心の法則の誤解
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「心の法則」というのがあります。

「想うことは必ず現れる」、この法則を下手に理解すると、かえって自分自身を傷つけ、痛めてしまいます。何か失敗しても、そうした失敗は自分が無意識に呼び寄せたのだ、と考えてしまうわけです。クライアントさんからたまにこうした心の法則の誤解を聴かされることがあります。

私も以前はこの「心の法則」の理解で大変苦労したものです。想ったことは必ず現れるのであれば、ちょっと不安になったりしても、必ず恐れる事態が起こるに違いない、といよいよ恐怖感を募らせる結果となってしまいます。

ポイントは「失敗」の理解のしかたです。失敗は潜在意識が呼び寄せたものと考えないことです。

人間は失敗することによって成長します。これは例外がないでしょう。だから失敗を重ねることによって、いずれはその目標よりも大きく成長します。その結果、目標を成果として受け取るだけの資格ができるわけです。

つまり、成功を受け取る資格ができた時点で、その人は成功する、ということなのです。

つまり、失敗は恐れるべきものではなく、自分が成長するためのステップとして必要である、ということになります。

だれでも好んで失敗したい、好んで回り道したい、とは思いません。しかし、失敗しなければ成功するレベルに達しないというのなら、失敗するしかありません。

とすれば、失敗しても平気で挑戦を続けることができる不屈の精神が必要だということです。失意のなかで泰然としていることができることが、将来成功を受け取るための条件である、と言えます。

失敗は忌み嫌うべきものではなく、成功のためのステップである、と考えることが何よりも大切だと思います。チャレンジは失敗なしにはできない、逆に失敗するからチャレンジする価値があるのではないでしょうか。

チャレンジを続ける人は時に失敗するのが当たり前なのです。私自身も自分にそう言い聞かせて頑張っています。

夢は他言しない
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よく夢を他言する人がいます。

講演でとうとうと自分の夢をまくしたてる人、ブログにでかでかと書く人、いずれもよほど自信があるのだと思います。夢を大言壮語する、それはそれでその人の自由で、私がとやかく言う筋合いは全くありませんが、私個人は「夢を他人に語る」というのには極めて慎重です。

大体「夢」というほどですから、大変困難が予想されるはずです。だからチャレンジに値するわけです。当然、順調には進行しない。大言壮語していたら、揶揄されることもあるだろうし、

「やっぱり、無理なんじゃないですか」

などと言われることもありうる。それはただでさえ苦しい状況に追い討ちをかけるでしょう。しかし、大言壮語したのなら自業自得です。自らが他人に自分の心のなかを蹂躙することを許した結果だからです。私は、

「あれをしようと思っている」

とは人前で断じてしゃべりません。もちろんブログに書いたりもしません。そんなエネルギーを使うくらいなら即行動すればいいのです。

ただ私という人間をよく理解し、夢の実現に理解ある人には、自分の夢をしゃべらないこともありません。

過日セッションの終了間際のことです。クライアントさんの夢に付き合った勢いにまかせて自分の夢をちらりとしゃべったところ、意外にも揶揄の言葉が返ってきました。その方は「私という人間をよく理解し、夢の実現に理解ある人」なのですが、やっぱりコーチとして私に接するわけではなく、クライアントとして私に接するからそういうことになるわけです。

コーチングの料金を取っているわけですから、何を言われようと当然ですが、こうしたちょっとしたことからも、「夢を他言するのは慎重に」という想いを強くします。揶揄されては、それを打ち消すのに余計な精神的エネルギーが必要なのです。

まともな人だけ相手にする
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サイトから連絡取ってきた人と、体験セッションをする場合、私が冒頭に尋ねるのは2つです。

@今日は何をお手伝いすればいいですか

A何がどうなったらいいのですか


この2つが明快に答えられない人はまともではないと思います。だから相手にせず早々に切り上げます。風邪で欠勤するときに、親が電話をかけてくる若者がたまにいます。そういうのは例外なくダメです。相手にしてもその甲斐がありません。この2つがはっきり答えられないのなら、程度は同じです。

しかし、逆にこの2つが明快に答えられるなら、癒しの傾聴は喜んでやります。傾聴すればきちんと行き先はあるからです。

先日クライアントさんから、

「コーチングを始めたときは本当に辛かったのですが、コーチングのお陰で医者の厄介にならずに乗り切れました」

と感謝されたことがあります。その方がそこまで追い詰められていたとは分かりませんでしたから、自分が意外なほど癒しに貢献していたのに驚きました。だから、私が別に癒しのクライアントを切り捨てているわけではないと思います。

体験コーチングをやるときはまともな人だけ相手にする、これでないとやってられないです。私の言い草がけしからんと思われる方は、一度わけのわからん人の相手をしてみられるといいでしょう。砂漠に種まきをするような絶望的な思いに駆られること必定です。

