サラリーマンは流されて生きるしかない?
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ある40代半ば方が体験コーチングに申し込んでこられました。文面からはクライアントになるようには思えなかったのですが、真摯な文面だったので、お相手することにしました。

その人は4年間、地方の営業所で所長をしていて、昨年本社へ戻ったということです。営業所長時代は成果も出せたし、自分がすべてを取り仕切ることができたので大変充実していたそうです。ところが本社での仕事は全く営業所時代と異なり、成果も出せないし存在感もない。そんな状態で他人の目を意識すると強烈なストレスを感じるそうです。

この人の何が悪いのでしょうか。私は何も悪くないと思います。40代半ばで仕事が全く変わってしまえば、戸惑うのは当然でしょう。こうした思いはどんなサラリーマンでも持っているはずで、極めてよくある話です。結局、サラリーマンである以上、組織の人事に流されて生きていかなければならないので、こうした思いは受け入れて耐え忍ぶしかない、ということになります。

このまま流されて生きていっても、会社を定年退職する時には何も残らないに違いありません。ではこの人はどうすればいいのでしょうか。私なら仕事以外のライフワークを持つことを勧めます。今日の状態に立ち至ったのは状況がライフワークに目覚めよ、というメッセージを発しているのではないでしょうか。

と言ってみたところ、ライフワークは持ちたいのだが、毎日残業が多く、帰宅は11時ころなのだそうです。う〜ん、ライフワークどころではないですね。しかし、このパターンは大半のサラリーマンに当てはまるのではないでしょうか。

では、どうするの?それはこの人が考えるしかないでしょう。一見出口がないように思えますが、意思あるところに道ありです。私がコーチングを始めた経緯は参考までにお伝えしました。

しかし、サラリーマンは特別な工夫をしないかぎり、流されて生きるしかないのだな、という実情を今回改めて痛感したしだいです。

頭から否定しない
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「どうしたらよいか迷っています」

相談はこういう言い方で持ちかけられるものですが、実はおおまかな方向は相手が既に決めている場合が多いものです。というか、自分の選択を他人に求めてくるようでは見込みなしですから、相談を受けたほうはむしろ歓迎するところなのです。

この場合、相談を受けたほうは、

「そりゃ、ダメだな」

と思っても、

「なるほど」

とまず肯定するしかないのです。否定したところで、

「いや、私はこう思います」

となって、決裂することは必定です。ですからポイントは、まず方向性は肯定する。そして、実際起こってくる問題を問いかけるのがいいのです。

「○○という問題が起こってきますが、これはどうするのですか」

というふうに。それで相手が揺らぐなら、

「もう少し練り直したほうがいいでしょうね」

と言っておく。相手が他人の場合なら介入できるのはここまででしょう。

相手が、身内ならこの時点で、

「率直に言わせてもらうが、まあ止めといたほうがええやろな」

と発言することになります。しかし、決して断定口調や禁止口調は使わない。相手が反発を招くだけだからです。

相談とはこうしたもので、これ以外のステップは踏みようがないのではないか、と考える次第です。いずれにしても頭から否定するというのではかえって逆効果になるのは明らかでしょう。

危うく難を逃れた
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火花をあげながら胴体着陸する全日空機(13日午前10時54分、高知空港で)

10日ほど前にコーチング・セミナーで高知に行ったのですが、このとき私もこのプロペラ機に乗っています。危うく難を逃れたということでしょう。大阪-高知はプロペラ機で1時間1本で運行していますから、運行停止を食らうと空港閉鎖になるのではと思います。

高知空港で全日空機が胴体着陸、乗客ら60人無事

 13日午前8時50分ごろ、大阪(伊丹)発高知行き全日空1603便(ボンバルディアDHC8―Q400型機、乗客56人、乗員4人)が、高知空港へ着陸しようとしたところ、3本ある車輪のうち前輪が出ないトラブルが起きた。

