ET
140



本稿、映画のタイトルのようですが、さにあらず。Experience Talk(体験談)のイニシャルなんだそうです。

私のホームページも体験談から入っていますね。体験談こそ最も他人を引きつける内容です。米国流スピーチも通常体験談からはいります。つまり帰納法。演繹法は日本の政治家の一般的な演説で、人を引き込む力は落ちます。

さて昨日はコーチ21の補講で、このETのクラスの最終回でした。「CTPの成果」というテーマで800字程度の作文をしてそれを読上げる、というものです。

コーチングの成果なら、いろいろ言うことはありますが、「CTPの成果」だとあまり素直になれないのです。まる2年受講しましたが、後半1年のクラスの多くが「消化試合」だったからです。辟易せざるを得ないようなクラスもずいぶんありました。CTPは昨日ですべて修了しました。

で、私の作文は下記でした。案の定、読上げたら少々顰蹙ものでした。

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私はコーチングの成果とCTPの成果とを分けて考えています。コーチングの成果は多いです。が、CTPの成果は、と問われると、正直なところあまり思い当たりません。

敢えて言えばCTPの成果は「CTPを離れることができたこと」だと思います。能で「守・破・離」という言葉があります。すなわち守る、破る、離れる、です。CTPはいわば文法です。習ったら忘れるたらいいと思います。文法だけではよい文章は書けないわけですから。CTPも基本は押さえて離れるというのが私の選択です。

どのようにCTPを離れたのか、その一例をご紹介したいと思います。

ある男性との体験コーチングでした。

業績の良くない会社で、30代後半になって会社人生の先は見えた、このまま行って明るい未来があるとは到底思えない、かと言って妻子もあり、どうしていいかわからない。進むべきか、退くべきか、どうしょうか、というご相談を頂戴したことがあります。

ご本人はもう迷いに迷って堂々巡りから抜け出せない様子です。

この状態で、「あなたどうなりたいですか、今何ができますか」なんていう質問をしても回答不能でした。

こういうときはまず補助線を引いてあげれば、この方も堂々巡りを抜け出すきっかけが見出せます。

昔々、学生時代にやった幾何で、ありましたね^^

私が引いた補助線は以下です。

・もともとサラリーマンしてる限り会社の事情でどうなるかわかりませんよ。
・60になれば必ず定年退職が待ってますよ。
・退職は100パーセント次の設計図が書けないとやったらだめですよ。
・あなたの当面の使命は「出世」「成功」ではなく「サバイバル」ではありませんか。
・あなたは現在職についていて、境遇は決して悪くないですよ。
 十分「サバイバル」できるはずです。

こう補助線を引いた上で私はこう言いました。

「どうですか、こう考えたら、あなたの今の境遇、違ったように見えてきませんか?」

と言われて、この方は元気が出てきたようです。以降のセッションは饒舌になりました。現在はクライアントとしてお付き合いいただいています。

CTPは基本的に、クライアントさんの「〜したい」を出発点としています。しかし、これではどうしたらいいかわからない、といったクライアントさんは基本的に扱えません。コーチングしかできないコーチならこの時点でアウトでしょう。

私の知るかぎり、補助線を引く、なんてのはCTPには無かったと思います。しかしCTPを離れることができたから、こんなコンサルティングまがいの手も使えるわけです。

CTPは2年間さんざんやって名実ともにさよならできた、これが私のCTPの成果です。

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他の方の発表は、「いやぁ、CTPって本当にいいもんですね」の論調ばっかりでしたから、かなり浮いていたのでしょうね。また私の発表には内容的にも決して人を感動させるような素直さはありません。素直にはなれないわけですから・・・

私はコーチングとコンサルティングは併用すべきである、だからコーチ側は少なくとも叩き台は提示できなくてはならない、という考え方です。このあたり、コーチングだけの講座であるCTPとは距離がある、と言わざるを得ません。私に言わせるとCTPはソリューションがなさ過ぎるのです。

まぁ、このあたりは自分に正直に、個性を前面に出してやっていくしかないな、と思っています。

悪いこともいいことも続く
139



私はクラシック音楽が好きで、よくネットショップでCDの発注をかけるのですが、入荷待ちのCDは来ない時は全く来ないのに、来る時はどかっと3〜4件かたまって送られてきます。

英語のことわざには "It never rains without pouring." つまり「土砂降りなくして雨は降らない」というのがあります。

この現象、何にでも言えるのではないでしょうか。

コーチング事業を始めて3年目になりますが、鳴かず飛ばずだった時期と、結果を出せた時期の格差は大きすぎるように思います。鳴かず飛ばずの時期は数日間何の問合せもなく、まるで「凪」です。かと思えば、どっと依頼が舞い込んで大忙しの時もあります。この間、何が変わったということは全くないのですが。

以上から敷衍するに、「悪いことも良いことも続く」ようですね。

「悪い時は焦らず、良い時はおごらず」が良いようです。

だれしも(もちろん私も含めて)、調子が悪く沈んでいる時は、気休めでいいから、だれかにこんなことを言ってもらいたいものです。今後努めて他人に言ってあげるようにしよう、と思い至りました。曰く、

「悪いことも良いことも続く、のだから、悪い時は焦らず、良い時はおごらず」

人生の勝利者
138



人生の勝利者とは?人によって考え方はいろいろあると思いますが、私の考え方は、

定年後からの最後の20年がライフワークがあって充実していること

です。

ビジネス雑誌で見たあるオーナー経営者の講話は、

「今は不確実性の時代だから、目先のことを精一杯やりなさい」

というものでした。企業の総帥としての発言としてはそのとおりです。また、企業人としては仕事に限って言えばそうあるべきです。でもこれだけでは21世紀やっていけません。

