をしていた時に同じ思いに駆られたことがあります。自分の査定するところ、自分の実力は「良くて二流」というものでした。

この人に、他に志があるのか?と尋ねてみました。「英会話がもう少しうまくなりたい」のだそうです。中年になってそんなことを言ってるようでは話になりません。少なくとも現時点では他に志はない、と判断するのが妥当でしょう。

結局、他に志がないのなら、今の道をなんとか工夫して続けるのが最も良い選択だろう、というしかありません。

私はこう言いました:

「世間には1万円献金できる人がいれば、千円しか献金できない人もいます。全員が1万円出せるか、というとそんなことはありえないでしょう。多くの人は千円しか出せない。しかし、千円でも出して全体に貢献しているのも事実です。出せるだけ出したらそれでいいのではありませんか」

この人はこの方向で考えを整理してみると言ってました。

音楽の世界はご承知のようにもっと過酷です。プロの演奏家としてやっていける人はほんの一握りです。驚くほど上手くてもアマチュアで甘んじている人は多い。ではアマチュアは存在意義はないのか、と言えばそんなことはないでしょう。アマチュアを含めた音楽人口がそれだけあって、はじめて頂点のプロがいるわけです。

もし、自分に一流の才能があるならそれを開発すればいいわけです。しかし、残念ながら一流の才能に恵まれなかった場合は、

「二流でもいいから自分の芸風を確立する」

こう考えてはいかがでしょうか。自分の芸風が確立できたら、もはや二流とも言い難いと思います。

無線の師匠
434



私は30数年前にアマチュア無線をやっていました。

過日、無線の師匠の奥さんのホームページを偶然見つけて、この方にメールを打ってみました。奥さんを経由して私のメールが渡ったようで、数日して昔の師匠からメールを頂戴しました。

突然の思いがけない人からメールを頂き、びっくりするやら
懐かしい気持ちでいっぱいです。
頭の中で、一挙に30数年前にタイムトリップしてしまいました。

お元気でご活躍されている様子で何よりです。
杉本さん、いや あえて杉本くんとお呼びさせて頂きたい。
私の脳裏には、高校と大学時代の杉本君しかないのですから。

最近、私の家内が阪急武庫之荘駅の近くの医院に通ってまして、
車で送り迎えする度に、杉本君の実家はこのあたりだったかなあと、何気なく
思ってたところです。

昔の無線仲間は、誰一人として無線を続けておられないようです。
私自身の家も、一応無線機とアンテナこそ上がっているものの、
久しく無線機をさわったことがありません。というか使い方を忘れて
しまいました。

と言うのも、10年ほど前から携帯電話とパソコンの普及で、皆さん趣味の対象が
それに変わってしまったようです。
でも私だけは、無線機やアンテナを処分できず現在に至っております。
杉本君が何度となく来られた仕事場も、今だに机の上に無線機を置いてあり、
30年前と同じ状態で全く変わっておりません。

変わったのは私自身で、もう62歳になってしまったのですよ...
信じたくありませんが、単なる□□やの おっちゃんになってしまいました。ハハハ。

まあ、会社勤めではないから定年がありません。気楽に生きたいとこだが子供がまだ
大学生。まだまだ頑張らんとあかんなあーと言うのが今の心境です。
今度、機会があれば30数年間のブランクを埋めたいですね。


ということで久々にこの方とお会いしました。当時ほんとうにお世話になった方なので、ちゃんと手土産さげて出向いたのは言うまでもありません。

私はこの師匠にモールス電信の手ほどきを受けたのですが、こればっかりはどう考えても博物館入りしていますね。もちろん当時もSSBという音声通信が主流でした。しかし短波ですから、ピーピーガーガーという雑音が多く、おまけに「どうぞ」「了解」で繋いでいく片方向通信でした。

インターネットや携帯が普及した現在、短波通信は全く過去のものでしょう。師匠も無線機の使い方を忘れてしまったくらいですから。

師匠が昔のアルバムを引っ張り出して来られました。ぽっちゃりした子どもの顔の筆者が写っていました。昔を思い出して、師匠がこう言われたのが印象的でした。

「杉本君は当時高校生としては珍しくちゃんと敬語が使えて、年上の人ともものおじせずに話せた。その点は並みの高校生と全く違った」

なるほど、今日コーチングをやっていますが、そうした適性があったのですね。改めて合点がいきました。思い起こせば無線で数おおくのオジサンと話をしましたが、対人的なキャパの広さはそうして培われたのかもしれません。

全く過去のものとなってしまった無線の体験もこうして私の今日あるを支えているのだな、と感慨を新たにしています。

信用と誠
433



異業種交流会で、台湾人の事業家の講話を聴く機会がありました。中国系の人らしく、漢字をもじってこんなことを言っていました。

「信+者=儲」です。信じてもらえる者となってはじめて儲けが出るのです

「言+成=誠」です。成功する言葉は誠がある言葉なのです。


これはコーチングでもそのまま当てはまります。コーチングは信用や誠といった人格で臨むものです。

ところで「儲け」ですが、信用や誠に相応しい価格設定とはいかなるものでしょうか。

「おのれの欲せざること、人に施すことなかれ」

でいくと、私の場合、どうしてもコーチングの価格設定はリーゾナブルなものになります。

コーチング価格設定には、コーチ個人の経済感覚が反映されると思います。私はドケチです。出すものを出さないというのではない。生き金を使って、最大の費用対効果を生み出すべくお金を使います。結局自分なら払いたい金額を他人に課すことになります。