逆境に勝る師なし

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異業種交流会でアーバンベネフィットという企業再生の会社をやっておられる木村勝男氏の講演会がありました。

若い頃徒手空拳で大阪に出てきて、土建屋 → 不動産業で大成功したが、バブルの崩壊で一切を失い、すべてを15年間で清算して、今は企業再生の会社で大成功しておられる、という話をうかがいました。私より20歳ほど年上なのですが、全くこの人のパワーは桁外れです。

著書が『逆境に勝る師なし』ですが、こちらの方はあまり売れている感じはありません。しかし、このタイトルは実にいい。自分の過去を振り返っても、逆境を乗り越えるなかで、想像もしなかったブレークスルーをしていますので、それを改めて思い出させていただきました。

一度名刺交換をしたことがありますが、そのときはとてもこんな凄い人とは思いませんでした。話は何よりも生命力がみなぎっていて、神々しいのです。上には上があるものです。

ただこの人のすべてが自分に参考になるとは思えません。私には私の置かれた境遇と、私にしかない持ち味もあり、そうしたリソースを生かすしかないのです。ただこの神々しさは目標です。

私自身もふだんコーチングの講演をさせていただいてますが、自分の講演スタイルを見直す意味でも良い刺激をいただけました。

癒しの傾聴はやらない
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私はネットのみでコーチングの営業をやっています。

サイトから連絡取ってきた人と、コーチングになるかどうか、まず文面を見れば見当はつきますが、それでも話してみなくてはわからない、という人はいますので、ダメもと覚悟で体験セッションをすることは結構あります。

私が冒頭に尋ねるのは2つです。

@今日は何をお手伝いすればいいですか

A何がどうなったらいいのですか


この2つが明快に答えられない人はコーチングは無理です。たとえばコーチングと命の電話を取り違えているような人の場合、まずAは絶対といっていいほど答えることができません。そんな人はそれ以上相手をしても不毛です。

先日連絡を取ってきた人は、@の問いにも満足に答えられませんでした。

「コーチングは初めてなんですが、どう話したらいいですか」

「今日は何をお手伝いすればいいのですか」

「どうしたらいいかわからないのです」

「何をどうされたいのですか」

「どうしたいかがわからないとコーチングできないのですか」

「そうです」

「もっといろいろ引き出してもらえるものと思ってました」

「だからこうして聞いているのですよ。あなたがどうされたいのか、私にわかりっこないし、私が決めるわけにもいかないでしょう?」

「・・・・・・」

早々とセッションを切り上げたのは言うまでもありません。こんなのは「癒しの傾聴」を期待していたのにあてが外れた典型的なパターンです。

私は「何がどうなったらいいかわからない」程度の人の癒しに付き合おうとは思いません。人に話を聴いてもらおうと言うのなら、「何をどうしたい」くらいは自分であらかじめ整理して臨むべきです。そうした覚悟や能力がないなら、私とは無縁の人です。

冷たいかもしれませんが、私個人は行き先のない「癒しの傾聴」は全くやる気がありません。「癒しの傾聴」はどんな話題を持ち込んでも、えり好みしないで聞いてくれる命の電話が適当だと思います。そちらに電話すべきです。
850 スキルではなく意欲に働きかけるのがコーチング
849 まず相手の現状を肯定しよう
848 受身の練習
847 承認の共鳴
846 記憶力の減退

*
845 子供が泣いて連絡が取れない?
844 方便をでっちあげる
843 聴衆1000名
842 心臓を鍛える
841 とりあえず承認しておこう

*
840 コーチングも選択肢のひとつ
839 役回り
838 加点主義・原点主義が人生の分かれ道
837 関係改善のやり方はある
836 意欲があるかないか

*
835 ライフワークはわからなければぜいたく品
834 まず、変な人に辞めてもらう
833 説得がうまい人
832 国会討論というけれど
831 絶対相手を承認してはいけないコミュニケーション

*
830 真我の発動
829 不親切なようでも
828 批判せずに相談しよう
827 単純化
826 存在感の出し方

*
825 チャレンジを続けるところに自己承認はある
824 指摘と批判は紙一重
823 加点主義とあげまん
822 自分をゆるす
821 他人をゆるす

*
820 承認は元気の源泉
819 少子化社会は意識的なコミュニケーションが不可欠
818 コミュニケーションでケアしなければならない時代
817 いかにオープン・クェスチョンに慣れてもらうか
816 バランス・シート経営

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815 氷室の日(7月1日)
814 日常の繰り返しを破る
813 凪
812 「いざとなったら」、このポイントを押さえよう
811 苦手な歯科

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810 心の法則の誤解
809 夢は他言しない
808 まともな人だけ相手にする
807 逆境に勝る師なし
806 癒しの傾聴はやらない
*
805 武豊町
804 自己実現の陥穽
803 承認は自我を育てる
802 人間相手は加点主義しかありえない
801 外的コントロールは減点主義だから古い


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