離婚とコーチング
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体験コーチングを申しこんで来た女性ですが、

「離婚を考えるが子どものことを思うと踏み切れない、どうすればいいでしょうか」

と文面にありました。

もちろん、人助けということで相談に乗ることも可能なのですが、ハナシを持ち込むところがちょっと違うと思います。

ちなみに「離婚」で検索するとぞっとするほど件数の相談サイトにヒットし、たとえば著名なものにはこういったサイトがあります。わたしがこの相談をあえて受けて立つ理由はないわけです。

パーソナル・コーチングではカウンセリングも扱いますが、離婚の専門家がいるのですから、そちらを当たるべきでしょう。人生の一大事ではありませんか。

せっかく依頼して来られたのに相手をしない、というのは何がしかの後ろめたさはあります。しかし、離婚は体験コーチングで扱うべき代物ではないと考えます。骨折したら整体なんかに行かず、外科に行くべきなのです。

不遇の時期をいかに面白くするか
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クライアントMさんは現在本社から系列会社へ出向中です。一応2年間の予定。出向するとどうしてもよそ者扱いとなります。もともと「てこ入れ」が必要であったので、出向を命じられたわけですが、出向先は古参社員が多く、食い込むのが相当に難しい。前任者もうまく行かなかったそうです。

本社の上司に報告すると、

「やっぱり、そうか」

という感じで、本社サイドは予想通りと見ている様子です。それでも、

「何か成果を出すように」

とは言われるのだそうです。この状況でコーチングを始めたのですが、数ヶ月やってきて、どうしても手詰まりになってしまいました。すなわち仕事でこれ以上の変化を起こすのは職場の力学上無理と判断せざるを得ません。

「もうこの際仕事は置いておいて、プライベートを充実することを考えませんか」

ついにこの提案をすることになってしまいました。やっぱり不遇の時期というのは誰にでもあるものです。無理をせずにやり過ごすと言うのも知恵です。コーチングはこの実例のように、当初の目標が手詰まりになることもありえるわけですね。

コーチングを受けていながら、不遇の時代を単に流されて生きているのではハナシになりません。そうならないようにコーチングさせていただいているわけですから。コーチングでは不遇の時期をいかに面白くするかの提案も時として必要だと考えます。

Mさんと話をしていたら、

「来年は東南アジアの国へ旅行に行く。その前にその国の歴史を勉強する」

という案がまとまりました。聞いているほうも結構ワクワクしますね。

イエスマンではコーチは勤まらない
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チャンク・ダウンはある意味問題のすり替えです。すり替えという強烈な言葉を使うのは、それだけの主体性が必要だからです。もちろんクライアントが望む方向ですり替えるわけです。

抽象的な問題を、具体的な問題にどうすり替えるかがポイントです。どうすり替えるかといのはどのポイントに焦点を合わせるのか、ということで、コーチの技量がもろに出ます。

「寄り添うコーチング」と言うのを標榜される向きがあります。要はクライアントの意図を尊重して、聞き役に徹するスタイルをこのように表現するようです。これではコーチがイエスマンに過ぎないわけで、コーチの能力は低いと思います。

このコーチングのやり方は相手のレベルが十分に高く、聞き役に徹しているだけで相手がどんどんアイデアを出していく、という局面おいてのみ有効です。

しかし、相手がいかに優秀でも、時には疑念をぶつける必要があります。

「それはどうでしょうか」

これをしっかり言えないとダメなわけです。イエスマンではコーチは勤まらないと断言してもいいと思います。

クライアントの意に添う形でどこまで主体性を発揮できるかが、勝負なのです。

チャンク・ダウンは問題のすり替え
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体験コーチングを申し込んで来たとある女性です。CTPを始めたので、コーチングを体験したいのだそうです。

