975 自分に寛容であれ



目標にこだわりを持って自分に厳しく、は正しい人生態度です。しかし自分に厳しいあまり、過去の失敗にも厳しく、落ち込む人が世間には多い。コーチングのセッションでも落ち込んだという話をうかがうことが多々あります。かく言う私も、折に触れて過去の失敗を思い出し、暗澹たる気持ちになることがあるのです。

すんでしまったことは変えられないし、やってしまったことはやらなかったことにはできません。私は最近は、積極的に他人を批判して傷つける、ということはまず絶対やらなくなりました。しかしそれでも、トンチンカンな発言をしたり、自己中のメールを書いたり、忸怩たる思いに駆られることはあります。それに「積極的に他人を批判して傷つける」といった確信犯でなくても、知らず知らずのうちに相手の感情を害している、というのは必ずあると思います。

ではどうするのか。結局、「自分に寛容であれ」、これに尽きると思います。申し訳ないが、自分の至らないことは相手に忘れてもらい、許してもらうしか手がありません。

ただ、その代わりと言っては何ですが、相手の至らないところは努めて忘れてあげるし、許してあげる。当然、こういう人生態度を取らざるを得ません。これはお互いにいいことだと思います。

「人を積極的に批判して傷つけたわけではないからいいやん」

これは私の最近の考え方です。人を積極的に批判して傷つけることをしなければ、失敗は確実に時間とともに風化します。だから、恥はかき捨てでいいと思うのです。

他人に寛容であるためには、まず自分に寛容であるべきではないだろうか。

974 他人のふんどしで相撲をとる



あなたが赴任間なしで、実務はよくわからない上司だとします。部下があなたに相談を持ちかけてきたが、言ってることはわかってもどう判断したものかわからない。慣れていない人は、

「ま、大体良いんじゃないの」

とビビりながら言ってしまいます。つまり自分のふんどしで相撲をとってしまうわけです。

管理職は他人のふんどしで相撲をとることが何よりも大切です。

「そのハナシで君が一番迷うところはどこなの」

「それで君はどうしたいの」

こういった質問で、答を部下に考えてもらうのです。これがコーチングなのです。コーチングは考えず、即座に切り返す質問術、という側面は確かにあります。柔道や合気道で相手の力を使って投げる、ああいった感じなのです。

じゃあ、自分の意見がなくても上司は勤まるのか。大局のビジョンがはっきりしていれば勤まると私は考えます。

部下は相談を持ちかけて来る時点で「こうしたい」という答を既に用意しているものです。だからその答をそのまま肯定するか、ちょっと軌道修正したぐらいの案が、その部下が最もやる気を出せる答えなのです。だから、大局のビジョンに反することでなければ、やらせてみるのが正解です。うまくいかなければ、またその対策を自分で考え出すことでしょう。

ところが、これまで実務一筋で来た人は、他人のふんどしで相撲を取るのに慣れておらず、自分がよく知らないことの判断を求められるとたじろいでしまうことが多いようです。しかし、ちょっと慣れれば「他人のふんどしで相撲を取る」といったテクニックはすぐ使えます。

「他人のふんどしで相撲を取る」・・・ここに思い至るか至らないかが、不慣れな職場で、管理職として自信を確保できるか、自信を喪失してしまうかの分かれ道なのです。

973 フィードバックは北京ダックのようなもの



北京ダックという料理があります。これは丸焼きで出てくるのですが、皮を削いで皮を食べます。もったいないことにさして肉は食べないのです。アヒルを一羽屠って、皮しか食べないというのは、考えてみればバチあたりですね。しかし、だからと言って、アヒルの肉全部は到底食べきれないでしょう。

他人からのフィードバックというのがあります。コーチングの集合研修では多用されるのですが、フィードバックはこの北京ダックのようなものです。すべてを食べるわけにはいかないのです。食べるのはせいぜい皮だけです。食べたくなかったら皮すら食べなくてもいいと思います。人間そうは変われません。だからそうはフィードバックを咀嚼できないのです。

