紙は必要悪だ
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私はインターネット派です。「ネット・コーチングで開業しよう」という本も書きました。個人的にはもはや紙の新聞は読みません。もったいないというなら紙の新聞は結構もったいないと思います。

新聞は決して隅から隅まで目を通すわけではありません。それどころか見出しをちらと見る程度ではないでしょうか。それで捨ててしまう。欲しいのは情報という無形のソフトウェアであって、新聞紙というハードウェアではないからです。

書籍も大変もったいないと思います。一度読んだだけで二度と読まない本がまず大半だからです。

2007年1月18日の産経抄を引用します。

【産経抄】
 誰しも、自宅の蔵書には一冊ごとに思い出がある。本の扉に「〇×蔵書」の朱印を押してご満悦の人がいた。百科事典を買い入れて、寂しい書棚を埋めた人もいる。はやりものがあれば廃りものがある。本が“社会的地位”の座から滑り落ちてすでに久しい。

 ▼公立図書館に行くと、廃棄する本が段ボール箱に放り込まれていた。「ご自由にお持ち帰りください」との張り紙があっても、持っていく人が少ない。用済みの本を古本屋に持参しても、いまは「カネを取られかねない」と同僚が嘆く。

 ▼それでも、捨てる神あれば拾う神がある。哀れな本に情けをかけた町があると聞いてうれしくなった。「合併しない宣言」をした福島県矢祭町だ。町民サービス調査で1位だったのが図書館開設だったと聞くと、さらに気分がいい。ところが、10億円あまりの建設予算がない。そこで町は全国に図書寄贈を呼びかけた。

 ▼当初、もくろんだ3万冊に対して、ほぼ10倍の29万余冊がドーンと送られてきた。柔剣道場を図書館に改修し、収め切れない本のために隣に書庫をつくった。残りは町内の小中学校に収めて一件落着だ。「矢祭もったいない図書館」と命名したと聞いて、心が痛む人も多かろう。

 ▼以前なら、記者は何か知りたいときは人を探し、足りなければ図書館で本を探した。ときに神保町の古本屋街まで足を延ばしたものだ。その古本屋街もシャッターをおろす店が増えているという。

 ▼わが論説室で矢祭町を褒めそやしたら、岩手にも北上市というユニークな町があるとの声が上がった。作家の井上靖も名誉館長を務めた日本現代詩歌文学館がある。全国から明治以降の詩集を集めている。本の敵、ネットも、まだここまではできまい。


愛読しているコラムですが、この記事はずれてます。29万余冊といいますが、ダブりも多いでしょうし、多くはゴミ同然でしょう。もちろん古典は陳腐化しません。しかし、古本の情報が変化の激しい今を生きていくのにどれほど役立つか、大いに疑問です。

今となっては百科事典など全く過去の遺物です。インターネットなら今日の事件が記載内容に反映されるわけですから。

「本の敵、ネット」ですって?情報はコンピューター・データとしてネット上で管理されるのが正しいのです。書籍は今となってはプリントアウトという必要悪に過ぎません。神保町がさびれるのは時代の流れです。

何度でも言う
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自分の意図が相手に理解されはしても、相手がその通り動いてくれなければ、ついついイライラしてしまうのが人の常です。つまり、

「何度言ったらわかるんだ」

と声を荒げてしまうわけです。これは「文句を言う」「ガミガミ言う」といった外的コントロールにあたり、人間関係は当然悪化します。

とあるクライアントさんがついつい自分の家族にこれをやってしまう、どうしたものか、と言われました。私のオススメは、

「何度でも言う」

です。たとえば子供がなかなか風呂に入らなかったとします。私はたとえ3度目であっても4度目であっても、ふつうの口調で、

「なあ、早く風呂に入ろうよ」

といいます。根比べですね。まず5回目くらいまでには入ります。その結果、人間関係は全く悪化しないどころか、相手からある種の尊敬を勝ち取ることすらできるのです。

これは職場でも全く同じです。普通3回以内で解決しますね。しかしこちらは5回でも6回でも言うだけの心の準備はあります。

声を荒げずに「何度でも言う」というやりかたで外的コントロールを回避できますが、全くオススメです。そしてこれは人として正しい道ではないだろうか、と思うのです。

各人それぞれ意識も異なれば、考え方も異なる。相手が自分の意のままにならないのは当然です。だから怒ったりしないで、何度でも言うのが当然なのです。

レッツ(Let's)のコミュニケーション
643



コーチングとは質問型のコミュニケーションで相手に選択の自由を与えることです。つまり、強制しないで、相手の自主的な判断を引き出すわけです。もちろん引き出した判断がベストかどうか、クライアントとコーチ双方が検討する必要はあります。より良い答をともに創り上げていく、ということですね。