「体験したい、と言われても体を鍛えたいです、というようなものですよ。やっぱり、何のスポーツをして体を鍛えたいのかがないと話にならないですね」

自分に自信をつけたいのだそうです。

「じゃ、具体的に何ができたら自信が付くのですか」

ご自身は英語教師なので、TOEFL900点で自信がつくのだそうです。

「じゃ、TOEFL900点を取るためにはどうしたらいいのですか」

実はTOEFLの試験は翌月に控えていて、最後の追い込みが必要なんだそうです。

「では、最後の追い込みとして、何と何ができればいいのですか」

ヒアリングとリーディングなんだそうです。

「では、ヒアリングの1日のトレーニング・メニューはどうしましょうか」

いろいろ行きつ戻りつしましたが、音読20分とCD教材の聞き込みを20分、と決定。

「では、リーディングの1日のトレーニング・メニューはどうしましょうか」

これもいろいろ行きつ戻りつしましたが、過去問を1日2題解くことに決定。

「いつからやりますか」

明日から、以上ここまで^^

単にコーチングを体験したい、なんていう人は深刻な問題を抱えているわけではないので、「寄り添う」のは不可です。言葉の遊びにはまってしまい、収集つかなくなるのは目に見えてます。こうした相手はチャンク・ダウンだけで片がつきます。

チャンク・ダウンはある意味問題のすり替えです。どうやって抽象的な問題を、具体的な問題にすり替えるかがポイントです。相互コーチングで実習する相手は大半はチャンク・ダウンだけで事足りるでしょう。

セッションのキャンセル
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以前、博士論文をやってる女医さんのコーチングを引き受けたことがあります。この人は子供も2人いて、どうして時間をつくるのかとこちらが心配になるほどでした。当然ながら、コーチングの時間は朝6:00に限る、それ以外の時間はほぼ不可能だとのことでした。

ところが、子供が急に熱を出したり、この人が寝過ごしたり、はたまたリスケしたセッションの予定を失念したり、ということが頻繁にありました。当時クライアントさんと交わしていた覚書には、セッション・キャンセルの罰則を一切入れていませんでした。したがって私は5時半起きで、6時にスタンバイするわけですが、無駄になることが何度も起こったのです。正直たまりません。しかし、この人を責める気には全くなりませんでした。

したがって、この人以降はクライアントさんと交わす覚書に罰則も盛り込むことにしました。それが、

・連絡なしのキャンセルはセッション1回としてカウントする

という内容です。

しかし、連絡なしのキャンセルに対して、セッション1回としてのカウントを厳格にやってるか、というと必ずしもそうではありません。先方の事情を勘案して、連絡なしのキャンセルでもカウントしないことはあります。

特に「初犯」は注意にとどめて、免除しています。またADDは状況しだいということにしています。ただ連絡なしのキャンセルが2回連続で続いたりすれば、これは遠慮なく1回のカウントとします。もっとも、クライアントさん申し訳ながって、カウントするように言って来られます。

いずれにしても、予定をキャンセルして後日に繰り延べると、その後日の予定が詰まってしまい、セッションの予定を入れにくくなります。

以前は「キャンセル→繰り延べ」の依頼に対してはいささか憮然とした思いで対応していたのですが、今では「休講になった」と思って、できてしまった空き時間を前向きにエンジョイすることにしています。クライアントさんともお付き合いできる期間が長くなったと前向きに考えればいいと思います。

パーソナル・コーチングをやってるかぎり、相当の頻度でキャンセルが出て、その幾つかは無断欠席です。キャンセルの都度、煩雑でも繰り延べの事務処理(メール)をしなくてはなりません。しかし、こうした実情は今後とも絶対避けて通れないでしょうね。
650 コーチングは切り返しでこなすもの
649 情愛
648 選択のコーチング
647 同じ人間として見て味方になる
646 包容力とは

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645 紙は必要悪だ
644 何度でも言う
643 レッツ(Let's)のコミュニケーション
642 他力による安心立命
641 ホームページの相談

*
640 コーチを演じる自分
639 満48歳、亥年年男
638 女性的な女性
637 認定コーチの合格通知
636 専門を意図的に創り出す

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635 アサーティブネスのその上
634 椿姫タイプ
633 被害者口調と承認口調
632 早朝営業・深夜営業
631 絶対者とどう繋がるか

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630 おせちビュッフェ
629 ワンポイントの相談
628 必要なものは与えられる
627 毎回が初回のセッション
626 認定コーチの資格を取得

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625 離婚とコーチング
624 不遇の時期をいかに面白くするか
623 イエスマンではコーチは勤まらない
622 チャンク・ダウンは問題のすり替え
621 セッションのキャンセル
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620 沈黙がち、途切れがち、そして暗くなりがち
619 整理整頓が不可能
618 異業種交流会
617 日中何をするのか
616 一家に蔓延

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615 食あたり
614 自己承認
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612 電話勧誘
611 フンとハイ

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610 日に新た
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602 ADDへの提案
601 モード切替の前に前置きを


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