●初めに●
今回は「宇宙戦艦ヤマト」の世界観を、架空戦記もしくはサイエンスフィクション方面でデティールを深めて考えられるような再構築を目指したいと思います。
また、科学考証の点を少し重視したいので、「新たなる旅立ち」以降の全体的な設定については、「プレイステーション2」対応で発売されたゲーム版の設定を主に使いたいと思います。
(※アニメの西崎版に対してゲームは松本版とでも言うべきだろうか?)
加えて、高度な星間文明を持った知的生命体と22世紀末の地球人類の間には、あまりにも文明程度の差と技術差の溝が深いと考え、特に年代初期において独自の設定を多く盛り込みます。その点、寛容なご理解をよろしくお願いします。
以上の事を踏まえて、科学考証の一部も変更します。
たとえば、地球の海が全部干上がってしまったら、放射能で汚染される前に地球が金星化して高温高圧な大気の星になり、宇宙船のような環境でしか地上で生きていけなくなってしまう可能性が高いのではないでしょうか?
最低でも蒸発した海のせいで、地球表面がとても分厚い雲に覆われている筈です。また、海が干上がってなお雲が薄くできる程度であるなら、地球は生命体が生息するには異常なほどの高温(+高圧?)になるのではないでしょうか? 少なくとも、焼けただれた真っ赤な大地にはほど遠い筈です。(大気中の塵の増加などによるスペクトルの変化で、見た目が赤っぽくなる可能性は高いが。)
このように、言い出せばキリがないのですが、劇中の状況を可能な限りトレースしつつも一部変更したいと思います。ただし、「リアル」を目指すのではなく、あくまでディティールの深化を目指せればと思います。
なお、「ヤマト」世界の基本である、タキオンを利用した波動機関などこの世界独特の技術や理論に関しては、基本的にアンタッチャブルとします。この世界において厳然として存在する理論であり粒子であり、そして一般技術であるという定義は動かしません。むしろ最重要の前提条件なので、肯定的に捉えたいと思います。
ただし、一部の設定で出てくるエーテルは存在しないものと考え、タキオンその他の特殊な粒子は根元粒子もしくは一種の量子でもあると想定します。加えて、宇宙(銀河)に水平面と上下があったり時折風が吹いたりする「松本宇宙」に関しては、あくまで「ミュージカル型作品」上での映像手法であったとして、実際は存在しない現象としたいと思います。
まあ、タキオンやターディオンは一応仮説が言われていますから、完全なフィクションであるミノフスキー粒子よりも扱いやすいでしょう(笑)(ミノフスキー粒子も一種のイオン体やプラズマ粒子と思えばいいんでしょうが)
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