裏を返すと、強制するコミュニケーションはコーチングから遠いです。「〜しなさい」「〜しなくてはならない」という命令形や、「〜してはいけない」という否定形がこれにあたります。強制するコミュニケーションというのは、常に相手に何がしかのストレスを引き起こします。

しかし、強制するコミュニケーションの代わりに提案する「レッツ(Let's)」のコミュニケーションで相手に選択の自由を与えれば、余計なストレスが発生しません。その結果、意欲をスポイルすることがないのです。

たとえばこんな感じです。

「もっと頑張りなさい」 ⇒ 「もっと頑張ろうよ」

「今日中に仕上げなくてはならない」 ⇒ 「なんとか今日中に仕上げようよ」

「遅刻はするな」 ⇒ 「早目に出社するようにしようよ」

ここで注目いただきたいのは、話者が相手とともに行動するつもりがなくてもレッツ(Let's)のコミュニケーションは有効であるということです。レッツ(Let's)のコミュニケーションは相手に寄り添う暖かさがあるわけですね。

職場でも家庭でもレッツ(Let's)のコミュニケーションを意識的に取り入れれば、命令形や否定形を多用していたころよりうんと人間関係が円満になります。相手に選択の自由を与えるのがポイントです。

レッツ(Let's)のコミュニケーションは話者が主導権を取れる点では、コーチングよりむしろ優れているのではないかと思います。

他力による安心立命
642



クライアントさんから恐怖感の克服について相談されることがしばしばあります。

それは事業の失敗、自分の病気、愛する者との離別など、いろいろ考えられます。私が個人的に過去一番悩まされた恐怖感は、

「もしかして結婚できなかったらどうしよう」

というものでした。つまりそれほどどんな相手とお付き合いしてもうまくいかなかったわけです。

さて、恐怖感の克服ですが、最悪の事態を考えると誰だって恐くなります。岩山に登っている最中に奈落の底をのぞきこめば、誰だって恐くなるものです。だから下を見ないで上を見る必要があるのです。つまり望まない事物は心の中から拒絶して、望む事物のみを思念する必要があります。

望まない事物は心の中から拒絶することができるのか。できるはずです。とび職さんを考えればわかりますが、あの人たちは立ちすくむような高所を平気で歩いています。それでも下を見ればやっぱり恐ろしいことには変わりがないと思います。つまり危険と隣合わせでも、それに心を動かされない境地は、ある程度訓練によって手にはいると思われます。

もうひとつのアプローチは全身全霊をかけて自分の願望を思念することです。ある日自分自身が願望の塊と化したとき、恐怖感など寄せ付けない自分自身を発見するものです。

結局「こうありたくない」というマイナスを思念するエネルギーを「こうありたい」というプラスを思念するエネルギーに転換するのがコツのように思います。どうしてそれができるのか。

私は単純に神仏が守護霊を遣わして自分を守ってくれている、と考えることにしています。この世は唯心所現の世界です。神仏を認めれば神仏が現れ、守護霊を認めれば守護霊が現れるというわけです。ならば認めて支えてもらったほうが断然いいです。一生懸命生きてれば、守護霊さんがうまくやってくれるに違いないと思っています。

そして唯心所現ですから、うまく行くと思えばうまく行くわけです。

恐怖感の克服はもちろんある程度の訓練は必要ですが、絶対者を認めれば比較的簡単にできます。他力による安心立命がポイントです。

ホームページの相談
641



クライアントさんからホームページを作りたいのですが、と相談を持ちかけられました。私に訊く前に別の人に相談してこんなメールをもらったそうです。

担当者からですが、下記の内容をご確認ください。
かなり費用的にもかかるようですが、時間とお金がかかる仕事になると担当が申して
いました。セキュリティーもかなり重要になるので中途半端な作業が出来ないとも申
しています。
概算で初期30で、月の保守3万はかけないとこの手は、難しいのではといっていま
す。


