人前で話すコツ
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私は研修や講演など、人前でしゃべる機会はあるほうだと思います。それ以外に会社の朝礼で話したり、式典で挨拶したり、ということはたまにあります。またこれまでも人前でしゃべる機会はあったほうだと思っています。大学時代はESSで毎日の活動の司会を英語でやっていましたし、英語でスピーチをした経験も多いほうです。

そうしたなかで、何度かあがって頭の中が真っ白になる、という経験を繰り返しながら、なんとか今日まで来ました。

さてクライアントさんから「人前で話すコツは?」とたまに尋ねられることがあります。いろいろ失敗もしてきた立場から言わせてもらえば、コツは「インタラクティブ」、つまり聴衆相手に語りかけて、レスポンスを得ることに尽きると考えます。

たとえば、レクチャーをするにしても、まず冒頭こう言ってみるのです。

「みなさん、聴こえますか、マイク大丈夫ですか」

このひと言でペースがつかめるのです。そしてレクチャーの途中では、

「これはどうですか、みなさん」

と言って聴衆の反応をうかがうのがオススメです。

レクチャーではなくて一方的な挨拶の場合もコツは同じです。原稿をがっちり覚えてきて、それをそのままアウトプットしても自然な感じはなく、訴求力はありません。それよりも聴衆のなかで誰かひとりを決めて、その人に語りかけるように話すとうまく行きやすい感じです。

結局、人前で話すのも双方向のコミュニケーションとして対処するのが秘訣なんだろうと思っています。

あまり目標達成のみにこだわるのも善し悪しだ
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某メルマガに下記のように書いてありました。

コーチングの目的は「目標達成を促進させること」です。
目標を持つ本人がいて、コーチの役割は、
その人の目標達成を促進させることです。


なるほど、コーチングという手法のみを純粋抽出すればそうも言えるのでしょうが、コーチングが単独で成立するのは、職場ぐらいのものでしょう。職場でさえ、部下の気持ちの整理に付き合うことを結構求められるものです。

私を含めて、私が接した数多くの人は、目標達成だけのパーソナル・コーチングはストレスフルだと感じています。そして目標達成だけのパーソナル・コーチングは勘弁して欲しい、と言います。その理由は、目標達成を喧伝する向きはよく気持ちの整理を置き去りにするからです。

コーチングは通常単独で存在できません。多くの場合、気持ちの整理にお付き合いすること(カウンセリング)、具体的に提案すること(コンサルティング)と併用して始めて効果を発揮することが大半なのです。だからパーソナル・コーチングと世間で言われているものは、実際はカウンセリングやコンサルティングが混在した複合体です。

コーチングが通常単独で存在し得ない以上、コーチングの目的は、という話は蒸留水を論じているに過ぎないわけです。個人的にはあまり目標達成のみにこだわるのも善し悪しだ、と思っています。

よりよく生きていくために気持ちの整理を付けつつ、一方で目標達成をめざすバランスの取れたアプローチが必要なのです。究極の大目標はともかく、目先の小目標は刻々見直す必要もあります。ですから、「コーチングの目的は目標達成を促進させること」という定義で目標達成にこだわるのはいまいちピンとこないのです。

目標達成といったところで人生の一部です。目指すのはコミュニケーションを取ることによって自他のリソースを最大限に生かして、自他共に幸せに生きることです。コーチングは幸せに生きるためのツールであって、ストレスフルであっては意味がないわけです。

ビジネス・コーチングはカスタマイズ
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「答えはあなたのなかにある」

この言葉はコーチングにあっては金科玉条とされます。しかし、よく誤解されます。「答えはあなたのなかにある」の意とするところはビジネス・コーチングとパーソナル・コーチングでは全く異なることは知っておくべきでしょう。

たとえば、企業にあって従業員がどう行動すべきかの答えは、従業員が作り出すのではありません。会社の方針は会社の上層部が出すのです。従業員は企業に所属する限り、会社の方針から外れることは許されません。この意味では答えは従業員のなかにはありません。

しかし、従業員一人一人に与えられる仕事はそれぞれ異なるし、従業員一人一人の能力もまちまちです。仕事への取り組み方は従業員一人一人に対して最適な状態にカスタマイズされる必要があります。

どうカスタマイズすべきかは従業員一人一人に合わせるべきなのです。「答えはあなたのなかにある」というのはこのカスタマイズのことを言っているのです。

ある人が部下のパートさんをコーチングして、

「あなたはどうすればいいと思いますか」

と問うたところ、そのパートさんが、

「この仕事は自分に合わないので、変わろうと思っている」

と答えたとします。ビジネス・コーチングは会社に所属することが前提ですから、この発言が出れば、ビジネス・コーチングは成立しません。だからこうした発言はビジネスコーチングでは許されません。この話の続きは会社を出てやってもらうしかありません。そしてこれはパーソナル・コーチングになります。

「この仕事に取り組むのに、あなたの場合どこから着手したらいいと思いますか」

というふうに、ビジネス・コーチングの場合は必ず仕事のやり方をカスタマイズする質問でなければならないわけです。

自分の精神の防御が第一
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あるクライアントさんですが、今の会社を辞められるそうです。ひと月前なのでそれを明らかにしたところ、何人もの人から、

