子供が泣いて連絡が取れない?
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ある女性が体験コーチングに申し込んで来られました。

21:00〜22:00はどうですか、と書いたら、

子供が寝ないから21:30でと書いて来ました。そんな中途半端な時間では22:00からのセッションにかぶってしまいます。やむを得ず、

「23:00からならお相手します」

と書き送り、23:00からセッションが始まったのです。

5分もしないうちに、先方は子供が泣き出したと言って中座、暫くすると戻って来て、再開したものの、また子供が泣き出しました。

今日は無理だ、というので打ち切ったところ、後でメールが来て、

「翌々日の朝6:00からお願いしたい」

とメールが来ました。朝6:00なら子供も寝ているから、というわけです。OKし、朝6:00から待っていたところ、なしのつぶて。

7:00になってスカイプのチャットから、

「朝から子供が泣いて連絡が取れなかった」

と言って来られました。

大変なのはわかります。でもこちらも憮然です。昨晩遅かったので、やっとこさ起きたのです。それをすっぽかされては、いくらなんでもたまりません。

ま、長いことやってるとそんな日もあるわけです。

方便をでっちあげる
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クライアントのKさんは外資系大企業にお勤めです。日本は出先の位置づけで、Kさんのレポートしている上司は米国人です。Kさんの仕事としては、日本の実情を上司に知らしめる、そして日本の出先の存在意義をわかってもらう、これが何よりも大切なんだそうです。それを怠ると、まったく実情を理解しない、理不尽な組織改変を言ってくるとのことです。米国人は原則でこうと決めたら、変えずに押し通す白痴的なところがあるのです。

Kさんが言うには、米国には日本の微妙な現場の実情がなかなか伝わりにくいとのことです。これに対して中国人と米人は相性がいい。中国風のロジックはとても実情を反映していない。しかし、単純でわかりやすい。それが米国人の受けが良いそうです。

ははん、と思うのは例の米下院の慰安婦決議です。慰安婦はけしからん、はわかりやすい論理です。しかし、性奴隷の慰安婦など事実上存在しなかった、というのはわかりにくい論理で、こういうのはいかに正しくてもかき消されてしまうのです。構造は同じです。

最近で言うと、安倍総理は選挙で負けたから辞任すべきだ、はわかりやすい論理。政治的空白をつくるのは弊害が多いので、何とか続投すべきだ、というのは正論でもわかりにくい論理なのです。

わかりやすいが間違ってる論理と渡り合うには正論を言うより、方便をでっち上げるほうが正解です。上記の例だと、

「安倍総理が辞任するのは正しい。しかし、こういった緊急課題があるから、まずそれをこなすべきだ」

といった攻め方をするわけです。

海外ではわかり易さが何よりも優先されるのです。いかに主張をわかりやすくするかがポイントです。方便をでっちあげるのは外人上司とやっていくための知恵でしょう。英語で言えば、

Let's put it this way.  (こんなふうに言ってみよう)

という感じです。

聴衆1000名
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昼休みに撮影したもの。本番は2階席まで埋まりました

東京に講演に行きました。今回は東京都の国公立の中学校の擁護教諭(保健室の先生)の集合研修があり、講師3名のうちのひとりに選んでいただいたのです。講演テーマは「子供と一体感をめざすコーチング・スキル」でした。場所は中野ゼロホールというホールで、受講者は1000名でした。

聴衆1000名の前でホールで話をするのは生まれて初めての経験でした。十分準備をして臨んだのですが、実際やってみると、ずいぶん勝手が違い、とまどう結果となりました。

1000名の聴衆を前にして、あがるということは全くありませんでした。ただ舞台の照明が想像以上にまぶしく、聴衆の座席は暗く、聴衆の顔がよく見えないのです。もともと私は近視で、眼鏡かけてもあまりよくみえるほうではありません。その結果、聴衆とのラポールを築くのに苦労する結果となりました。

普通の会議室と比べて、ホールはこのあたり明らかに勝手が違います。普通の会議室なら、受講者の反応、とくに表情の変化を敏感に感じながらインタラクティブに話を畳みかけていくのですが、ホールではある程度垂れ流しになります。

したがって、一応そつなく終わりましたが、受講者に十分訴えかけるような話をできたか、というとNOです。従来会議室でやってきたセミナーでは、聴衆の反応が自分の話の説得力にずいぶん貢献していたのだな、というのを痛感する結果になりました。

現状の私の実力では、聴衆が増えるほど話の説得力が低下する、という結果になりそうです。聴衆がいかに多くても少人数と同じ説得力を確保すること、これが今後の課題です。

今回の出来は60点です。ただし、レジュメはがっちりと作って、最後のまとめだけは十分にやりました。体操競技で言えば、全体的にイマイチな演技の連続だったが、着地だけは何とか決めた、という感じです。

ホールで話をするのは、今回生まれて初めてでしたので、いい経験でした。誰だって、はじめからうまく出来るわけではないでしょう。もし、次回ホールで講演する機会があったら、今回を反省材料に、もっと自分で納得できるトークを実現したい、と思っています。

心臓を鍛える
842



クライアントのS氏は将来コンサルタントとして独立する計画をお持ちです。しかし現在はまだとある大企業にお勤めです。

私がオススメしたのは、独立前から名刺をつくって、異業種交流会の会員になることでした。そして勉強会に来ている社長さんたちと交流するわけです。これは私の師匠が私に教えてくれたやり方でもあります。

