アサーティブネスのその上
635



昔読んだ尾関宗園という禅僧の本にがこういうことが書いてありました。

家族が自分の横でせんべいを食べていたとします。もしかじる音が気にさわってうるさいと思ったなら、

・「うるさい」は×
・黙って我慢するのも×
・「うまそうだな、オレにもくれよ」が○

なのだそうです。

基本的にはアサーティブネスですが、もう一ひねりしてあります。つまり、「うまそうだな」という承認で相手に近づき、「オレにもくれよ」で相手に合わせているわけです。

何でもないことのようですが、ここで「うまそうだな、オレにもくれよ」と切り返せる人こそ人間関係の達人なのです。こう言えばほんのわずかのストレスとも無縁です。

こうした処し方でできれば、すべての人と良好な人間関係を築いていけるに違いありません。単なるアサーティブネスのはるか上を行くわけです。この呼吸はすべての人間関係に応用可能だと思いますが、いかがでしょう。

椿姫タイプ
634



椿姫という有名なヴェルディのオペラがあります。もとになったのは小デュマの同名の小説です。

ストーリーは高級娼婦の主人公がいなか出身の若旦那と同棲するが、若旦那が不在の折に訪ねてきた若旦那の父親に「娘の縁談に差し障りがあるから別れてくれ」といわれ、泣く泣く若旦那のもとから何も言わずに姿をくらましてしまう。事情を知らない若旦那は大変恨みに思って公衆の面前で彼女をはずかしめるにいたる。やがて事情を知った若旦那が彼女を訪ねていくと、彼女は結核で死の床にある、というものです。

何も言わずに姿をくらました主人公は一見潔いようにも思えますが、自らに大きなストレスを課したであろうし、若旦那にも大きなストレスを与えたわけです。アサーティブネスの観点から言えば、ゼロ点の行為で、この行為が悲劇の元凶だ、といえます。若旦那と率直に話し合えば、たとえ別れるにしてももっと状況はよかっただろうに、と思われます。

さて先日体験コーチングでお相手した女性はこの椿姫タイプでした。上司が自分にひどい仕打ちをすると言います。たしかに、ひどいのかも知れないが、問題はその仕打ちを受けたあと、この人が上司と率直に話し合う、という作業を一切していないこと。そのために、被害妄想に陥っていっそうストレスをため、自分をいっそう悲劇のヒロインにしているのです。

もっと率直に話し合えば、いろいろ誤解があって、それはそういう意味だったのかとわかるはず、と私は思いました。そのようにフィードバックしますと、

「どうせ言ってもどうなるわけでもないですし、口も利きたくない」

とのこと。

「じゃあ、どうすればいいですか、どうしたいんですか」

と言ってみたら黙ってしまいました。私はこうアドバイスしました。

「人間関係が多少悪くなってもいいから、言いたいこと、言うべきことは相手に言って、とにかく自分にストレスをためないこと、これが肝心ですよ。ストレスをためたまま生きていたらこの世は地獄ですよ。同じ景色を見ても全く違って見えますよ」

ストレスをためた人は地獄界の住人なのです。地獄から抜け出すためには、ずばりアサーティブネスがポイントです。言いたいこと、言うべきことは相手に率直にそして穏やかに相手に言うこと。それで人間関係が悪くなっても、自分の問題ではなく相手の問題と割り切ることです。

偉そうに言うようですが、私自身はこの程度のアサーティブネスは確実に身につけています。相手が誰であろうと、どれほど傍若無人であろうと、言いたいこと、言うべきことは確実に発言します。それが心安らかに生きる秘訣なのです。

被害者口調と承認口調
633



次女(小5)が週末のお稽古の帰りに、車と接触事故を起こし、持っていた傘が目に当たったとのことです。職場の私に家内から電話が入りました。

相手は熟年ドライバーで、すぐ病院に連れて行ってくれたそうです。町の眼科で診てもらったところ、大事ないと思うが、腫れて複視を起こしているので、念のため精密検査を受けられた方がよいでしょう、ということでした。

一応人身事故です。先方は警察に事故報告をするのは勘弁してくれ、と言っているとのことです。ネットでしらべてみると、ちょっとした接触事故ならいちいち警察に届けないことも多いとありました。大したことなさそうだし、事故証明は数日後に取る手もありそうです。

とりあえず様子を見て、できたらこちらも出るところに出ないで話をしようかと腹を決めました。しかし、あとあとこちらが不利にならないように不用意なことは言えないな、とかなり身構えて先方に電話したわけです。

電話口で先方が言うには、気が咎めるので、今しがた、自ら警察に出頭して調書をとってもらったとのことでした。はじめはこちらも被害者口調でしたが、すぐにコーチング的な承認口調に変わりました^^

家内がどうしても外せない用があるので、週明けの今日は私が会社を抜けて次女の精密検査に付き合いましたが、予想通り異常なし。臨時のイベントと思えば気楽なものです。

事故というにはずいぶんと軽症ですし、先方も良心的で極めてラッキーでした。もっとおおごとになっていたかもしれないのに、この程度で済んで今年は幸先いい、と考えることにします。