サラリーマンはいずれ定年や、それに準じた形で終わりが来ます。つまり長年のキャリアは定年を迎えて中断されます。ですから定年前にライフワークの準備をしなければなりません。ライフワークを真剣に考えないと人生最後の20年、ほんとに辛いことになってしまいますし、長生きできないでしょう。

この点から言えば、オーナー経営者は終身ですから問題なく、年取っても現役が可能であるわけです。従業員はオーナー経営者の発言だけを真に受けていてはいけません。

今は真剣にライフワークを考える必要のある時代、だと思います。

私に言わせると、いかに現役時代が華々しくても、定年後の最後の20年が充実していないのなら、それは敗者の人生です。

昨日、アマチュアのクラシック室内楽の演奏会があり、行って来ました。アマチュアの演奏家仲間が公民館に集まって、一組20分程度の演奏で10組程度演奏されるのですが、すべてアンサンブルものです。

驚いたのは弦楽器に男性の熟年者が多いことで、これが年若い女性にピアノ伴奏をつけてもらっています。トランペットの独奏で出てこられた方なんか、伴奏者の女性から「音色に惚れ込んで、こちらからアンサンブルをお願いした」というふうに紹介されていました。

ライフワークある人はあるのですねぇ〜

若い女性とアンサンブルしてたら年取らないです。

終了後近くの居酒屋でみなさん打ち上げされてました。楽しそうでした。

私はこんなのこそ「人生の勝利者」だと思うのです・・・

ですから「ライフワーク」というテーマこそパーソナル・コーチングに相応しいと思います。

宗教心
137



宗教心という言葉があります。

私のような未熟者にはとても宗教心の解説はできませんが、ひとつご紹介したい言葉があります。高3のおり、目の病で沖正弘先生のヨガ道場に一週間行ったことがあります。そこで教わったのが「目覚めの誓い」です。宗教心で私が必ず連想する言葉です。


ただいま私は、目覚めさせていただきました。目覚めたということは、生きるに十分な体力が与えられているということであります。私は今日一日、あらゆることに全力を出し切って生きることを誓います。


時として忘れてしまっている言葉ですが、私は思い出すたびに「生きていることの原点」を感じます。

「宗教心のある人は宗教を考え、そうでない人は宗教に走る」のだそうです。宗教心は何教であるかは一切関係がありません。

宗教とは、生命を生きることであり、宗教心が身につけば、生命が喜ばない生き方はできなくなります。結局究極のコーチングのソリューションはクライアントさんが「宗教心に目覚めていただくこと」だと思います。どなたも本来宗教心はお持ちですので、ちょっとしたことで気付いていただけます。

自分にどこまでの感化力があるか、怪しいものですが、損得やテクニックじゃないんだよ、ということくらいはお伝えできればと思っています。

クライアントの質
136



クライアントさんにも質、というものがあります。

体験コーチングを数多くやってますと、ちょっと話しただけでクライアントさんのレベルはすぐわかるようになります。

概して、セッションに沈黙が多い人は質は良くないです。たとえば、心の病があると思われる人を相手にすると、1分はラクに沈黙が続くことがあります。この場合は、私もピンと来ますので、セッションを早々に打ち切るしかありません。

心の病がなくても、自分が何をしたらよいかわからない、という自分探しの人を相手にすると、これも30秒はラクに沈黙が続くことがあります。こんな人は、いろいろ補助線を引いてあげても、全然乗ってきません。

これとは正反対に、質のいいクライアントさんだと、自分で話しながら、自分でどんどん問題解決し、コーチ側は話を聴くだけで終わってしまいます。コーチは楽なものです。

これはおそらく、話す→気付く→話す→気付く→話す・・・というオートクラインの波に乗って芋づるをたぐるように答えが出てくるからでしょう。

クライアントさんの質がいいのはコーチの手柄ではありませんが、質のいいクライアントさんに当たるとコーチも元気になるものです。これはホントですよ。
150 ケチでなければ
149 神経質過ぎるほどのフィードバック
148 イメージング
147 親は変えられない
146 悪者家族

*
145 話の長い人
144 趣味と親友
143 波間に漂う質問
142 自己の欲求に忠実に生きるとは
141 あくまでも平静に

*
140 ET
139 悪いこともいいことも続く
138 人生の勝利者
137 宗教心
136 クライアントの質
*
135 世の中で一番楽しく立派なことは
134 コーチングは低成長時代の産物
133 盛り立て・盛り上げ
132 断定口調
131 承認

*
130 どうということはなし
129 夫婦の間
128 取次ぎ人
127 老人力
126 宗教的素養

*
125 NLP音痴
124 アサーティブネス(続き)
123 アサーティブネス
122 仕事をしない
121 実習

*
120 なめられないために
119 度量
118 天気・気温を語ろう
117 依存症
116 フィードバック

*
115 差し迫ったニーズ
114 プロマネ
113 咀嚼力
112 ゴールを疑ってみる
111 コーチはトレーナーに非ず

*
110 コーチングの行き着く先
109 恵まれた交友関係
108 仮説力
107 引きつけて撃つ
106 体験コーチングの実際

*
105 体験コーチングというけれど
104 体験コーチング
103 一生懸命を疑おう
102 レベル間の往来
101 ライフ・レベル


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001〜050 051〜100 101〜150 151〜200 201〜250
251〜300 301〜350 351〜400 401〜450 451〜500
501〜550 551〜600 601〜650 651〜700 701〜750
751〜800 801〜850 851〜900 901〜950 951〜999
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