 同機は通常の着陸を断念し、上空を約2時間旋回した後、午前10時54分、後輪だけで着地、機体前部を滑走路(2500メートル)にこすりつけて胴体着陸した。

 乗客・乗員にけが人などはなかった。トラブルの原因は不明。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は、現地に事故調査官2人を派遣し調査に着手した。

国交省、同型機の運航停止指示…前輪の緊急点検も

 トラブルを起こしたボンバルディア社製DHC8―Q400型機は、全日空グループが13機(トラブル機を含む)、日本航空グループが9機を保有しているが、国土交通省は13日午後、全機について運航を停止し、前輪部分を緊急点検するよう指示する方針だ。

ガンガンガンと衝撃音…停止の瞬間、乗客から拍手

 13日午前11時前、前輪が出ないまま、乗客56人と乗員4人を乗せて高知空港への着陸に踏み切った全日空1603便。22年前の日航ジャンボ機墜落事故がよぎった人、名刺に走り書きをした人……。

 着陸に成功した瞬間、機内では拍手が上がり、乗客は笑顔を見せた。

 ◆旋回2時間、「万が一考え」名刺にメモ◆

 着陸を終えた全日空機の前方右側のドアが開いたのは、午前11時6分。乗客は、ドアから地面に次々と飛び降りた。

 乗客の会社員瀧原勇さん(58)(兵庫県尼崎市)は、「指示を受けて乗客は非常口のある前後に分かれ、私は後ろに座った。乗員から『前の座席に頭をくっつけて下さい。足を踏ん張ってください。ネクタイ等も外してください』と説明を受けた」と話し、「万が一のことを考え、自分の名刺に時系列をメモした」と振り返った。

 着陸の際、「ガン、ガン、ガンと3回、衝撃音があった。乗客から拍手が起き、『よかった』『助かった』と声が漏れた」という。

 乗客の会社員門前要佑さん(25)(京都市)は、知り合いを1985年の日航ジャンボ機事故で亡くしたというだけに、「急旋回は怖かった。一瞬、御巣鷹山の事故の様子が頭をよぎったが、無事着陸してほっとした」と語った。

 また、乗客からは、「機内では機長から『訓練を積んでいるので大丈夫』とアナウンスがあった。前につんのめる感じで、けっこう衝撃があった」「ソリに乗っている感じで、非常にスムーズな着陸だった」との声も出ていた。

(2007年3月13日付けYOMIURI ONLINE)

コーチングに合わない人
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私はクライアントを獲得するために体験セッションは無料で行なっています。もちろん体験セッションをやっても獲得できないことはあります。その多くは、アンコーチャブルとまでは言いませんが、要は相手がコーチングが合う状態ではないからです。

とはいえ、どの人の相手をしてもそれなりに学ぶことがあり、経験は積めます。だから単に私と接点がないといって体験セッション依頼を辞退するのは、忸怩たる思いがついて回ります。辞退すれば、見知らぬその相手との関係はおそらくそれで終わってしまうと思います。これは縁あってお声がけいただいたのにまことに残念なことです。

それで、以前はだれかれとなく依頼してくる人全員の相手をしていました。しかしクライアントになっていただきようがない人は、かなり正確に文面から判断できるものです。こりゃ無理だな、と思った人は案の定無理だった、これは何度となく繰り返して来ました。

正直なところ、コーチングが合う状態ではない人はやっぱりお相手したいとは思いません。ですから、今は依頼してくる文面から相手をする、しないを選別しています。これは、私の直感で判断しています。

どんな人がコーチングに合わないのか?たとえば先日連絡を取ってきた方の事例です。

迷った末退職を決意したそうで、現在は退職届けも出して有給休暇の消化中とのことです。しかし挫折して辞めるので成功体験がないため、これでよかったのかと思うそうです。だから他人から自分の選択はこれでよかったと背中を押してもらいたい、そして自分の将来の不安について一緒に考えて欲しいと書かれていました。