早朝営業・深夜営業
632



電話やスカイプで行なうコーチングは早朝営業・深夜営業が自宅で可能です。

たとえば今朝Sさんとやったセッションは午前6:00からで、Sさんは通勤途中で車を駐車場に停めて、携帯電話から連絡してこられるのです。冬場は午前6:00といえば真っ暗ですが、午前6:00からのセッションは出勤前ということで根強いニーズがあります。通勤時間と始業時刻を考慮すると午前7:00からでは遅いわけです。

またKさんは主婦兼OLですが、家事が終わって子どもも寝て、まちがいなく全てから解放されるのは23:00以降ということですので、23:00からセッションをします。23:00からのセッションも増える傾向にあります。

自宅でこんな早朝・深夜に営業できるのは私の知る限りコーチングくらいです。考えれば凄いことですし、コーチングするほうにもされるほうにもメリットは大きいです。

ただ23:00のセッションが終わると午前00:00、翌日午前6:00のセッションが入ってれば午前5:30には起きる必要があり、極力夜更かしせずすぐに寝るといった配慮は要ります。翌日の日中は当方も仕事に行くからです。

絶対者とどう繋がるか
631



心の法則とか因果律の説くところは、この世は日ごろの思いがやがて実現する、つまり思った通りになる世界である、ということです。これは水が上から下へ流れるのと同じような真理です。

しかし、ここに大きな陥穽があるのです。前向きの想念ができているうちはいいですが、うまく行かないことが続くと、後ろ向きの想念を持つにいたり、悲観的になってしまう。これもその通り実現するのです。つまり想念をコントロールできないと、恐ろしいことになってしまう。

私もその昔、悪いことを思い始めると悪いように悪いように思いを巡らせて止まらず、どうしたら平安を手に入れられるかと思ったものです。結論は、自分だけの「我」でこの現象を克服しようと思っても無理だということです。

ポイントはここで絶対者を認めることです。

宇宙生命、天にまします神、阿弥陀仏、釈迦、キリスト、○○観音、○○明神、そして守護霊、その人がピンと来る何でもいいと思います。いずれも神仏のヒエラルキーにおける呼称であり、本質は同じです。絶対者が支え、守り、教え導いてくれる、という事実を認めるとき、割と簡単に安心立命が手に入ります。

要は生かされて生きているという事実に気づけば、一切の暗黒は照破できるわけです。そして必要なものは必ず与えられるという自覚のもとに安住することができます。

だから絶対者をどれだけ認め、絶対者とどう繋がっているかで、その人物の強さの度合いが決まり、感化力の度合いも決まります。もちろんコーチングのコーチも例外でありません。

ここのポイントにあまり目を向けず目標達成だけを云々しても知れているのです。コーチする側が日ごろから絶対者とキチンと繋がっており、クライアントが繋がっていない場合は、一肌脱げることがコーチをつとめる側の条件である、と信じています。
650 コーチングは切り返しでこなすもの
649 情愛
648 選択のコーチング
647 同じ人間として見て味方になる
646 包容力とは

*
645 紙は必要悪だ
644 何度でも言う
643 レッツ(Let's)のコミュニケーション
642 他力による安心立命
641 ホームページの相談

*
640 コーチを演じる自分
639 満48歳、亥年年男
638 女性的な女性
637 認定コーチの合格通知
636 専門を意図的に創り出す

*
635 アサーティブネスのその上
634 椿姫タイプ
633 被害者口調と承認口調
632 早朝営業・深夜営業
631 絶対者とどう繋がるか
*
630 おせちビュッフェ
629 ワンポイントの相談
628 必要なものは与えられる
627 毎回が初回のセッション
626 認定コーチの資格を取得

*
625 離婚とコーチング
624 不遇の時期をいかに面白くするか
623 イエスマンではコーチは勤まらない
622 チャンク・ダウンは問題のすり替え
621 セッションのキャンセル

*
620 沈黙がち、途切れがち、そして暗くなりがち
619 整理整頓が不可能
618 異業種交流会
617 日中何をするのか
616 一家に蔓延

*
615 食あたり
614 自己承認
613 戦意喪失
612 電話勧誘
611 フンとハイ

*
610 日に新た
609 ブログ記事は残った・・・
608 悩める人相手のコーチング
607 顔の見えるサイトを
606 孫引きの感化力

*
605 最も求められている善事
604 サイバー空間の墓標
603 結婚相手を見つけるのもウェブ対策
602 ADDへの提案
601 モード切替の前に前置きを


*** コーチングを受けてみませんか
*** コーチングとは(私見)
*** 社会人のためのカウンセリング
*** カウンセリングとコーチング
*** ビジネス・コーチング入門
*** ライフワーク・コーチングの奨め
*** オーケストラ再生のオーディオ
*** オーケストラ録音を聴く
001〜050 051〜100 101〜150 151〜200 201〜250
251〜300 301〜350 351〜400 401〜450 451〜500
501〜550 551〜600 601〜650 651〜700 701〜750
751〜800 801〜850 851〜900 901〜950 951〜999
All copyrights reserved 2007 Yoshiaki Sugimoto