作成担当者からです・・・

=検索で上位に入るには=

1.HPの内部的な作りを検索サイトのデータ収集ロボットにとって好ましいものにす
る。
  これを「検索エンジン最適化(SEO)」と呼んでいます。デザインとの兼ね合い
が難しいところ。デザインを優先するとデータ収集ロボットにとってわかりにくかっ
たりする。
2.1ページの長さを長くする。・・・結構重要。
3.そのページの中にキーワードを多く含める。
4.キーワードの文字の大きさを大きくする。
5.そのサイト自体のHPのボリューム。・・かなり重要
6.他のサイトにできるだけ多くリンクをしてもらう。・・重要
7.HP作成後、専門業者に頼む。(多くの著名海外サイトにリンクを張り、ランクを
上げる作業をしてくれます。ただ効果は???)高価です。
8.更新またはページ追加を頻繁に行う。
が必要となります。

また、HP作成後数ヶ月〜半年位して段々とランクが上がっていきますので、即効で検
索上位に来る方法はありませんし、「何番目まで上げたい」といった要望に的確に応
ずる事はできないのですが、上記方法を最大限実施してHPを作成する事は可能です。

後、コンテンツ(文章や写真)を用意していただける事と、ホームページデザインに
ついてイメージを頂きたいと思います。

後はボリュームによって製作期間が出てきますが、検索エンジン最適化をするとなる
とやはり普通のHP作成よりぜんぜん時間がかかりますので、それなりにコストは上げ
ないとだめだと思います。

さらに、
1.携帯版は作るのか?
2.ドメインは?
3.サーバー管理は?
4.データバックアップは?
5.ブログや掲示板、予定表、カレンダーのようなプログラムはいるのか?
6.ブログや掲示板だったら、スパム対応はこちらで行うのか?
7.月々の更新、新規ページ数。
等も知りたいです。

以上がわかれば見積もりが可能だと思います。


ホームページ制作業者の方が嘆いていましたが、一般的なお客はホームページを持ちたいとは言うものの、ホームページの内容をほとんど考えておらず、全面的に依存してくるそうです。だったらこれぐらいもらわないと合わないですね。あまりにもコンセプトがあいまいな依頼は断らざると得ないそうです。

ホームページを自作する立場と制作を請け負う立場ではこうも違うのだなという思いを強くします。ホームページは今日タダのものです。しかし労力だけはかかります。月の保守3万はある意味ホントですが、自分でやればタダです。

業者で制作してもらうならトップページだけにして、後の制作や保守は自分でやることをオススメしたのは言うまでもありません。
650 コーチングは切り返しでこなすもの
649 情愛
648 選択のコーチング
647 同じ人間として見て味方になる
646 包容力とは

*
645 紙は必要悪だ
644 何度でも言う
643 レッツ(Let's)のコミュニケーション
642 他力による安心立命
641 ホームページの相談
*
640 コーチを演じる自分
639 満48歳、亥年年男
638 女性的な女性
637 認定コーチの合格通知
636 専門を意図的に創り出す

*
635 アサーティブネスのその上
634 椿姫タイプ
633 被害者口調と承認口調
632 早朝営業・深夜営業
631 絶対者とどう繋がるか

*
630 おせちビュッフェ
629 ワンポイントの相談
628 必要なものは与えられる
627 毎回が初回のセッション
626 認定コーチの資格を取得

*
625 離婚とコーチング
624 不遇の時期をいかに面白くするか
623 イエスマンではコーチは勤まらない
622 チャンク・ダウンは問題のすり替え
621 セッションのキャンセル

*
620 沈黙がち、途切れがち、そして暗くなりがち
619 整理整頓が不可能
618 異業種交流会
617 日中何をするのか
616 一家に蔓延

*
615 食あたり
614 自己承認
613 戦意喪失
612 電話勧誘
611 フンとハイ

*
610 日に新た
609 ブログ記事は残った・・・
608 悩める人相手のコーチング
607 顔の見えるサイトを
606 孫引きの感化力

*
605 最も求められている善事
604 サイバー空間の墓標
603 結婚相手を見つけるのもウェブ対策
602 ADDへの提案
601 モード切替の前に前置きを


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001〜050 051〜100 101〜150 151〜200 201〜250
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501〜550 551〜600 601〜650 651〜700 701〜750
751〜800 801〜850 851〜900 901〜950 951〜999
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