英語でスピーチを書いて添削を受けると、よく so what?(だからどうなの)と訊かれるものです。 So what?とはいろいろな事実の中から、傾向や法則を見て取る抽象思考だと考えます。すなわち、So what?は思考の訓練としては大変効果的な問いなのです。 さて最近はわりにセルフ・コーチングの本が出ています。私のセルフ・コーチングの提案は、普通にブログ記事を書いてなにかオチを考えよう、というものです。ブログの記事といっても、オチがなくては締まりません。このオチこそSo what?であるわけです。このオチにたどり着く過程でずいぶんセルフ・コーチングできるものです。 さらにブログは人に見てもらうものですから、気合や緊張感を持続させやすいですね。 私はブログをほぼ毎日書いて2年になりますが、ブログのお陰で結構セルフ・コーチングの技量が上がったような気がしています。だからオチのあるブログ記事をかくことこそベストのセルフ・コーチングの方法ではないか、と思っているわけです。 結局セルフ・コーチングとはいろいろな事柄に対して自分の考えを整理し、それを蓄積していくことでしょう。セルフ・コーチング能力とは単発のものではなく、その結果を溜め込んだものです。そして単に整理する能力よりも、すぐに取り出せるようにした毎日の整理の蓄積がモノを言う、と感じます。
「コーチング」というキーワードでグーグルを検索すれば、3年半もの間、私のサイトが常に1位だったのですが、ついにWikipediaの「コーチング」に1位を明け渡してしまいました。 と言っても、Wikipediaはできてからまだ日数の浅いページです。なぜこのページが、と訝らざるを得ませんが、商業とは無縁の中立的なサイトですから、これを上位で表示させるのはどうやらグーグルの方針のようです。 ま、良しとしましょう。何でも終わりは付き物です^^また返り咲くこともあるかもしれません。
当ブログでは、私がこなしたコーチング・セッションで職場に関連した一般性のある内容であれば匿名でご紹介しています。つまり、どこのだれと絶対に特定できないようにして事例を文章化するわけです。 守秘義務に反しない? それを守秘義務というのなら、世の中の多くの本は暴露本になってしまいます。また新聞の相談コーナーなどあること自体がおかしい、ということになりませんか。 相手に許可を取るべきじゃないの? そんなことはやってられません。相手に精神的な負担をかけるという点では、許可を取るというのは良いようで良くないのです。 傷つく人がいるかもしれないじゃない? 世間は広いのでそういう人がいないわけではありません。もし傷つくとしたら、ごめんなさいということになります。とはいえ、その人は自分の問題は特別だと考えている可能性が高いと思います。実情はありふれたよくある話です。自分の問題がありふれたよくある話と認識することが解決の一歩だと私は思っています。 ブログで文章化したことをなじられた経験は今まで2度あります。どちらも匿名を十分心がけたつもりでしたが、1人はクライアントになる約束を断って来られました。もう1人は既にクライアントでしたが、これ以上文章化は遠慮願いたい、そうでなければクライアントを続ける気はない、と言って来られたわけです。いずれも希望通りの対応としました。 私の想いを言いましょう。もし文章化しなければ、その相談者の経験、私が相談に乗った経験が闇に葬られるわけですから、お互いの経験を今後に生かせません。確かに安全かもしれないが、まことに惜しいことだと思っています。 私が知りえた事例は慎重に匿名化したうえでケース・スタディとして文章にすることは他の方とその体験をシェアできるうえに、事例として保存できるので、私はよいことだと思っているのです。 何でもかんでも秘密にすればいいというものでもないのです。そもそもコミュニケーションは自分の秘密の一部を開示することによって成立しているわけなのですから。
ある女性との体験コーチングでした。 その人は仕事が速いとのことで、周囲がどんどん仕事を頼んでくるそうです。それで慢性的に忙しい。たまに休むと自宅に仕事を依頼するメールが入ってきて、エクセルが添付されていたりするとのことです。あまりに仕事を回されると、時に相手に憎しみすら抱くほどだ、とは本人の弁でした。 それである日、 「もう仕事は受けない」 と職場でぶちきれたところ周囲が固まってしまったそうです。しかしそれも一時のことで、相変わらず慢性的に仕事に追われる日々が続いているとのことです。 どうすればいいのか。 ひとつには仕事の手際を上げてより速く仕事をこなせるようにする、ということがありますが、これではなお一層頼られてしまって、同じ結果になると考えられます。ポイントは「いかに仕事をしないか」でしょう。私はこう申し上げました。 「この際病気になりませんか?