私は3年半ほど前、クライアントがわずか3名くらいの状態で、異業種交流会に参加したのです。はじめは名刺は交換するものの、ひやひやながらやっておりました。しかし、現在はもちろん全く慣れてしまいました。

異業種交流会に顔を出し始めたSさんは、

「馬脚を現さないか、冷汗ものですよ」

とおっしゃいます。しかし、独立するならこれはいずれ通らなければならない道なのです。コーチングでもそうですが、はじめてクライアントを取るときは、

「あなたが生まれて初めてのクライアントです」

などと言うわけにはいきません。何名もクライアントがいるような顔をしている必要があるのです。これはどんな商売でも一緒でしょう。そのためには、はったりも要るのです。

まず名刺をつくってそれらしく振舞うこと、そしてターゲットとする人々と交わること、これがポイントです。こちらの仕事の状況を聞かれたら、

「まだ大したことないんですよ」

といっておけば、まず根掘り葉掘り追求されることはありません。みんな自分の仕事で手一杯なのです。

こう言っては何ですが、名刺をまいて心臓鍛えてる人の方が成功の確率は高いと思います。起業とはこうしたメンタリティが絶対に必要でしょう。

とりあえず承認しておこう
841



私は趣味のサイトを持っています。このサイトは現在「オーディオ」で検索するとGoogleで3位です。とはいえ、私はマニアとしては端くれの部類で、あまり内容の伴ったサイトではありません。

過日、見ず知らずの人からこんなメールを頂戴しました。

HP拝見しました。

友人と共同でこのような優秀録音LP 紹介コーナーを建てています。

私はLP再生がメインです。
貴方のHPに「LPのブチブチ音は音楽の静寂美と相反する」とありますが
よく、LPはノイズあるからだめという意見は耳にしますが、これに多くのアナログマニアは当惑します。なぜなら再生装置とLPの手入れが良ければノイズが気になると言う事はないからです。ドルビーが発明される前のアナログ録音はノイズ多いしCDも経年変化でノイズはでます。正直、貴方のレコードプレーヤーではLP再生音の真価は全く出ません。

○○ ○○


失礼なメールですが、返事は返しました。

○○ ○○さま、
メールありがとうございます。
素晴らしいホームページですね。

私のLPプレーヤーではダメとの仰せですが、
世の中にはいろいろな価値観はあります。
趣味の世界ですから、お互いの価値観をとやかくいうのは
遠慮させていただきます。

杉本


せっかくお便りをくれたのにナシのつぶてではよろしくないかな、と思ったのでとりあえず返事は返したしだいです。

彼は何のためにメールを書いてきたのだろうか、と考えてみると、おそらくは私の、

素晴らしいホームページですね

という承認の言葉が欲しかったのでしょう。無礼な文面から「承認して欲しい」という叫びのような想いが伝わって来るではありませんか。承認欲求がすべての動機という点は人間みな同じです。だったら、彼も私を承認するようなことを何かひとこと書くべきだったでしょう。批判するだけでは、承認は返ってきません。そこの道理がわかっていない様子で、メールの書き方を知らないとしか言いようがないです。

しかし、こちらが相手のレベルまで降りて行って、相手を批判したりしたら、両方ともいやな思いをして傷つくだけで、不毛です。とりあえず承認しておくにかぎるのです。袖触れ合うも他生の縁、気持ちよくやり過ごすに越したことはありません。
850 スキルではなく意欲に働きかけるのがコーチング
849 まず相手の現状を肯定しよう
848 受身の練習
847 承認の共鳴
846 記憶力の減退

*
845 子供が泣いて連絡が取れない?
844 方便をでっちあげる
843 聴衆1000名
842 心臓を鍛える
841 とりあえず承認しておこう
*
840 コーチングも選択肢のひとつ
839 役回り
838 加点主義・原点主義が人生の分かれ道
837 関係改善のやり方はある
836 意欲があるかないか

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835 ライフワークはわからなければぜいたく品
834 まず、変な人に辞めてもらう
833 説得がうまい人
832 国会討論というけれど
831 絶対相手を承認してはいけないコミュニケーション

*
830 真我の発動
829 不親切なようでも
828 批判せずに相談しよう
827 単純化
826 存在感の出し方

*
825 チャレンジを続けるところに自己承認はある
824 指摘と批判は紙一重
823 加点主義とあげまん
822 自分をゆるす
821 他人をゆるす

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820 承認は元気の源泉
819 少子化社会は意識的なコミュニケーションが不可欠
818 コミュニケーションでケアしなければならない時代
817 いかにオープン・クェスチョンに慣れてもらうか
816 バランス・シート経営

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815 氷室の日(7月1日)
814 日常の繰り返しを破る
813 凪
812 「いざとなったら」、このポイントを押さえよう
811 苦手な歯科

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810 心の法則の誤解
809 夢は他言しない
808 まともな人だけ相手にする
807 逆境に勝る師なし
806 癒しの傾聴はやらない

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805 武豊町
804 自己実現の陥穽
803 承認は自我を育てる
802 人間相手は加点主義しかありえない
801 外的コントロールは減点主義だから古い


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