◆ディーゼル戦艦 大和◆

●コンセプト:

 史実で建造が決まった「A140/F5案」の軍艦「大和」は、機関の半分にディーゼル機関を搭載する予定だった。
 ディーゼルは蒸気タービンに比べて、少しばかり重くて床面積と取るらしいが、なんと言っても燃費が良い。「大和」のいた時代で三割ぐらい燃費が良いらしい。「大和」で言うなら、燃料を1000トンほど積まなくてよくなる。ついでに乗組員もごっそり削減できるし、煙突や吸排気口も小さくできるので防御上も有利だ。なんといっても、バイタルパートを小さくできるし船の全長そのものも短縮できる。カタログスペック上では良い事ずくめだ。技術オタク達が作りたがるわけである。
 しかし当時の日本にとっては技術面でのハードルが高く、やむを得ずディーゼル機関の搭載が諦められた。二系統の機関を一つの船に搭載する点も、運用や保守、修理での不利な面もあったという。
 しかしこの世界では、技術面での問題をクリアできた世界での、ディーゼルと搭載した「大和」が出現する世界を見てみたい。

 なお私の知る限り、最終計画案通りの「大和」を架空戦記世界では一度も見たことがない。そう言う点からもいつかは取り上げて見たかったのだが、それだけでは少し寂しいので、いつも通り歴史自体もいじってみたい。
 そこで、当時世界で一番ディーゼル機関の製造技術が高かったドイツと日本の関係が深かったら、という面で歴史を作り替えていきたい。これにより日本の発展を少しばかり加速させて、史実よりマシな戦争を展開させたい。
 しかし、日本とドイツの関係を史実より親密にした場合の第二次世界大戦では、日本が開戦当初から戦争に加わらなくてはならないかもしれない。他の国々との関係も変わってくるだろう。そう言った点も見て行ければと思う。
 単にディーゼル機関を搭載した「大和」を作るだけらなら艦を紹介して終わるだけなので、むしろ「ドイツと日本が長期間蜜月関係」だった歴史を見ていくのが平行世界を追いかける上での主題になるかもしれない。
 恐らくは、第二次世界大戦勃発の頃から、日本が戦争に深く関わる状況を見ていけたらと思う。

 それにしても、山本五十六は大変なことになるだろう。何しろ第二次世界大戦勃発時点(1939年9月1日)で連合艦隊司令長官に就任するのだ。恐らく、山本五十六は真珠湾奇襲攻撃どころではないだろう(笑)

 それと始める前に一応言ってしまうが、今回のタイトルは市販の架空戦記小説と同じくタイトルと内容には差があると思っていただきたい。基本的には、日本が1939年9月から戦争に参加した場合を見ていくのであり、日独蜜月という中での時間犯罪を追いかける。「ディーゼル戦艦大和」とは、その平行世界の中で生まれる可能性のあった最もインパクトのある兵器であるに過ぎないのだ。

もしかしたら、ほとんど活躍しないかもしれないが、その点はご容赦願いたい。

 

 それでは、此度も虚構の世界へと参りましょう。

 

■図版

「大和級」戦艦(1941)

「紀伊級」戦艦(1941)

「大和級」戦艦(1943)

「紀伊級」戦艦初期案

●本編

フェイズ01

「ドイツとの蜜月」

フェイズ02

「暗雲到来」

フェイズ03

「日本の戦争準備と新造戦艦」

フェイズ04

「第二次世界大戦開始」

フェイズ05

「動き出した戦争」

フェイズ06

「アメリカの去就」

フェイズ07

「インド洋侵攻」

フェイズ08

「広がる戦場」

フェイズ09

「二つの海上決戦」

フェイズ10

「イギリスの窮乏とこの頃のアメリカ」

フェイズ11

「『オペラツィオーン・バルバロッサ』での日本」

フェイズ12

「他戦線の東部戦線への影響」

フェイズ13

『関特演』と『タイフーン』」

フェイズ14

「モスクワ攻防戦」

フェイズ15

「オリエント戦線」

フェイズ16

「斜陽のイギリス軍」

フェイズ17

「『青作戦』」

フェイズ18

「極東戦線一九四一年冬」

フェイズ19

「インドでの停滞と各国の戦争経済」

フェイズ20

「攻勢再開」

フェイズ21

「アメリカ中間選挙」

フェイズ22

「スターリン最後の賭け」

フェイズ23

「遣欧艦隊」

フェイズ24

「ボルシェビキの凋落」

フェイズ25

「決戦前夜」

フェイズ26

「北大西洋海戦」

フェイズ27

「終戦と講和会議」

あとがきのようなもの


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