ヘルニアで腰痛なんていうのが一番ですよ。家族の介護もいいですよ」 忙しいから仕事を受けない、と言うと、 「どうして?今までやってくれていたじゃないか。そう言わずに頼むよ」 となってしまいますが、腰痛で座っていられないとか、家族の介護で早く帰らなくてはならない、という理由なら、 「仕方がないな」 ということになります。人間関係もギスギスせず具合がいいのです。 ある人が突出して仕事ができ過ぎると、周囲が頼ってしまい、人材が育たないというのはよくあることです。仕事はできるにこしたことはありませんが、過ぎたるは及ばざるがごとし。ちょっと訓練すれば他の人でもできる仕事は受けないのがかえって正解なのです。 そして、仕事を受けなくても良好な人間関係を保てるようにうまく知恵を使う。そうした工夫も時として必要だ、ということでしょう。 「仕事をしないから他人が憤る存在に、一度くらいはなってみませんか」 と申し上げておきました。
パーソナル・コーチングでは開始冒頭に近況を尋ねます。これをアイス・ブレークと言いますが、このフリー・ト−クがひとしきり落ち着くと、コーチングに入ります。まず何について、という内容を明確にし、次にどうしたい、という目標を明確にするわけです。 ですが、冒頭のアイス・ブレークの時のクライアントさんのテンションが異様に高いこともあります。クライアントさんがしゃべりたくてたまらない、というのが伝わってくれば、このフリー・トークを存分に引きずるのもひとつのやり方だと思っています。ことと次第によってはこのフリートークに大半の時間を使います。 そして、セッション終盤にこう言います。 「○○さんは、次回のセッションまで何ができていれば満足ですか」 私はこれでも立派なパーソナル・コーチングだと思います。クライアントさんがしゃべりたいことを存分に語ってもらう。コーチ側が質問しなくても、クライアントが話ができるなら、クライアントは相当に乗っている状態ですから、そのエネルギーを殺ぐことはないでしょう。 もちろんクライアントさんの口が重ければどんどん質問を出します。クライアントさんの状態に合わせてコーチ側が縦横にやり方を変えるのがより好ましい引き出し方だと思います。基本は押さえて、必要に応じてコーチングという型を崩すのもひとつのやり方でしょう。 |
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750 いいカウンセラーの資質 749 承認の人生と批判の人生 748 後ろ向きの話は短く、前向きの話を長く 747 欠点は改めないで、目立たないように工夫する 746 そこにいるだけで元気の出る人 * 745 あげまん、さげまん 744 承認が承認たりえるためには 743 承認は人格のバロメーター 742 承認と安堵感 741 プラニングは朝一番に余裕をもって行う * 740 マジョリティが年下 739 鳴門・徳島に一泊旅行 738 若さとは 737 「やり方」と「やる気」 736 自分で考えることにこだわる人 * 735 他の助言者を引き合いに出すべからず 734 悔しい経験は明日への糧 733 個人差があるので焦らず頑張れ 732 20代半ばでコーチになれるか? 731 人は言葉によって生きる * 730 わが部屋 729 臨床 作業療法に寄稿 728 一日一件 727 ピンキリの研修講師 726 相手を説得する方法 * 725 納得できない書き方 724 受講者の質 723 グーグル1位に返り咲き 722 何でも誠心誠意やればいいというものではない 721 書評 * 720 ONE ON ONE 719 コーチングは提案で決まる 718 オフハンド・スピーチ 717 ため口 716 日経社告に再登場 * 715 答を渡すのも引き出しのうち 714 これから起こる問題についてのコーチング 713 業界の受益者 712 再度日経経営セミナーに登場 711 それ、やめときませんか * 710 自分を承認できなければ、他人は承認できない、のか 709 コーチングを大所高所から見ると 708 自他の一体感こそリーダーシップの源泉 707 結婚の選択 706 満足できない=人生楽しめない、のか? * 705 セルフ・コーチングはブログで 704 グーグル1位陥落 703 守秘義務 702 仕事をしない工夫 701 型を崩すのもひとつのやり方 *** コーチングを受けてみませんか *** コーチングとは(私見) *** 社会人のためのカウンセリング *** カウンセリングとコーチング *** ビジネス・コーチング入門 *** ライフワーク・コーチングの奨め *** オーケストラ再生のオーディオ *** オーケストラ録音を聴く |
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