あるクライアントさんが、フィードバックを真面目に受け取るあまり、プレッシャーを感じて悩んでおられたのです。そこで、フィードバックは北京ダックのようなもの、と私の考え方をお伝えしたところ、気が楽になったと喜んでいただけました。

フィードバックを取り入れるには、何よりも自分が自分に正直であることが第一です。その上で、取り入れたいし、取り入れられる、というフィードバックのみを取り入れればいいのです。フィードバックは自分を偽ったり、無理をしたりして取り入れるものではないのです。ちょうど北京ダックの肉を無理して食べないのと同じことなのだと思います。

972 英語の勉強



英語の勉強が続かない、というハナシをクライアントさんから持ちかけられることがたまにあります。ある人などはTOEICの過去問から単語帳を作って覚えようとしているのだが、その気にならず、つい遊びの予定を入れてしまう、とおっしゃってました。

中高生ならともかく、社会人が単語帳というやり方では、必ず挫折するであろう、と私は断言します。言葉(言語)は内容(事)と表現(言の端)からなっています。内容なく、言の端だけを学ぼうとするのは最も拙劣なやり方なのです。これだと左脳しか使えていません。右脳は左脳の1万倍の情報量を持つと言われています。だから右脳が司る映像や音声を使うのがポイントです。子供が言語の習得が早いのは右脳を使うからです。

では具体的にどうすればよいのか。私が絶対の自信を持ってオススメする最高の方法は、NHKのニュース7(夜のニュース7時台)の英語の副音声を聴くことです。時間が合わなければもちろん録画するわけです。

まず、今日のニュースがコンテンツなので、関心は絶大、どうあっても知りたい内容なので、絶対飽きるということがありません。昨今なら「毒入り餃子」とか「赤福」とかです。しかも映像入りです。この映像が単語が記憶に定着するのを強力に促進するのです。

さらに極めつけは画面の文字や字幕です。拉致問題の報道なら「拉致問題」と出てきて、英語の音声は"abduction"を繰り返します。単語を知らずとも、あ、拉致はabductionって言うんだな、とわかります。あとで軽く辞書で調べておけばOKです。「拉致問題」のニュースはまた後日その後の経過が報道されます。記憶した単語の繰り返しのフォローが自然とできるわけです。

私は四半世紀以前にこの訓練を2年ほど毎日やりましたが、半年もやればまず100パーセント近くの聴き取りができるようになり、単語量も飛躍的に増えるわけです。こういう経験をお知らせすると、誰もがその学習方法の合理性に驚かれます。

米国のCNNを観るとか、時事英語教材のCDを聴くという方法は、不必要な関心のないコンテンツで、文字や字幕も出ないため、初心者の場合、NHKのニュース7を聴くのと比べたら明らかに効果は劣ります。まずはNHKのニュース7をクリアできてから、進むべき教材であると思います。

コーチングで、仮に私がこうした提案ができない、とします。その場合、はっきり言って、超拙劣な方法で、クライアントのコミットメントのみを強要する、意味のないコーチングになるはずです。だから私はコンサルティングがゼロのコーチングは信用できないのです。

ともあれ、NHKのニュース7の英語音声を使う方法は、私が年単位で実践しましたので、どなたにも絶対の自信を持ってオススメできるわけです。

971 便所の落書き



自著のアマゾンの書評にこんな書き込みがありました。

はっきりってひどすぎます。開いた口が塞がりませんでした。

そもそもこの著者はNLPとそれに基づくコーチングの理論をきちんと勉強したのでしょうか?外から眺めてみただけで全く勉強していないんじゃないかと思います。
それどころか一般的にもよく言われているような潜在意識のしくみすらも知らないのでは?と思ってしまいました。それでいてコーチングを名乗るので腹立たしくなってしまいました。

どこがコーチング?人間力?バカにするな!です。
個人のアドバイスを求めるのがコーチングではありません。
それにこの著者のアドバイスがどれほど素晴らしいと言うのでしょう?あくまで個人的な一意見にすぎず、クライアントはそれの理解に努めなければなりません。
人間力と言う様な曖昧な言葉をかかげて売りにするなど・・・クライアントがかわいそう。
まぁひとえに著者の勉強不足でしょう。頭の悪い人間はコレだから相手になりません。

ましてや、コーチがクライアントを選ぶなんて言語道断!