気持ちはわからなくはないです。しかし、これでは私はなんでもかんでも承認するしか道はないでしょう。つまりどうコーチングするかの自由がないわけです。それに現在休職中で、まだはっきりと決まったわけではない未来の問題を聞いて欲しいというのも?です。

申し訳ないが、私はこの人の相手をするのは気が進みません。たいそう迷ったのですが、自分の直感にしたがってこのご依頼は辞退しました。おそらく、コーチングのクライアントとしては難しいと思います。○○したい、という志が見えて来ないからです。

結局、志のはっきりしている人がコーチングに向くし、クライアントにもなっていただけるのだ、と言うしかないと思います。

マッサージ1回分
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ビジネスホテルなんかでマッサージを1回頼むと40分で5000円くらいです。コーチングの料金設定としては非常に参考になる価格ではないでしょうか。だいたい1分100円くらいでわかりやすい。

コーチ志望のクライアントさんと話をしていると、よく自分みたいなレベルでお金を取ってよいものか?と言われることがあります。マッサージ1回5000円ですから、自分のコーチング1セッションがマッサージ1回分の価値がある、と思えれば堂々と頂戴すればいいのではないかと思います。

ちなみに私自身は自分のコーチングは十分マッサージ1回分の価値はあると思っていますので、1回5000円は遠慮なく頂戴することにしています。しかし、これ以上の価格では自分が受けようと思わないので、今のところ値上げをすることにはさして興味がないのです。

ただし、5000円を切る価格でやってくれというのも納得はいかないので、断固辞退します。とはいうものの従来5000円でやってきたクライアントさんが、突然失職されたときはこちらから申し出て、再就職されるまで料金を半額にしたことはありました。

もちろん経営者相手に経営の相談に応じるのであれば、価格設定は1.5倍にしています。それは相談内容が消費ではなく投資の性格があるからそのような価格設定にしているわけです。

私は個人的には、馬鹿高いコーチングに価値を認めることができません。おおかた値段の割りには全然大したことないんだろうと思っています。さらに言えば馬鹿高い価格設定をしている輩に全く引けをとらないと言った自負も十分にあります。

要は私の金銭感覚が貧乏くさいだけなのかもしれません。しかし、リーゾナブルな料金にはこだわりたいのです。それがマッサージの価格だというわけです。
700 人前で話すコツ
699 あまり目標達成のみにこだわるのも善し悪しだ
698 ビジネス・コーチングはカスタマイズ
697 自分の精神の防御が第一
696 女性の誘い方

*
695 サラリーマンは流されて生きるしかない?
694 頭から否定しない
693 危うく難を逃れた
692 コーチングに合わない人
691 マッサージ1回分
*
690 もう謝るな!
689 コーチング研修
688 問題意識が感じられないとき
687 とっとと答を渡す
686 高知市に出張

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685 コーチング臭いコーチング
684 体調いかんにかかわらず
683 デジタル・デバイド
682 ファンレター
681 病との付き合い方

*
680 保健師向けコーチング・セミナー
679 片道6時間、日帰り出張の限界
678 オッサン笑い
677 カルマを背負ってお気の毒、と考えよう
676 「青臭さ」が必要

*
675 コントローラー
674 大言壮語
673 実情は仕切り直し、出直し
672 Wikipediaのコーチングの解説
671 一緒に考えましょう

*
670 軽く、明るく、前向きに
669 それをコーチングで引き出してもらえると思ってました
668 執事という考え方
667 おせっかい
666 そんなに忙しくないコーチ業

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665 おかしいぞコーチング学習者
664 事業を従業員に解説する
663 睡眠不足
662 何かを取ったら何を捨てなくてはならない
661 コーチング1回15分

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660 質問の呼び水
659 人当たりの丸さ
658 「気持ちはわかる」「無理もない」
657 自分のブランドを築く
656 自己承認を磨く

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655 過去を封印する
654 自分の人生何だったのか、という視点
653 コーチングに価値を見出さない世代
652 皿を食ったらウサギになる
651 指導口調


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