ですから私の料金は低めですし、クライアントさんからそういう指摘を受けることもよくあります。しかし、兼業でやっている現在、今はこの価格設定を続けようと思っています。

よく馬鹿高い価格設定をしている人がいます。価格設定はその人の自由だし、それにお金を払うのも自由ですが、私とは接点のない人です。

結局今風に言うと、コーチ・クライアントがWin-Winの関係であること、これが信用であり誠であるわけです。ぼったくり価格ではそうしたものと無縁でしょう。

コーチングの小冊子
432



関西のプロコーチの草分け、赤木さんの小冊子「オンリーワンプロコーチへの道」を取り寄せて読んでみました。

この方は私より一回り年下ですが、コーチングに関しては大先輩の正統派です。私は自己流でやりたいようにやっているので、いったいどのあたりがどう違うのか、とかねてから思っていました。

さて拙著と比較すれば、もちろん相違点はあるのですが、むしろ共通点が多い。相違点は先方は専業、こちらは兼業がスタンスとして異なりますが、これは本質的な違いではないと感じました。

結構似たような表現があちこちに散見されます。結局コーチとしての最大公約数は同じということなのでしょう。エキセントリックなつもりの自分も意外にまともだったんだな、と改めて安心しました。

ということで勇気百倍、今後とも迷わず自分が信じる方向に進むことにしましょう。

調子が良すぎないこと
431



コーチングでは現在無数のサイトがありますが、どうも極楽トンボで調子の良すぎる文面が多すぎるように思います。

私個人は調子の良すぎる文面のサイトにはあまり共感できません。

私なりの真贋の見分け方は、

「調子が良すぎない」

というポイントです。

だれでも順風満帆のときには支援はなくてもなんとでもなります。不遇の時期にこそ支援が要るのです。コーチング従事者の存在意義は、クライアントが不遇の時期に適切に支援できることです。

私個人は調子の良すぎる人に支えてもらおうとはまるで思いません。

したがってコーチ自身が積極心を磨くため、日々格闘していることが伝わってくるような文面を評価します。

下記は師匠のT先生のサイトの一部ですが、私はこれを読んでT先生に連絡を取ってみようと思いました:

メンタルヘルスの重要性

  いくら体が頑丈でも、神経の方が弱ってくると仕事どころではなくなってしまう。いま、ビジネス・パーソンを襲っている最も怖い病として、「うつ病」が挙げられる。実は、私もうつ病の経験者である。一時期、神経科に通って、それを克服した人間である。だから、うつ病の辛さ、怖さは人一倍わかっているつもりである。
 疲れがとれない、不眠状態である、気力が湧かない、物事に集中できない等の症状が2週間以上続いている場合、鬱状態になっている可能性を疑うべきだろう。この病気は誰でもなるものだ。「おれは楽観的だからそんな変な病気にはならない」と高を括っている人に限って、うつになったりしている。
 うつが怖いのは、それが自殺に直結するからである。命を自ら絶ってしまうのだ。そうなる前に、神経科や心療内科に飛び込んで、専門医に相談することだ。早ければ早いほど治癒も早期になる。うつ病が完全に定着してしまうと、完全に治癒するのに数年かかるケースもある。それも副作用の強い薬を服用し続けなければならないのだ。その間、仕事はできない、家族に迷惑をかけるだのろくなことはない。
 この不況期は、すなわちビジネスパーソンにとって、出口の見えないストレス漬けの日々が日常的になる。どんなに強い人間でも、仕事と家庭の両方で気が休まらない状況に置かれると、うつになる可能性を持っている。  鬱状態にならないように、日々自分自身をどうマネジメントしていくか、ビジネスパーソン自身のリスクマネジメントが必要になっている。


こんな文章は薄っぺらな人間力ではまず絶対に書けないのです。
450 問題意識
449 だからどうなの?
448 人が変わるのには承認が必要
447 95パーセントの承認と5パーセントの問題提起
446 人間は承認を食って生きている

*
445 話好きで世話好きな感じ
444 GROWモデル
443 コーチングの要約
442 ありのままの自分で「居直る」「開き直る」
441 オタクの趣味の延長

*
440 いのちの電話に非ず
439 人の心の機微を理解したサービス精神
438 ハイCP
437 いくら考えてもわからないこと
436 好きでやっている、ということ

*
435 二流でもいいから自分の芸風を確立する
434 無線の師匠
433 信用と誠
432 コーチングの小冊子
431 調子が良すぎないこと
*
430 まだ整理できていない
429 驚くばかりの多様性
428 こじれきった上下関係
427 普通の電話はもう古い
426 コミュニケーションを改善したい

*
425 意見の対立
424 アカウンタビリティ
423 新サイト
422 グランド・ピアノ
421 新ブログ

*
420 口内炎
419 成り行きまかせ
418 アマチュア無線
417 サクラサク
416 早めに真剣に定年後を

*
415 ほめない承認
414 その通り、失礼です^^
413 ムラ社会の価値観
412 どうあってもやりたいこと
411 遥かに民度が上がっている

*
410 コーチングは経済的豊かさの産物
409 プレ・コーチング
408 予想外に健闘
407 3周年
406 日本人のDNA

*
405 ビジネス・コーチングの極意
404 テレビカメラというメタ視点
403 承認が第1ステップ
402 社外の座標軸を
401 言葉の錬金術


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