ごくたまにメールとか、ブログのコメントにこういった罵詈雑言が交じっています。こういった書き込みは胸糞が悪いので即座に削除してきたのですが、今回はあまりにひどいので残すことにしました。もっとも便所の落書きを保存するのはイヤなものです。臭ってくるでしょ?ネット社会では匿名で罵詈雑言を吐けるわけですが、それの好事例と思います。

私は頭の悪い人間だそうです。きっと彼は素晴らしく頭が良いのでしょう。それにしてはこの書評は解せないし、こんな感情的なコメントをノーチェックで掲載するアマゾンの仕組みも問題ありです。

この書評は私の本とは何の関係もなく、私のホームページに対する個人攻撃だと感じます。書評としては思い当たることがないからです。ま、こんなたちの悪い輩が跳梁しているのがNLPとかコーチングという世界であれば、少々うんざりです。

しかし、私のような一市井人がこんな中傷を受けるのなら、有名人はいかばかりか、と思います。いちいち気にしてたらやってられないでしょう。

注)この書評は後日アマゾンによって削除されました。
999 畢竟何を学ぶべきか
998 信によって立つ
997 今やってることと陸続き
996 わかっていても問いかける

*
995 祈りて願ふ事は、すでに得たりと信ぜよ、さらば得べし
994 人見て法説け
993 長く続けたほうが勝ち
992 よくある話ですね
991 良きクライアントは良きコーチである

*
990 夢や目標がない
989 出会いと転機
988 外に出て行くべし
987 プロのコーチは昼間は何をしているのか
986 コーチングの金銭感覚

*
985 先制攻撃
984 自己啓発セミナー系社員研修
983 転職でコーチング
982 人事を尽くして天命を待つ
981 外的コントロールに対する社会一般の認識

*
980 優雅さということ
979 控える・持ち上げる
978 短所を直す・長所を伸ばす
977 コーチングの認定
976 コーチングの研修

*
975 自分に寛容であれ
974 他人のふんどしで相撲をとる
973 フィードバックは北京ダックのようなもの
972 英語の勉強
971 便所の落書き
*
970 無能であっても理解ある上司
969 西はりま天文台
968 出ました、2.0
967 プラスアルファ
966 自分をつくらず正直に

*
965 鉢のとれた鉢かづき
964 学びは受身ではなくて取りに行く
963 今年は歩こう
962 すんだことだし、もう忘れましょうよ
961 星空ウォッチング

*
960 想いは現実化する
959 「決める」までがコーチング
958 ナバホ族の精霊
957 日経経営セミナーに4度目の登場
956 心で見る

*
955 「気」の良さ + 自負 = 感化力
954 相反する価値観の使い分け
953 2008年はアウトドア元年
952 リアルとバーチャル
951 “I”メッセージは舌禍を最低限に抑える働きがある


*** コーチングを受けてみませんか
*** コーチングとは(私見)
*** 社会人のためのカウンセリング
*** カウンセリングとコーチング
*** ビジネス・コーチング入門
*** ライフワーク・コーチングの奨め
*** オーケストラ再生のオーディオ
*** オーケストラ録音を聴く
001〜050 051〜100 101〜150 151〜200 201〜250
251〜300 301〜350 351〜400 401〜450 451〜500
501〜550 551〜600 601〜650 651〜700 701〜750
751〜800 801〜850 851〜900 901〜950 951〜999
All copyrights reserved 2006 Yoshiaki Sugimoto