「何でだ」
「今後どうするんだ」
「たいへんだな」
「甘くはないぞ」

と言われたのだそうです。全員にいちいち真摯に対応していると本当に落ち込んでしまったとのことです。

どの人も悲しげで、心配そうで、それが会う人会う人全員がその調子で声をかけてくるのですから、無理もないでしょう。しかし、クライアントさんは律儀な方で、他人には思いやりを持って接しなければならない、という信念を持っておられるからなおさらです。

どこかで読んだのですが、実験で何も知らない被験者に、会った人全員が、

「顔色悪いな」
「元気ないな」
「熱でもあるのか」
「大丈夫か」

と次々と声をかけていったところ、被験者が本当に病気になってしまった、という話がありました。クライアントさんの状況はこれに似ています。

私は申し上げました。

「葬儀でお悔やみを言われたほうは黙って頭を下げるだけじゃないですか。お悔やみを言われたほうが言ったほうにいちいち思いやりを持って接するなんて、誰もそこまで期待してませんよ」

「まず自分のケアが第一でしょう。自分のケアが危ういのに他人のケアは必要ないんじゃないですか」

「自分の精神が崩壊したら何にもならないから、まず悪い波動から自分自身を防御するのが第一ではないでしょうか」

クライアントさんも同意されて、退職日までとにかく受け答えの言葉数を減らして、自分の精神の防御に努めよう、ということになりました。思いやりもTPOによっては仇になるという一例でしょうね。

女性の誘い方



若い女性がよく、

「デートに誘われて困っている」

という打ち明け話をするものだそうですが、困っていると言いつつ10人が10人とも目が輝いてうれしそうなのだそうです。女性とはそういうものだ、というのをどこかで読んだことがあります。

独身時代の私が何度か使った手をご紹介しましょう。アタックしたい女性がいたとします。周囲に人がいて、しかもその周囲の人が特に聞き耳を立てていない状態で、すたすたと歩み寄り、相手の目をきちんと見てこう言うのです。

「あのう、○○さんはどなたか付き合ってられる方いますか」

私はここで「はい」と言われた経験がありません。もし「はい」といわれたら、

「あ〜、残念です」と笑ってやり過ごせばいいのです。ふつう、

「いいえ」

と言うので、

「じゃ、今度お暇なときにお誘いしたいのだけれど、構いませんか」

と畳み掛ける。まず例外なく、

「はい」

という答が返ってきます。すかさず、

「では電話番号をうかがっときたいのですが、構いませんか」

と電話番号を聞き出すのです。そしてとりあえずその場は離れる。後は綿密にデートを計画したのち、ゆっくり電話をかけて、デートに誘い出します。個人的にはこのやり方で誘い出すところまでは成功率100パーセントでした。「周囲に人がいて、しかもその周囲の人が特に聞き耳を立てていない状態」というのがポイントです。この状態では女性は変な警戒感を持たないからです。

「誘い出すところまでは」というのは、当時私は我が強すぎて、女心がわかっているとはいえなかったので、後が続かなかったというわけです。当時は真面目にして鼻息の荒いだけの野暮天でしたから。

これをコーチングで独身のクライアントさんにお話したところ、

「なるほど。もっと早く聞いておきたかった」

と言われました。ま、勝負はこれからです。焦ることはありません。しかし、こうして自分の体験を他人にお分けできるのは、過去の苦労が報われる感じで、私としてもうれしいですね^^
700 人前で話すコツ
699 あまり目標達成のみにこだわるのも善し悪しだ
698 ビジネス・コーチングはカスタマイズ
697 自分の精神の防御が第一
696 女性の誘い方
*
695 サラリーマンは流されて生きるしかない?
694 頭から否定しない
693 危うく難を逃れた
692 コーチングに合わない人
691 マッサージ1回分

*
690 もう謝るな!
689 コーチング研修
688 問題意識が感じられないとき
687 とっとと答を渡す
686 高知市に出張

*
685 コーチング臭いコーチング
684 体調いかんにかかわらず
683 デジタル・デバイド
682 ファンレター
681 病との付き合い方

*
680 保健師向けコーチング・セミナー
679 片道6時間、日帰り出張の限界
678 オッサン笑い
677 カルマを背負ってお気の毒、と考えよう
676 「青臭さ」が必要

*
675 コントローラー
674 大言壮語
673 実情は仕切り直し、出直し
672 Wikipediaのコーチングの解説
671 一緒に考えましょう

*
670 軽く、明るく、前向きに
669 それをコーチングで引き出してもらえると思ってました
668 執事という考え方
667 おせっかい
666 そんなに忙しくないコーチ業

*
665 おかしいぞコーチング学習者
664 事業を従業員に解説する
663 睡眠不足
662 何かを取ったら何を捨てなくてはならない
661 コーチング1回15分

*
660 質問の呼び水
659 人当たりの丸さ
658 「気持ちはわかる」「無理もない」
657 自分のブランドを築く
656 自己承認を磨く

*
655 過去を封印する
654 自分の人生何だったのか、という視点
653 コーチングに価値を見出さない世代
652 皿を食ったらウサギになる
651 指導口調


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